ラリーはハッチバックが多いのはどうして? - ボディタイプはセダン・クーペ
ラリーはハッチバックが多いのはどうして?ボディタイプはセダン・クーペより
ハッチバックの方がいい結果が出るのでしょうか?
インプレッサ WRX STI GRB
現在のWRカー規定の場合、車両運動性に重要な「最低重量」と「全長・オーバハング比」が最適なのがBセグメント車になり、Bセグだと必然的にハッチバック車となってしまう状況です。
→リヤタイヤが後端に配置されるので、全長・ホイールベース比が最適にしやすく、リヤハッチ空間が広いのでストロークも取りやすい。
例えばトヨタがWRC復帰前2012年頃に「ヤリス」と「オーリス」を選定した所、Cセグメントのオーリスはホワイトボディが350kg前後と重く、WRCベースにした時に重くなってしまうためBセグメントのヤリスにしたそうです。→最低重量が軽いとバラストで配分調整できる
※それでもヤリス(ヴィッツ)のホワイトボディですら当時のセリカGT-FOUR(288kg)より重く、現代の車は昔より遥かに高剛性・衝突安全が優れているのだとTMGも感心したそうです。
ハッチバック化の流れは2000年当時に「プジョー206WRC」が出てから主流となりましたが、当時206WRCの開発担当者は「本当なら306でやりたかった。206は小さすぎてフロントヘビーになりエンジンルームも狭すぎた」と語ってました。
→当時シトロエンクサラは全長がやや長かったですが、全長・ホイールベース比がバッチリで王者に君臨します。サイズ的には206より長くほぼCセグでプジョーもクサラくらいのサイズでやりたかったそうです。
プジョーとしても306より206を販売したかったので必然と206になりましたが、当時206WRCは全長が規定に足らず、リヤバンパーを延長したRCを限定生産する形でWRCへ参戦可能となりました。エンジンと駆動系が収まらないので苦肉の策で「横置きエンジンに縦置きミッション」というなんとも不思議な構成でした。
スバルに関してはセダン→ハッチバック(2007年)と変更されましたが、スバルの場合「水平対向エンジンとミッションをフロントオーバーハングから移動できずフロントヘビー」という根本的な欠点があったため、活躍することが出来ず卒業となる形です。
→スバルの場合ハッチバック化によりむしろフロントヘビー傾向が助長された結果です・・・・・ 添付した写真のようにスライドしながら走るので、
リアのオーバーハングが長いと、路外の障害物に当たるから。
オーバーハングの重量で慣性力が働き曲がり始めの反応が重く、
流れると止めにくいから。 旋回性能を重視した結果、どのチームもハッチバックに行き着いたというべきですかね。
セダンは後ろにトランクがある分ハッチバックに比べ、カーブで曲がる時にリアがフロントについていくのが遅くなります。
サーキットの様な直線が多く、カーブもあまり連続する事がなければ、前後にバランスがとれたセダンタイプの方が速い場合がありますが、ラリーのように、どんなに速いタイムを競うスペシャルステージであっても、直線より連続するカーブが多い為ハッチバックの方が有利になります。
簡単に言えば、大きいコマと小さいコマでは回す力が同じなら、小さいコマの方が速い回転数で回ります。コマの軸をフロント外周をリアと考えたら分かりやすいでしょうかね?
因みに、一般道ではラリーのような過激な走りはしないので、セダンもハッチバックもたいして変わらないと思います。 現行のWRカー規定では全長の下限が3900mmとなっており、このくらいの全長の車種はハッチバック型ばかりだからです。
旧規定では全長が長かったけれど、やはりハッチバック型が多かったです。ラリーの走り方だと、滑りながらのコーナリングでオーバーハングを路肩の木や石にヒットさせやすいので、前後オーバーハングが短くてタイヤが車体の四隅に付いているハッチバックほうが都合が良いんです。ペター・ソルベルグもハッチバック型のマシンをずっと望んでいて、スバルのWRカーがハッチバックになったときはようやく願いが叶ったと喜んでいました。
また、ハッチバック型だと開口部が広く、ロールケージを組みやすいのも利点らしいです。 オーバーハングが短くなるからですよ。
あなたの載せたGRBがいい例です。 規定でそうなっているから
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