レガシー・ツーリングワゴン Wagon4WDとカローラ COROLLA・フィールダー FIELDER4W
レガシー・ツーリングワゴン Wagon4WDとカローラCOROLLA・フィールダー FIELDER4WDとでは、雪道走行で安定感に差が出るものですか? 当然、差はありますよ。実際のシーンでの主な違いは以下の4つ。■ 走行上の違い
(1)アイスバーンでの坂道発進
登り坂は前輪の荷重が抜けて後輪に荷重が掛かります。レガシィが登れるカリカリの氷結路では、後輪へのトルク配分が遅く弱いフィールダーの場合、空転して登れない場合があります。
(2)40cm近くも積もった深い雪道走行
例えば、一夜の大雪で駐車場が積もった時など、当然ですが、レガシィの方が4輪への駆動力は適切に分配されます。タイヤが空転してもアクセル踏んでいればグイグイ前に進み抜け出しやすいです。
(3)急な下り坂での1速ヒルディセント
スバルはエンジンブレーキでしっかり四駆になりますが、フィールダーはほぼFFに近いです。なので滑りやすい急坂をエンジンブレーキだけで下るときなど、安定性に大きな差が生まれます。
(4)アクセルオンでのスライド
レガシィは雪道でステアリング切ってアクセルを強く踏むと、積極的にラリーカーのようなドリフト走行に持ち込めます。一方、フィールダーで同じことをしてもアンダーステアで回転弧が膨らむのみ。レガシィは普通に運転すれば何も起こりませんが、ドライバーが働きかけるとスポーツドライブに適応します。走破性だけてなくコントロールの幅も広いわけです。
この差は何かというと、根本的に「モノ」が違います。
■ 構造的な違い
レガシィもフィールダーもFF車です。この世にあるFF車というのは通常はエンジン「横置」が基本です。しかしながらレガシィはFFながらエンジン「縦置」だったりします。なのでそのままリアまでプロペラシャフトを伸ばすとシンプルに本格的な4WDがつくれてしまいます。もうひとつエンジン縦置きのFFメーカーで有名なのはドイツのAUDIです。スバルもアウディもオンロード4WDの分野でトップクラスですが、これはエンジン縦置のFFベースであることが最大の武器となっています。元々FFなので前輪の駆動力が強力なのですが、そのままソリッドにリアまでプロペラシャフトを伸ばしているので、リアドライブも強靭に作れるのです。さらにスバルがアウディと異なるのは、高さが低く長さも短い水平対向エンジンを積んでいることです。エンジン縦置は極端にフロントヘビーになる傾向があるのですが、スバルはこのコンパクトなエンジンのおかげで、あまりフロントヘビーにならずに素直なハンドリングを手に入れています。
一方、フィールダーは極一般的なエンジン横置のFFをベースです。本格的なリアドライブを増設するには、重量もコストもかかるため、簡素なリアドライブにしています。エンジンの出力は前輪に直結しており、通常の走行はほぼFFで走行します。前輪と後輪を繋ぐ簡素なプロペラシャフトはあるのですが、その間に「油圧式カップリング」を装備しています。この装置は入口と出口で回転差が発生すると装置内部の油圧を高めて直結に近づけようと頑張ります。結果、前輪が空転などすると、前後輪に回転差が発生し、装置内の油圧が高まり後輪が動き始めるという仕組みです。滑らないための四駆なのに、滑ってからでないと四駆にならないので「なんちゃって4WD」とも呼ばれていますが、これでも雪道では随分と重宝します。
フィールダーは現在3代目ですが、2代目は機械式の「Vフレックス式4WD」、3代目は電子制御の「アクティブトルクコントロール4WD」です。3代目は電気信号なので、2代目に比べて4WDの切替反応早いです。4WDの絶対性能にはあまり差がありません。性能としては限定的ですが、これで十分という方は多いと思います。
スバルには4種類の4WDシステムがありますが、レガシィは年式や変速機の方式によって搭載するシステムが異なります。MTの場合は「ビスカス付センターデフ式フルタイム4WD」というシステムです。エンジン出力は一度センターデフが受けてそこから前後輪に駆動配分される本式のフルタイム4WDです。前後のトルク配分は機械式なのですが、持ち前のバランスよい素性で優れた運動性能を誇ります。
2ペダルの場合は2種類のシステムがあります。「ACT-AWD」と「VTD」です。ACT-AWDは、通常は前60:後40のトルク配分が基本の「トルクオンデマンド式フルタイム4WD」です。前後のトルク配分は電子制御方式で、現在スバルで最も多く採用されている仕組です。もう一つの「VTD」は前45:後55のトルク配分の「センターデフ式フルタイム4WD」となります。後輪偏重トルクなのでコーナリング性能に優れます。レガシィでは3代目ターボモデルからVTDが採用されています。
長くなりましたが、フィールダーの4WDは世界的に一般的なFF車の仕組み。一方、スバルは世界的にも珍しい水平対向エンジン+フルタイム4WDで、これをスバルは「シンメトリカルAWD」と呼んでいます。世界のどこに出しても誇れる四駆システムです。モノが違うので、性能差は致し方ありません。
以下の動画の方が分かりやすいでしょうか。ご参照ください。
https://www.youtube.com/watch?v=9Pi581ii7qA 特に冬場にはウンチク垂れがちですが、そんなに変わりはないです。 スバルはMTは駆動配分が固定(WRX STi除く)でAT/CVTは可変でも常に4輪に駆動力を伝えています。
トヨタはカローラフィールダーに限らず乗用車タイプは、結構古くからトルクスプリット(スタンバイ方式)型の主駆動輪(FFベースならフロント)がスリップしたら抜けた駆動力を副駆動輪へ伝えるシティ型4WD。
そのためトヨタに限らずトルクスプリット型を採用しながらも、常に4輪に動力を伝えていない事から燃費も稼いでいます。
常時4WDとスタンバイ方式では安定感も走破性も異なる部分で、常時4WDよりは劣ります。
スタンバイ方式はあくまでも滑りやすい発進時等には安定しますが、いざコーナリング中に滑ったとしてもアクセルを踏まなければ意味がありませんし踏み続ける事は慣れないと無理ですから、安定性を求めるなら常時型の方が上になってしまいます。 AWDと4WDは
似て非なるモノです
特に フロントヘビーだし
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