「車好き」からすこぶる評判が悪いアルヴェルアルヴェルことトヨタ「アルファード」と「ヴェルファイア」は、「車好き」と呼ばれている人々からの評判がすこぶる悪い。 車好き各位に言わせると、アルファードおよびヴェルファイアとは「きわめて悪趣味な車」で、なおかつ「オーナーの運転マナーはロクなもんじゃない」のだという。そんな車がなぜ売れまくっているかというと、「見栄を張りたいDQNが残価設定ローンで買ってるだけwww」なのだそうだ。 しかしこれらの意見は端的に言って間違っているというか、事実のごく一部しか見ていないうえでの意見であるように、筆者には思える。 現行型のトヨタ アルファードおよびヴェルファイアとは、冷静に考えてみれば「いい車」であるとともに、「代替の利かない貴重な選択肢」なのだ。だからこそ、罵詈雑言(ばりぞうごん)を重ねたがる車好き各位の横槍をよそに、市場で売れまくるのである。 最初に挙げた「いい車である」という部分について言うと、アルヴェルには2種類の「いい」がある。ひとつは「走りの良さ」だ。 ふた昔前までのミニバンは「高速安定性がイマイチ」「カーブではすっごく不安」「走行中は常に揺れていて気持ち悪い」などの悪い特性を、おおむね備えていた。 現行40系アルファード/ヴェルファイアの先代にあたる30系はそこまでひどいことはなく、むしろ走りはなかなか良かったが、それでも走行中に常にフロアからの微振動を感じるニュアンスは、「しょせんはミニバン」と感じさせるものだった。 だが新世代のTNGA系プラットフォームに刷新された現行40系アルヴェルでは、そのようなことはいっさいない。スポーティな味付けとなったヴェルファイアはまさにスポーティな走りを見せてくれるし、ソフトなニュアンスとなるアルファードも「骨格と補強がしっかりしているうえでのソフト」であるため、気持ち悪さはいっさいない。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| 現行型のデザインはよく出来ているまた現行型のアルファードとヴェルファイアは「デザインがいい車」でもある。 これについては守旧派の車好き各位から異論反論があるかもしれないが、実用性(居住性)を犠牲にしない範囲でキャビンのボリュームを絞ったフォルムはスポーティで美しい。セダンに代わる「新時代の高級サルーン」の、あるべき姿だ。 そしてフロントグリルやヘッドランプ付近のデザイン処理も「押し出し感はあるが決して下品ではなく、モダンでもある」というナイスな仕上がりである。一般的にはアルファードのフロントまわりのほうがデザイン的な評価は高いようだが、筆者はヴェルファイアのフロントまわりに好感を抱いている。 「押し出し」と「スタイリッシュ」がギリギリのところでせめぎ合っている感じが、なんとも好ましいのだ。 そして冒頭付近で申し上げたとおり、現行型トヨタ アルファードおよびヴェルファイアは「代替の利かない貴重な選択肢」でもある。だからこそ、多くの人が欲しがるのだ。 「でもミニバンなんて、アルヴェル以外にもたくさんあるじゃないか!」という意見もあるだろう。 もちろんそのとおりだ。しかし、もしもあなたが2人または2人以上の子を育てている父あるいは母で、なおかつ「必要な荷物をしっかり載せたうえで、乗員全員が狭苦しく感じない空間が残されている車が欲しい」と考えるタイプであった場合、アルファードまたはヴェルファイア以外に「欲しいと思える選択肢」はこの世にあるだろうか? おそらくは「ない」というのが、現時点での回答になるはずだ。 5ナンバー級サイズのミニバンでは前述のニーズを満たすことは難しく、かといってアルヴェル以外のラージサイズミニバンは基本設計があまりにも古いため論外となる。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| ライバル不在、独壇場なのであるそして輸入モノの大型ミニバンは高額すぎる――となると、広さと利便性を車に求めたいファミリーユーザーのお眼鏡にかなうミニバンは現状、「アルヴェル」しかないのだ。 もちろん今後、復活した最新型のホンダ オデッセイがアルヴェルの牙城を崩す可能性はある。しかし仮に崩すとしても、それはもう少し先の話になるだろう。 「でもアルヴェルを買うなんて贅沢で無駄だよ! ウチは子どもが3人いるけど、5ナンバー級のミニバンでも普通に用が足りてるし!」と言う人もいるかもしれない。 それはそれで結構なことだが、贅沢あるいは無駄の基準を決めるのは他人であるあなたではなく、本人だ。本人およびその家族が「ウチにとっては必要なモノだし、金銭的にも特に無理ということはない」と判断するのであれば、それは贅沢ではないし、無駄でもない。 いずれにせよあなたには関係のないことなのだから、そこについては黙っていたほうがいい。 以上のとおり現行型のトヨタ アルファードおよびヴェルファイアは、さまざまな意味で「いい車」だ。だからこそ売れているし、リセールも高い。それゆえ、もしも気になっている人がいるとしたら、外野の声など無視し、積極的に購入するべきだ。 筆者も現時点ではミニバンというジャンルそのものに興味も必要性も感じていないが、もしも必要性が生じたならば、おそらくは40系トヨタ ヴェルファイアを買うだろう。 <おわり> >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| |
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