国内では7メーカー・8ブランドがMTを設定今や免許を「AT限定」で取る人が7割超。そんななか、国内新車市場でMTの乗用車は風前の灯となっている。では、このままMTは市場からフェードアウトしてしまうのか。海外の動向も踏まえて今後の展開を予想してみよう。 まず、いま新車で買える乗用MT車を挙げると、下記のようになる。※限定生産モデルなどは除く。 ●トヨタ >>MT車が設定される国産現行モデルをギャラリーで見る 日本車の代表的メーカーのひとつでもある三菱は既に乗用MT車を国内で販売していない。さらに、軽、ニッチなスポーツモデルおよびスポーティグレードを除き、足代わりに使える実用車という目線で絞り込むと、ヤリス、カローラフィールダー、スイフトとスイフトスポーツ、マツダ2、マツダ3の5車種まで減ってしまう。 しかも、このうちカローラフィールダーのMTはほぼ商用車仕様で、2025年10月には生産終了も決定している。実質的にはヤリス、スイフト、マツダ2、マツダ3の4台と言っていい。 |あわせて読みたい| 経済的・実用的な視点から趣味的な視点へと変化かつてMTを多くラインナップしていた輸入車まで視野を広げても、BMW「3シリーズ」のMTは既になく、ルノー「トゥインゴ」に加え、アバルトの「595」も生産終了で在庫限りの販売となった今、BMW Mやポルシェなど“ほぼスーパーカー”という銘柄でしかMTは生き残っていない状況だ。 >>MT車が設定される国産現行モデルをギャラリーで見る では、MTに将来性はないのかといえば、実はそうとも言い切れない。トヨタは本来トランスミッションが必要ないEVでもMT的なシフトチェンジの楽しさをいかしたモデルを開発しているようだし、先に紹介した現行モデルで手に入るMT車の中にはATよりもMTの値段を高く設定しているモデルもあり、“MTに一定の需要がある”ことは多くのメーカーが認識している。 ただ、従来は安価だったり燃費に優れていたりといった、言わば実用的・経済的な側面からMTが選ばれていたのに対し、今は「クラッチを踏んでシフトノブを動かして」という操作感を楽しむ趣味性に、MTを求める意味合いが変わってきているのだ。 アメリカではプレミアムな車種でMTが見直されているこうした変化は世界的な動向としても表れており、従来MT車のメッカだった欧州では実用ハッチバックにまでAT化の波が押し寄せており、今や多くの国でMTは少数派になりつつある。 一方で、早くからATが支配的になっていた米国市場では、フォード「マスタング」やGMの「キャデラック」などの尖ったスポーツモデルに加え、ジープ「ラングラー」といったオフロードモデルでもMTの売れ行きは好調のようで、相対的に高価で趣味性の高い車種ほどMTを選ぶオーナーが多くなっている。 |あわせて読みたい| 今のうちに買うべき200万円以下のお手頃なMT車・・・こうした状況を踏まえると、今後の展開として予想できるのは、MTが一部の裕福な顧客層に向けたニッチな商品として発展していくという将来像だ。 ゆえに、自動ブリッピング機能などより凝った機構は広まっていくだろうが、今よりも一段と高価になることは想像に難くない。いわば、クオーツ時計に対する機械式時計、デジタルカメラに対するフィルムカメラのような位置付けで今後のMT車は存続していくのではないだろうか。 では、そうなるとして、いま手に入れておくべき車種を考えてみると、実は先に紹介したヤリスとスイフトの実用MT車あたりが狙い目ではないだろうか。将来的には絶滅してしまう可能性が高いうえ、今なら200万円を切る安価な新車として購入することができるからだ。 ・ヤリス|157万9000円~205万円 ということで、久々にMT車に乗ってみたくなった人は、候補に挙げてみてはいかがだろう? >>MT車が設定される国産現行モデルをギャラリーで見る (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ、レクサス、スバル、マツダ、スズキ、ダイハツ、ジープ、フォード、) |あわせて読みたい| |
GMT+9, 2025-4-21 03:45 , Processed in 0.054864 second(s), 18 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .