小型特殊自動車での牽引の件、大型特殊免許或は普通免許以上と牽引免許を所

小型特殊自動車での牽引の件、大型特殊免許或は普通免許以上と牽引免許を所持し、道路交通法で示す小型特殊自動車で重被牽引車を牽引することは可能でしょうか。
そもそも、牽引免許は大型特殊免許或は普通免許以上を持っていなければ取得出来ないわけですが、道路交通法第59条と第85条を読む限り、たとえ牽引免許を所持していても小型特殊で重被牽引車を牽引してはならない、とのネガティブな意味には読み取れないのですが。それとナンバーの話は別問題ですけれど。
また、道路交通法と道路運送車両法では小型特殊自動車の区分が異なりますが、大特免許が必要な農耕用小型特殊は、道路交通法ではそれを大型特殊自動車と解釈して問題ないのでしょうか。
P.S.
「道路運送車両の保安基準解説」、新版だと15,000円だそうで。買う気は更々ありませんが、どこかで手に取る機会があれば読んでみたいものです。また、先の回答ではその文章を削除してしまいましたが、この小特で牽くトレーラの案件は、日本農業機械工業会の公式見解を聞いて見なければ分らないかもしれませんね。

大型特殊免許が必要な農耕用小型特殊自動車は、道交法上は大型特殊として扱われます。
というよりは順序が逆で、大型特殊だからこそ運転に大型特殊免許が必要になります。
(道交法では)他の特殊自動車と同様に、車体サイズと最高速が規定範囲内であれば小型特殊、ひとつでも基準を超えれば大型特殊ということです。
しかし、大型特殊であれ小型特殊であれ、牽引するためには「牽引するための構造および装置」を持つことが条件になります(道交法第59条)。この点について、詳細な条件は道交法等には明記されていませんので、一般には道路運送車両法に基づき牽引重量を認定されている(牽引重量が車検証に記載さてている)ことにより、牽引することができると判断します。
結局、牽引できるかどうかは、主に保安基準によって決まる、ということになります。
保安基準の適用については、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」やその別添資料なども参考になるでしょう。リンク先は国交省のサイトですから、最新版かどうかはともかく出自はたしかです。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/kokujitou_index.pdf
とくに、別添96「連結車両の走行性能の技術基準」などが、牽引重量などを決める場合の判断基準といえます。「農耕作業用自動車で牽引される連結車両」について通常とは別に基準が示されているくらいですから、農耕用の特殊自動車に牽引が認められないわけではありません。計算上は、国産の大型トラクター(道交法上は大型特殊、道路運送車両法上は小型特殊として扱われる、いわゆる「新小型特殊」)でも数トンは牽引できそうです。
他には、牽引状態での制動性能なども問題になるでしょうし、それ以外ではヒッチメンバー周辺の強度を理由に認められないこともあるでしょう。後者については、細目告示でも「堅ろうで運行に十分耐えるものであること」など程度しか基準が示されておらず、基本的には検査官の裁量次第といえます。
また、細目告示も事務の全てではありませんから、小型特殊であることを理由に重被牽引車の牽引が認められない、という可能性は十分にありそうです。