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小さな高級車は成功なるか。レクサスLBXの走りは数値に表れない“良いモノ感”が詰まっていた ...

2023-9-25 11:45| post: biteme| view: 677| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:トヨタ自動車

摘要: レクサスの“小さな高級車”への挑戦話題のレクサス「LBX」を試す機会を得た。「レクサス・ブレイクスルー・クロスオーバー」の車名が示す通り、これまでのレクサスが挑んでこなかった「コンパクトクロスオーバー」 ...

小さな高級車は成功なるか。レクサスLBXの走りは数値に表れない“良いモノ感”が詰まっていた

レクサスの“小さな高級車”への挑戦

話題のレクサス「LBX」を試す機会を得た。「レクサス・ブレイクスルー・クロスオーバー」の車名が示す通り、これまでのレクサスが挑んでこなかった「コンパクトクロスオーバー」というジャンルへの挑戦だ。多くの自動車メーカーが昔から挑戦するもなかなか定着しない“小さな高級車”への挑戦でもある。クローズドコースで短時間のみの試乗だが、印象を報告したい。

既存車種のモデルチェンジではなく、まったく新しい車種に接するのはワクワクする。

LBXはTNGAコンセプトに基づく「GA-B」という車台を用いて開発された。「ヤリス」や「ヤリスクロス」など、トヨタのコンパクトカーが用いる車台だ。レクサスとして世に問う以上、ヤリスやヤリスクロスのように“よくできている”だけでは市場から合格をもらえない。レクサスを名乗るにふさわしい満足度を提供できているのかという観点で試乗した。

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電気リッチな加速感

パワートレーンは1.5L直3エンジンを搭載したシリーズパラレルハイブリッド。バッテリーの種類なども含めたシステムの構成はトヨタ「アクア」に近い。が、LBXへの採用に際してモーター出力を向上したほか、アクセル操作に対するモーターの反応を強化したという。

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プレスリリースに「電気リッチな加速感を実現」とある通り、アクセルペダルを踏み込むと、豊かなモータートルクが立ち上がり、エンジン音はさほど高まっていないにもかかわらず、想定を上回る加速力を得られる。つまり、いつもの加速でよければアクセル踏み込み量は少なくて良い。

アクセルを深く踏み込んだ際には3気筒特有の音が聞こえるが、遮音がうまくいっていて、不快な周波数の領域が抑え込まれている。“唸る”とか"頑張っている"感がない。

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トヨタのコンパクトとはひと味違う

試乗コースはコーナーの多いテクニカルなサーキットで、クルマによってはフラストレーションがたまるレイアウト。にもかかわらず、LBXだとさほどパワーがあるわけではないはずなのに(スペックは未発表)リズミカルに走らせることができた。

登板時、降坂時に路面の勾配を読み取り、加速・減速トルクをアシストすることでアクセル、ブレーキの操作回数を減らす制御のおかげと思われる。要するに負荷がかかる場面では燃費最優先ではなく、積極的に電力によるアシストをして動力性能を高めるということ。

また山道などでドライバーが活発に走行しようとしていることをシステムが検知すると、アクセルオフ時の減速アシストを増加し、エンジン回転数を高いところで維持して再加速をアシストする制御も入っている。

連続するコーナーをリズミカルに走行することができたのは、おそらくこれらの制御のおかげ。このあたりに同じシステム構成でもトヨタのコンパクトとはひと味違う、より高い価格を納得させる小さな高級車への取り組みが見て取れる。ちなみにドアの開閉音は他のコンパクトカーでは聞いたことのない重厚なもの。バスンと閉まる。

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カタログスペックに現れないモノの良さ

もうひとつ走行時に感心したのがステアリングフィールの滑らかさ。車体、足まわり、そしてステアリング機構のすべての剛性が高くないとこのフィールは得られないはず。こういうふうにカタログスペックには表れないものの、乗るとだれもが明確に違いを感じられる部分に注力しているのがわかる。

この日の試乗車は欧州仕様のため左ハンドル車だったが、ドライビングポジション、視界性能ともに良好。シートは特段深いバケット形状ではないが、サーキット走行でも身体をしっかり支えてくれる形状と柔らかさで好印象だった。

ダッシュボードまわりはきわめてオーソドックスなデザインで、面白みを感じるわけではないが、使いやすいレイアウトで質感も高い。センターには12.3インチのディスプレイが配置され、ほとんどの操作をこのディスプレイかディスプレイ下のスイッチで行う。

LBXには彼らが「ビスポークビルド」と呼ぶインテリアカラー、シート素材、刺繍パターンなどを自由に選べるオーダーメイドシステムが用意されている。約33万通りの組み合わせがあり、購入者のセンスの見せどころ。センスに自信がある人は腕をふるい、自信のない人はレクサスのリコメンドに従おう。

運転席と助手席の間隔は全幅1825mmなりで、広くも狭くもない。後席は膝前、頭上ともにコンパクトカーとして必要十分なスペースが確保されている。ラゲッジスペースもしかり。外観から想像する通りの容量だが、張り出しが少ない使いやすい形状になっている。

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あとは価格次第

LBXはラグジュアリーカーとして手を入れるべき部分に手を入れ、高級車からのダウンサイザーを納得させるコンパクトSUVになっていると思う。試乗車はプロトタイプだったため、インテリアの仕上げは最終段階ではなく、ビスポークビルドの実力はまだわからないが、走行にかかわる部分は十分に仕上がっていた。

今夏、日本車でありながらイタリア・ミラノでお披露目したように、LBXは世界戦略車だ。レクサスがこのクルマをうまく軌道にのせることができたら、他のプレミアムブランドも次々とこのセグメントに参入してくるはず。気になるのはとにもかくにも価格だ。

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