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レクサスUXはハッチバックのようなSUV。ブランドを引っ張る強い個性と味がある

2018-12-26 11:40| post: biteme| view: 294| コメント: 0|著者: 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之

摘要: 台数よりもレクサスの存在感を増すことが使命 2018年、レクサスは過去最高の販売台数を記録した。およそ60万台という数字は、それでもドイツプレミアム御三家の約3分の1に過ぎない。が、長い歴史とそれに裏打ちされ ...

レクサスUXはハッチバックのようなSUV。ブランドを引っ張る強い個性と味がある

台数よりもレクサスの存在感を増すことが使命

2018年、レクサスは過去最高の販売台数を記録した。およそ60万台という数字は、それでもドイツプレミアム御三家の約3分の1に過ぎない。が、長い歴史とそれに裏打ちされたブランドイメージ、そして膨大なモデルラインアップを誇るドイツ勢に対し善戦しているのは紛れもない事実だ。日本では展開していないものの、ホンダはアキュラ、日産はインフィニティというプレミアムブランドをもっている。しかしアキュラもインフィニティもドイツ勢の大攻勢を前に苦戦を強いられている。ブランドイメージ的にも「ニアリープレミアム(プレミアム的)」に留まっているのが現実だ。それを考えると、レクサスの孤軍奮闘ぶりがさらに鮮明になってくる。

レクサスの好調を台数面で支えているのは「RX」「NX」「ES」の3モデル。そして「LS」と「LC」がブランドイメージを引っ張る。一方、今回登場した「UX」に期待されているのは、レクサスのエントリーモデルとして、これまでレクサスに乗ったことのない新規ユーザーを獲得することだ。

とくに、UXが属するコンパクトSUVマーケットはレクサスが苦戦している欧州で成長著しい。UXの投入をきっかけに欧州マーケットでのプレゼンスを増し、レクサスブランドを浸透させることがUXの重要な役割となる。

もちろん、売れなくてもいいというわけではないが、レクサスは台数の急激な拡大は志向していない。まずはブランドイメージをしっかりと構築し、本格的な数の追求はそのあとでいいというのが彼らの考えだ。事実、詳細は後述するが、台数規模をプライオリティの最上位に掲げるクルマなら普通はやらないような冒険がUXの随所に見られる。そう、「尖ってなんぼ」の世界である。

ゴルフ好きからクレームが来そうな狭いラゲッジ

UXのディテールに迫っていく前に、「CT」の今後について軽く触れておこう。前のページで今後はUXがレクサスのエントリーモデルだと書いたが、それは「実質的な」という意味であり、CTはまだカタログ落ちしていない。となればCTがもっとも安いレクサスということになる。しかし、デビューからすでに8年経ち、パワートレーンもシャシーもさすがに古い。

絶対にレクサスに乗りたい、でも全幅が1800mm未満じゃないとガレージに収まらないんだよね(UXは1830mm)という人以外にはおすすめできないというのが正直なところだ。今後CTの後継モデルが出てくるかどうかは不明だが、ブランドイメージ的にも放置は得策じゃない。次期モデルがないのであれば、そろそろカタログから落とすべきだろう。

さて、UXだ。一般的にはコンパクトSUVと表現できるモデルだが、レクサスはCUE(Creative Urban Explorer)と呼んでいる。その中身はSUVとハッチバックを融合したクロスオーバーモデルであり、荒れ地を走るというよりは、都会を颯爽と駆け抜けるのに適した、ちょっと背の高いハッチバックカーと表現するのが正解だ。

同じプラットフォームを使う「トヨタ C-HR」が引き合いに出されがちだが、そういう意味では「カローラスポーツ」との血縁関係も深い。全高は1540mmとC-HRに近いものの、ぱっと見の印象はむしろハッチバックカーに近いというのが僕の見立てだ。そのうえでデザインを眺めると、ああけっこう尖っているなと感じる。

お馴染みのスピンドルグリルと鋭い目つきを組み合わせた顔、スピード感を感じさせるフェンダーアーチモール、横一文字のリアコンビランプなど、ディテールの印象はかなり強い。加えて、強く傾斜させたリアピラーとギュッと絞り込んだリアエンドの造形が非SUV的軽快感を演出している。驚いたのはハッチゲートを開けてラゲッジスペースを見たときだ。狭い! 深めのアンダーボックスもあるが、それにしてもずいぶんと割り切ったスペースである。

VDA方式でのラゲッジ容量は220L。SUVのわりに狭いと言われているC-HRでも318L、カローラスポーツが352L、「VW ゴルフ」が380Lであることを考えると、ビックリするぐらいの狭さである。思わず「こんなんで大丈夫なんですか?」と聞いてしまった。すると担当者は胸を張ってこう答えた。「使い勝手よりもデザインを優先しました」。 

