カーボンディスクブレーキについての質問です。F1などで使われて
カーボンディスクブレーキについての質問です。F1などで使われていますが、何故あんなスピードの車を止めるだけの摩擦力が出きるのかが疑問です。
私は金属を鋳造する仕事をしたことがあり、黒鉛やグラファイトと呼んでいたカーボンの素材を使っていました。なので、カーボンの耐熱性については理解しているのですが、カーボンはむしろ潤滑剤としての役割が大きいと思っていましたのでカーボンで出来たブレーキが効くとはとても思えません。ちなみに油の付着したディスクブレーキがどれだけ怖いか経験済みです。
カーボンと摩擦の関係を分かりやすく教えていただければと思います。 >何故あんなスピードの車を止めるだけの摩擦力が出るのか
・・・ここが、ポイントです。
ブレーキは「タイヤの回転を止める摩擦力」を発生させているわけではありません。
もちろん、ブレーキをかければ「滑り摩擦力」は発生しますがそれはほんのわずかです。
では何が400㎞/h近くから車を止めているのか?
何が400㎞/h近くから何百トンもある旅客機を止めているのか?(最近の旅客機もカーボンカーボンブレーキを使っている)
それは「摩擦による熱エネルギー」です。
ブレーキとは「車体の運動エネルギーで回転しているローターにパッドを押し付け、摩擦熱エネルギーを発生させ、発生した熱エネルギーの分だけ車体の運動エネルギーを減らす=車体を減速させる装置」です。
「車体の運動エネルギーを熱エネルギーに変換する装置」がブレーキ。
つまり「発生する熱が大きいブレーキ=良く効くブレーキ」です。
順序を追って説明すると、
ほとんどのブレーキは鋳鉄が使われています。
が、国産標準のようなブレーキの場合、温度上限が300℃程度の物しか使われていません。
それでは効きが悪いので、サーキットや峠を攻めるような人たちは温度上限が700℃になるようなパッドとローターを使用します。
1990年ころまではF1レースを始め、各種レースでもこれが用いられていました。
が、鋳鉄を高温で熱すると炭化して黒錆化してしまう。
炭化するとパッドとローターの設計上の温度上限である700℃を超えてしまう。
越えてしまうとローターは歪んだり融けたりしてしまう。
その為、炭化して表面に発生した黒錆が、滑り摩擦力ですぐに削れ落ちるような設計になっている。(ブレーキダスト)
⇒この時誰かが気づきました。
「炭化すると温度が高くなっちゃう?でも発熱量が大きい方が良く効くんだろ?だったら最初から炭(カーボン)でブレーキ作っちゃえば、ものすげぇ高い温度まで出る、すげえぇ良く効くブレーキになるんじゃね?」と。
ということで、カーボンカーボンブレーキができました。
カーボンが使われるのは「パッドとローターの滑り摩擦力」が大きいからではなく、一瞬で1000℃以上まで上昇するから。
「発熱量が圧倒的に大きいから」です。
※F1用のカーボンカーボンブレーキの発熱量を仕事率(馬力)換算すると4000馬力くらいになるそうです。
※カーボンカーボンブレーキは市販車用としては致命的な欠点があって、それは「踏み始めの温度がせめて200℃以上ないと、発熱が瞬時にち上がらない」ことです。
冷えていたら、特に雨降りなどで温度が上がらないと踏んでも軽自動車並みの減速Gすら出ない。
⇒そこで、踏み始めの温度をせめて100℃程度まで下げるようにして、100℃以下でも軽自動車程度の減速Gが出るようにしたのが、市販車にも採用されている「セラミックカーボンブレーキ」です。
・・・「カーボンカーボンブレーキ」という呼び方はこの「セラミックカーボンブレーキ」と区別するために使われる。
※物理的特性として、
①摩擦熱は、速度(=擦りあわされる速さ)が上がるにつれて指数関数的に上昇する。
②滑り摩擦力は、速度に無関係にほぼ一定で、むしろ速度が高いほど小さくなってゆく。
③滑り摩擦力はごくわずかの力でも「タイヤの回転を止める力=タイヤをロックさせる力」として作用する。
その為、むしろこの「滑り摩擦力」は小さければ小さい方がタイヤがロックし辛い。
⇒発熱量が大きく(減速Gが大きく)、タイヤがロックし辛い。というブレーキにとって最良の性質になる。 https://www.youtube.com/watch?v=_XY4k4oElwc
単純に言えば、摩擦係数の高いカーボンディスクの開発に成功したから
鉄ローターより圧倒的に重量が軽く、バネ下荷重が軽くなるから必死に開発をする意味があります
現在ならカーボンブレーキがレースディスタンスにおいて安定した強力なブレーキを維持することが必須です
カエルの書き込みは全くの間違い 鋳鉄は800度くらいで軟化するしもっと上がると燃焼が始まる。カーボンといっても色々あるけど黒鉛グラファイトは全部の素材で比較しても溶解しないというう特殊な特性がある。3,000度でも溶解しないという。
カーボンの他にはセラミックも多用されていますね。耐熱性も重要ですが放熱することでブレーキになっているので放熱も考慮します。放熱が間に合わないと温度が伝わってキャリパなどが破損してしまう。ブガッティ社のキャリパーテストの動画はすごいですね。デザインも異様ですがローターは2,000度ぐらいになっているように見える。 ブレーキディスクに使うcarbon-carbonは鋳鉄より摩擦力高いですよ。
耐摩耗性、耐熱性、耐熱変形性 全て鋳鉄より優れています。 F1などで使われていますが、何故あんなスピードの車を止めるだけの摩擦力が出きるのかが疑問です。
ブレーキ作動温度が大きく異なる為
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