ヒロミ、坂上忍に続きCR-Vは復活できるのか?司会者のヒロミや坂上忍、あるいは今年なんと35年ぶりにニューアルバムを出した歌手の石川ひとみじゃないけど、バブル前後の懐かしのタレントや人気アイドルの再登場に少し重なる部分もある。今年2年ぶりに昔の名前で復活したかつての人気SUV、「ホンダ CR-V」だ。 CR-Vはまさに90年代のRVブームの申し子で、95年に初代がデビューするなり大ヒット。「オデッセイ」や「ステップワゴン」と並び、ホンダの新世代クリエイティブムーバーとしてブームを牽引した。 一見クロカンっぽい当時のクルマの中では、珍しく乗用車ベースで、悪路走破性こそないが、室内が広くて乗り心地も良く、いい意味で異彩を放っていた。 とはいえある意味登場が早すぎたのかもしれない。日本では2000年代に入るとアウトドアブームが下火になり、同時に弟分たる新世代SUVの「ヴェゼル」が2013年にデビュー。ヴェゼルが3年連続で国内SUVセールスナンバーワンになり、CR-Vの居場所がなくなってきた。いわば後輩タレントに押し出されるカタチでCR-Vは国内から撤退したのだ。 しかし、ここに来ていよいよSUVが世界的ブームになったのと、CR-Vが5代目となって大型&プレミアム化。再び日本市場に返り咲くチャンスが巡ってきたというわけ。 大陸ウケを狙ったサイズやデザインは基本変わらずとはいえCR-Vはなぜ日本から撤退したのか? 売れなくなってきたのか? 欠点を解決できてなければ復活する意味はない。そこで小沢が勝手に5代目を試乗会で検証してみたところ、まず気になったのはボディサイズだ。 新型CR-Vは4代目よりますます大きくなって全長4605×全幅1855×全高1690mmに(4WD)。全長4.6m台を守ってるだけあって、ミディアムSUVの割りには扱い易いし、日本の道では全幅がちと広すぎるがまあ許容範囲内だ。 しかし、CR-Vが4代目モデルで撤退した1つの理由は、商品が徐々にアメリカ志向になり、バタくさいデザインと大きすぎるサイズを身にまとったから。実際、現行CR-Vは北米&中国の世界2大マーケットで大人気を誇り、2017年は北米だけで38万台弱、中国だけで19万台弱も販売。よって基本マッチョで大陸ウケするデザインテイストは、5代目でも基本変わってないわけで、そういう意味でCR-Vはさほど日本向けにはなってない。 e-POWERより完成度高そうなCR-Vのハイブリッドでは日本に再登場する5代目CR-Vは最初からイマイチなのか? ってそうでもない。要は大型化と同時に、本当の意味でプレミアム化し、今まで以上に個性化していればいいのだ。 実はヴェゼルより1つ上のミディアムSUVは今群雄割拠だ。BMW、メルセデス、アウディのドイツプレミアム勢はもちろんボルボ、プジョー、シトロエン、ルノーと欧州ブランドが軒並み参戦し、日本ブランドでも「トヨタ ハリアー」「マツダ CX-5」「CX-8」辺りが大人気。 加え5代目CR-Vは今までなかったホンダの肝いりハイブリッド仕様と、1.5リッター直噴エンジン搭載車に、従来の5人乗り2列シート仕様の他に、7人乗り3列シート仕様を新設。日本で人気のエコなパワートレインか、ミニバン代わりに使える多人数仕様が選べるようになったのだ。ちなみにハイブリッドモデルの3列シート仕様の設定はない。 実際、この両者の人気はなかなかで現在1か月受注は6400台ちょいとそこそこいってるが5割強がハイブリッドで、約2割が1.5Lターボの3列シート仕様。 そこで試乗会で両車の魅力を探ってみると、まずハイブリッド仕様で圧倒的なのはその電動パワーのキモチ良さと燃費の良さ。 現在ホンダのハイブリッドはi-MMDという2モーター式が主流で、これは2つのモーターをかたや動力用、かたや発電用と割り切り、一部高速での定常走行を除いて、加速はモーターのみでおこなう。いわゆる日産のe-POWER方式に近いシステムで、走行中の静粛性、すっきりとしたEV的加速が凄い。 中でもホンダはモーターパワーが184psと十分で相当キモチよく速い。ほぼ発電用として使うエンジンも2Lのアトキンソンサイクルで余裕があり、かなりの場面でエンジンが止まる。個人的には日産e-POWERより、よっぽどEVライクな完成度なのだ。 必要なのはホンダのブランド力やデザイン力かたや1.5Lターボの3列シート仕様だが、こちらもピークパワー190ps&ピークトルク240Nmと申し分ない。出足のスッキリ感はハイブリッドに負けるが、太めの低速トルクで約1.5トン超(FF、5名乗り)のボディをグイグイ引っ張る。 肝心の2~3列目シートの居住性だが、2列目は余裕で広い。そして3列目は2列目を一番前に出した状態だと、身長176cmの小沢がそこそこ座れる。フロアが高いので若干体育館座りっぽくなるが、頭もひざも壁に当たるか当たらないかレベル。ライバルとも言える国産3列シートミニバン、マツダCX-8より若干狭いか? レベル。 ただし、CR-Vは全長4.6m台で、CX-8は4.9m台。取り回し的にはCR-Vが有利だし、スペース効率も優れているという具合。 そこで結論、新型CR-Vがヒロミ、坂上忍ばりに再び日本で人気者になれるかって…そう簡単にはいかないでしょう。 もちろんハードウェア的な魅力はかなりある。ハイブリッドはJC08モードで最良25.8km/L(FF、5名乗り)のカタログ燃費を含め、走りは素晴らしいし、7人乗り3列シートの1.5Lターボ仕様も後席のスペース効率はいい。 だが、1.5Lターボで323万円、ハイブリッドで378万円スタートの価格帯は決して安くなく、なにより今のホンダにBMW、メルセデス並みのブランドイメージ、あるいはマイルドヤンキー受けするハリアーのようなワイルド力、マツダSUVが持つデザイン力もない。 インテリアも質感は悪くないが、ホンダ独自の世界観やプレミアム性が築けているかというと疑問。300万円後半になると、北欧家具風で評価の高い「ボルボ XC40」までライバルとして浮かび上がってくるのだ。 実力はある。だが、本当はホンダ全体のブランド力でありデザイン力を付けましょう! ってハナシなのだ。今後CR-Vは実用的なカジュアルSUVではなく、プレミアムな高級SUVとして売らなければいけないのだから。 新型CR-Vの成功云々は、ハードの出来だけでは語れないものなのである。 スペック【 CR-V EX マスターピース 】 【 CR-V ハイブリッド EX マスターピース 】 |
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