やはりこのUX、かなり尖った思想の持ち主だ。ちなみにゴルフバッグを積むには後席を畳む必要がある。フル乗車状態でゴルフバッグが1個も積めないクルマは、スポーツカーを除けばトヨタグループ初とのこと。僕はゴルフをしないが、ゴルフ好きからはクレームが来るだろう。いちいち後席を畳まなければゴルフバッグが積めないことを理由に購入を諦める人も少なくないはずだ。それを承知でレクサスはUXのデザインとパッケージングをつくりあげた。この思い切りはまさに非トヨタ的である。

多彩な内装色、コストの掛かったシート

割り切ったラゲッジスペースに対し、後席は平均的な広さを確保している。身長170cmなら楽勝だが、180cmになるとちょっと窮屈、と言えばだいたいのイメージを掴んでもらえると思う。むしろ特筆したいのがインテリアの仕上げだ。まず、さすがレクサスと感じるのが豊富なカラー。標準系で6色、Fスポーツ系で3色の合計9色のインテリアカラーが用意される(外装色は13色)。

ダッシュボードに使った和紙調シボも新感覚だ。太いフロアコンソールには奥からカップホルダー、タッチパッド、ATセレクター、そしてアームレスト内蔵型オーディオコントローラーが並ぶ。スイッチ類は身長の低い人でも無理なく届く範囲に配置され、基本的な使い勝手は悪くない。ただし助手席の人がオーディオを操作する際はちょっと戸惑うかもしれない。

ドライバー正面、10.3インチワイドディスプレイの右隣には小ぶりな液晶メーターパネルがある。Fスポーツは可動式ベゼル、標準系は固定式になる。最近の傾向からすると表示面積が小さく、いわゆる1眼式になっていることに物足りなさを覚える人もいると思う。しかしその反面、コンパクトなメータークラスターは視界の改善に少なからず貢献している。Aピラー付け根付近のパネルに入ったエッジラインがボンネットフードのエッジラインにつながる造形は、「屋内と屋外を融合する」という日本建築からインスパイアされたものだそうだ。

たっぷりとコストをかけたシートは素晴らしい座り心地を提供してくれる。標準系のほうがやや優しい座り心地だが、Fスポーツ系のシートも決して固い印象はない。サイドサポートも、張り出しを最適化することで乗降性への悪影響を最小限に抑えている。このあたりはCUEというコンセプトに忠実なつくりだ。全体的な質感もさすがレクサスと褒められるレベル。これで、インパネアンダーとグローブボックスに使われているハードプラスティックがソフト素材になれば言うことなしである。

C-HRやカローラスポーツとは格が違う乗り味

UXはC-HRやカローラスポーツと同じプラットフォームを使っているが、現代のプラットフォーム共有は、バッジエンジニアリングとか着せ替えと称された昔の兄弟車とは違う。基本技術を共有することでコストを抑え、浮いた分を様々な機能や性能の向上にまわすのが狙いだ。

とはいえ、それを成功させるには優れたプラットフォームを用意することが前提になる。基本がダメなら、いくら磨き上げても後の祭りになってしまう。その点、GA-Cと呼ばれるプラットフォームを使ったC-HRやカローラスポーツは走りの領域で高い評価を獲得している。その上でUXに適用するにあたり、レクサスはさらなるボディ剛性向上対策を施してきた。同じ素材でもひと手間、二手間をかけた料理というわけだ。また、軽量化対策としてアルミを多用してきたあたりもレクサスならではの贅沢と言える。

走りはじめて最初に感じたのは優れた視界と適度な高さのアイポイント、SUVとしては手頃なサイズが生みだす扱いやすさだ。運転が苦手な人でもリラックスして動かせる。それでいて、乗り味に安っぽさがまったくないのが嬉しい。

なかでも印象的だったのが静粛性。万全の遮音吸音対策によってエンジン、タイヤ、風、外部といった主要騒音をレクサスに相応しいレベルまでシャットアウトしている。エンジン回転を高めたとき、ザラついた路面にさしかかったとき、速度を上げたとき、大型トラックと並んだときなど、UXはあらゆるシーンで納得の静粛性を示す。絶対的な静粛性も高いが、不快な周波数帯の抑え込みや、状況変化による音量の変化幅を小さく抑えているのが感覚的な静かさに大きく貢献していると感じた。クルマの高級感にはいろいろな尺度があるが、静粛性はそのうちの1丁目1番地。その点において、UXはCH-Rやカローラスポーツとの格の違いをはっきりと見せつける。

軽快な200、加速フィールが気持ちいい250h

パワートレーンはハイブリッド(250h)と自然吸気(200)の2種類。いずれも世界最高レベルの熱効率を誇る新開発の2L直 4で、200は発進用メカニカルギアを備えた世界初のCVT「Direct Shift-CVT」を組み合わせる。詳細は省くが、燃費とドライブフィールを高いレベルで両立することを狙ったCVTだ。

