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「トヨタ産業技術記念館」と「元町工場」を見学して感じた、世界一の自動車メーカーの力の源とは ...

2024-11-6 11:00| post: biteme| view: 230| コメント: 0|著者: 文:編集部/写真:編集部、トヨタ自動車

摘要: トヨタの力の源を探る 売上高45兆953億円、営業利益5兆3529億円、グループ全体の世界販売台数1109万台(2023年度)。いまでこそ日本企業として燦然とした数字を並べるトヨタですが、豊田自動織機内に「自動車部」が ...

「トヨタ産業技術記念館」と「元町工場」を見学して感じた、世界一の自動車メーカーの力の源とは

トヨタの力の源を探る

売上高45兆953億円、営業利益5兆3529億円、グループ全体の世界販売台数1109万台(2023年度)。いまでこそ日本企業として燦然とした数字を並べるトヨタですが、豊田自動織機内に「自動車部」ができたのは1933年。

戦前から戦後の激動の時代に、日本国の発展のためにトヨタ自動車を興した豊田喜一郎氏(以下、喜一郎氏)の足跡と苦悩は多くのところで語られているので本稿では割愛しますが、そんなトヨタの歩みと力の源を改めてお勉強するために、bty編集部員がトヨタ産業技術記念館と元町工場を取材してきました。

トヨタ産業技術記念館は、トヨタグループ発祥の地に立つ博物館です。大正時代の工場を産業遺産として後世に残しながら、日本の近代化を支えた繊維機械と自動車技術の変遷を見学できる施設で、今年の6月で開館30周年。取材当日は、外国人観光客や課外実習と思われし小学生の姿が目立ちました。学校の授業で行ったという読者の方も多いのではないでしょうか。

トヨタ産業技術記念館は、「繊維機械館」と「自動車館」に分かれており、前半の繊維機械館ではトヨタ自動車のルーツである織機が実動状態で展示されています。グループの創始者である豊田佐吉氏(以下、佐吉氏)が23歳の時に初めて発明した「豊田式木製人力織機」から最新の全自動機械までがびっしりと並び、トヨタの原点を感じることができます。実際に目の前で大きな音を鳴らしながらバタバタバタバタッ……と生地が織られていく様は圧巻です。

当日は1時間ちょっとという短い取材時間ながら、贅沢にも第7代館長を務める大洞和彦氏が案内してくれました。大洞氏は「お国のために貢献することを決意し佐吉は発明家を志した。その中でも織機に絞って発明を行ったのは、母の機織りが大変だったから。母を楽にしてあげたいという親孝行が発明の原点」と教えてくれました。

さらに奥に進むと現れる「自動車館」では、喜一郎氏が工場の片隅で自動車を作り始め、量産に至るまでのプロセスを見ることができます。大洞氏は豊田・プラット特許権譲渡契約調印に触れ「自分たちがイチから作った技術(織機の特許)が世界で評価されたことが自信に繋がったのではないか」と、自動車メーカーへの一歩を踏み出した経緯を話してくれました。また「ジャスト・イン・タイム」といったトヨタ生産方式を象徴する考えも喜一郎氏の頃には生まれていたと言います。

佐吉氏と喜一郎氏どちらにも共通するのは、戦前・戦後の国が豊かでない中、周囲に反対され多くの苦難に直面しながらも、誰かのために、あるいは国の発展のために、多くの犠牲を払いながら壁を乗り越えた強烈なフロンティアスピリッツの持ち主だということです。

時代が違うと言えばそれまでですが、「事なかれ主義」が横行する現代では忘れられた、荒々しくも力強い挑戦への情熱こそ二人の共通した力の源泉ではないでしょうか。

トヨタ産業技術記念館のロビーには、「研究と創造のシンボル」として「環状織機」が展示されています。環状織機は、無限動力を夢見た佐吉氏発明の集大成ですが、二人の「誰かの役に立つものづくり」への情熱こそ無限動力であり、現代のトヨタ躍進の礎になったと感じました。

ちなみに、トヨタ産業技術記念館は全部をちゃんと見ようとすると丸一日かかるほど展示内容が充実しているので、腰を据えてしっかり見たい方はちゃんと時間を作って見ることをお勧めします。機械好きなら間違いなく楽しめる施設なので、筆者は今度、もっと時間をかけて改めてちゃんと観覧しようと心に誓い移動のバスに乗り込みました。

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意外だった「元町工場」の名前の由来

続いて訪れたのは元町工場。喜一郎氏が自動車作りのために建造した挙母工場(ころもこうじょう、現:本社工場)の次に作られた、こちらも歴史ある工場です。

てっきり「愛知県〇〇市元町」にある工場だと思っていたら、なんと元町工場の名は「元・町工場(もと・まちこうば)」から。京都の建勲神社から頂いた名前だそうで、トヨタグループが佐吉氏の元・町工場から出発したことと、創業の原点を忘れず今後の会社の発展の「元(礎)」となる工場という2つの願いが込められているそうです。

元町工場で第1号車がラインオフしたのが1959年。その時すでに亡くなっていましたが、喜一郎氏が完成を夢見て、トヨタ発展の礎となった大衆乗用車「トヨペット・クラウン」の製造からスタートし、以来「コロナ」や「パブリカ」といった大衆車を中心にトヨタの主力工場として1990年には年間44万台の生産を誇りました。

現在もその伝統に則り「クラウン(クロスオーバーとセダン)」の製造を続けている元町工場ですが、国内でのセダン人気の低下とともに、その生産台数は年々減少。現在では「GRヤリス」や「GRカローラ」を製造する「GRファクトリー」が存在し、スバルと共同開発した「bZ4X」と「ソルテラ」といった電気自動車、レクサス「LC」や燃料電池車「MIRAI」に「センチュリー」まで、多様なモデルを製造しています。

過去にはフラッグシップスポーツ「LFA」も製造しており、トヨタの中でカーボン製品を作れるのは元町工場だけだそう。さらにMIRAIを製造していることから水素エネルギーの実証実験(バイオガスから水素を生成)も行なっているそうです。その証拠に敷地内では燃料電池仕様のフォークリフトが多数稼働していました。

余談ですが、近年はbZ4X(とソルテラ)が工場全体の生産台数を押し上げているそうで、街で見かけることがそこまで多いとは言えない両モデルですが、筆者が一生で見た台数よりもはるかに多くラインに流れていたんじゃないかと思うほど製造されており、日本以外の市場で人気が伺えます。

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トヨタでは珍しい「混流生産」の現場

トヨタの中でも屈指の歴史と伝統を誇る元町工場ですが、現在の生産規模は年16万3000台。ほかの工場は年20万台ほどなのでやや小ぶりですが、「新しいタイプの車を量産していく工場」として“マルチパスウェイ”を掲げ、トヨタの工場としては珍しく1つのラインで様々なモデルを生産する「混流生産」を行なっています。

筆者は以前、同じく混流生産を行うマツダの本社工場を見学したことがありますが、トヨタの工場はマツダのそれと比べ工場内に人が少ないイメージです。

どちらが良い悪いという話をするつもりはありませんが、説明員の「機械ができることは極力機械で、人の手が必要な所は人が」という言葉が徹底されている印象でした。

場内は様々な部品を積んだ無人の自動運搬台車が行き交い、各種工作機械がひっきりなしに動き続けています。聞けば、やはり製造現場も “人不足”が深刻のようで、その分人材育成に力を入れていると説明員の方が仰っていました。なお、時々自動運搬台車が止まっており、こういった何かしらのエラーを日々カイゼンしているそうです。

トヨタの工場といえば「TPS(トヨタ生産方式)」が有名ですが、その本質は無駄を徹底的になくすること。元町工場で作られるクルマは、製造ラインで流しやすいよう設計段階から工夫されていたり、地道なカイゼンを徹底し、ライン上には「無いものは自分たちで作る」の精神で様々な工夫が施されていました。資料が散乱する私の仕事用デスクとは大違い……(滝汗)。

筆者が驚いたのは、ラインの床面に貼ってあった黄色いシート。聞けば、天井からの明かりを反射し下回りを照らすレフ板のようなもので、これにより作業効率が格段に高まるそうです。

ちなみにシートを貼るだけなので維持費が0円というのも超ポイント。元町工場で導入された技術やノウハウは他の工場にも展開されるそうで、「次来た時には別の光景が広がっているかも(説明員)」というほどカイゼンを徹底して常にラインが進化しているそうです。

仕事柄、新車の発表会など煌びやかな瞬間に立ち会う機会も多いですが、その煌びやかさの土台となっているのは、一見すると地味ながらも愚直なまでに小さなカイゼンの積み重ねであることがわかります。

トヨタの力の源泉は先に述べた創業者の情熱であり、無駄を徹底的なまでに排除することでその情熱が無限動力として回り続け、誰かの役に立っているのだと今回の取材で改めて実感しました。電動化やコネクティビティ、カーボンニュートラルなど、自動車は100年に一度の大変革期を迎えていますが、創業者の、そして現場一人ひとりの情熱が込められたトヨタ車が今後どのように人々の生活を豊かにしていくか、これからもその動向を追いかけていこうと思います。

(終わり)

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