250hと200の価格差は35万円ほど。しかしエコカー減税を含めて考えれば実質的な価格差はもっと小さい。実際、現状でのモデルミックスは8:2で250hが多いという。しかし200も捨てたもんじゃない。まず、250hより80kgほど軽いため身のこなしが軽快だ。エンジンも軽快に回るし、僕が嫌いなラバーバンドフィールをほとんど感じさせないCVTの出来映えもいい。燃費面でも、高速道路7割、郊外路2割、山岳路1割のコースをドライブして14km/Lをマークした。同じルートでの250hの燃費は17km/L。道路状況によって変化はするが、200もなかなかの健闘ぶりと言っていいだろう。

とはいえ、僕だったら250hを選ぶ。C-HRやカローラスポーツのハイブリッドが1.8Lであるのに対しUXは2L。わずか200ccの排気量の差が走りの気持ちよさ、とくに加速時のフィーリングに大きな影響をもたらしているからだ。常用域ではさほど大きな違いはないものの、1.8Lハイブリッドは加速時にエンジンがブーンと回って頑張ってる感が伝わってくるケースが多々ある。その点、UXの2Lハイブリッドはエンジンに余裕がある分、エンジンが頑張らない。エンジンとモーターがいい具合に力を出し合った気持ちのいい加速フィールを味わえる。もちろん、アクセルを深く踏み込めばエンジン音は大きくなるが、音質が軽快でこもった成分も少ないから不快じゃないのだ。ここぞというときの加速も250hに軍配があがる。もっとも、モータージャーナリストの間でも好みは半々に割れている。双方に試乗してから決めることをおすすめする。

レクサスの狙い通り強い個性のクルマになっている

フットワークにも大きな進展がある。LC以降のレクサスは、レクサス味として「スッキリと奥深い」という表現を設定。そこに向かったチューニングをしてきた。それがUXにも適用されたのが大きなニュースだ。たとえばメルセデスは「Aクラス」から「Sクラス」まで一本の筋が通っている。BMWやアウディもそうだ。しかしこれまでのレクサスは個々のモデルの乗り味がバラバラだった。プレミアムブランドとしてそれは寂しい。そこでUXの開発者は徹底的にLCに試乗し、味を似せていった。

もちろん1500万円クラスの2ドアFRクーペとまったく同じ走りにできるわけではないが、ステアリングを切り込んでいったときのノーズの反応やリアの追従性、ステアリングの反力、ブレーキのタッチなどを、数値評価とフィーリング評価で煮詰めていったという。その結果、UXにはたしかにLCと共通する味わいが生まれた。UXのフットワークは見かけ以上に軽快だ。しかしそれは決して軽薄なものではなく、しっとりした落ち着き感も備えている。そして何より、仮に目をつぶって乗ったとしてもレクサスだとわかるのがいい。プレミアムブランドはやはりこうじゃなくちゃいけない。

その上で、標準仕様はややソフト、Fスポーツにはややしっかり方向の味付けが施された。僕が気に入ったのはFスポーツのAVS(可変ダンパー)付き。コンフォートモードを選択すれば乗り心地は十分快適。スポーツモードにすればしっかり感が増す。荒れた路面では少々上下の揺すられ感がでるものの、乗り心地も許容範囲内だ。

唯一気になったのは、ステアリングが太すぎることと、素早い操作時にステアリングホイール自体の慣性マスが気になること。Fスポーツに標準系のステアリングが付けば僕の好みにバッチリ合うのだが…。まあ、とりあえず贅沢は言わないことにしよう。UXは、レクサスの狙い通り、他にはない強い個性を身に纏うクルマに仕上がっている。1台のクルマとしての完成度もさることながら、レクサスの魅力を広くアピールするモデルとして、ボトムエンドからブランドを引っ張っていくに違いない。

スペック例

【 UX250h バージョンL 】
全長×全幅×全高=4495×1840×1540mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1580kg
駆動方式=FF
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC直噴
最高出力=107kW(146ps)/6000rpm
最大トルク=188Nm(19.2kg-m)/4400rpm
モーター最高出力=80kW(109ps)
モーター最大トルク=202Nm(20.6kg-m)
トランスミッション=電気式CVT
駆動用バッテリー=ニッケル水素電池
使用燃料=レギュラーガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ=前後:225/50R18(RFT)
価格=509万円
発売日=2018年11月27日

【 UX200 Fスポーツ 】
車両重量=1550kg
駆動方式=FF
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC直噴
最高出力=128kW(174ps)/6600rpm
最大トルク=209Nm(21.3kg-m)/4000-5200rpm
トランスミッション=CVT
使用燃料=プレミアムガソリン
タイヤサイズ=前後:225/50R18(RFT)
価格=443万円
発売日=2018年11月27日


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