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450km走る日産リーフe+は性能面もアップした自信作だが400万円台の高級感が課題

2019-2-28 07:00| post: biteme| view: 847| コメント: 0|著者: 文:小沢 コージ /写真:市 健治

摘要: バッテリーも航続距離もようやく世界基準に 遂に!? いややっと来たましたか! って気分である。そう、バッテリー容量を従来比で約1.5倍にした期待のタフネス大容量モデル、「日産リーフ e+(イープラス)」のこと ...

450km走る日産リーフe+は性能面もアップした自信作だが400万円台の高級感が課題

バッテリーも航続距離もようやく世界基準に

遂に!? いややっと来たましたか! って気分である。そう、バッテリー容量を従来比で約1.5倍にした期待のタフネス大容量モデル、「日産リーフ e+(イープラス)」のことだ。おととしの2代目デビュー時から登場は明言され、例のゴーン問題で多少遅れたとはいえなにより時代がコイツを求めていた。

なんせ直接ライバルではないものの、EVとして規格外の売れ方を見せる「テスラ モデルS」は最大100kWhの巨大バッテリーが搭載可能で、巡航距離は北米EPA基準で539km。日本未発売だがその弟分たる「モデル3」は、スタンダードで50kWh、ロングレンジモデルで75kWhの巨大バッテリーを搭載し、航続距離は最長499km。

また「ジャガー I-PACE」は90kWhを搭載し、現実に近いWLTCの走行モードで470kmも走るし、来年出てくるVW系も軒並み航続距離400km以上を公言。

リーフ以外は価格でほぼ500~1000万円を超えるプレミアム系ばかりとはいえ、今や乗用ピュアEVでバッテリー容量50kWhオーバーは当たり前。航続距離500kmが見えてこないと話にならないって状況なのだ。

その点、このリーフe+はバッテリー容量が標準モデルの40kWhから62kWhに55%もアップし、航続距離はWLTCモードで322kmから458kmに40%もアップ。これで世界基準。言わばEV界のセンター試験を遂にクリア! ってわけだ。例えは古いけど。

待望度はかなりのレベルで、1月9日発表、23日発売で1月の客の約5割がe+。みなさん、お待たせしました~って状態でもある。

マジメな作りで性能面も向上するも内装に高級感はなし

しかもe+、単に航続距離を伸ばしただけでなく、電池の積み方を2列並列から3列並列にして電流量アップ。結果、インバーター制御やハードの変更、ギアボックスの強化もあって、最高出力が150psから218psへ45%も、最大トルクが320Nmから340Nmへ6%向上。具体的には高速域での中間加速が13%も向上してる。

加え侮っちゃいけないのは実用性で、バッテリー容量を1.5倍以上にし、車重も約160kg増えてるんで、てっきり床やラゲッジが狭くなったかと思いきやそっちは全くの不変。

秘密は電池の積載法を根本から変え、無駄に容量を食ってたケース部を減らしたのと、車高を5mm上げ、最低地上高を15mm下げてユニットのサイズアップ分を吸収。結果、全長4.5m弱のコンパクト目のボディでありつつ、身長176cmの小沢が乗ってもリアシートは普通に座れるし、435Lのラゲッジ容量も相変わらず。このあたりのマジメっぷりはウソハッタリのない日本製って感じ。

ただね。良くも悪くもマジメ過ぎるところが2代目リーフの問題なんですわ。

というのも内装はe+になっても標準モデルとまるで変わらない。特にあえて普通のガソリン車と共通イメージにしたって話のアナログメーターは改めてがっかり。ハイテク感ほぼナシ。せっかくEV買ったのにさ!

車両価格は同じ中間の「X」グレードで比べると、標準が366万1200円で、60kWhのe+が416万2320円。その差50万円分のメリットは当然あるが、400万円台の高級車として考えるとこの見栄えの無さはなに? とも思える。

ドイツ御三家に並ぶ価格に見合う特別感が薄い

肝心の走りだが力強さや持続力は体感でもアップ。最大トルクは20Nmしか増えてないんで、出足は少し良くなったか? 程度だけど、いわゆる高速道路での中間加速が伸びて、失速感が相当なくなった。

基本EVってヤツは出足ばっかヤケに良くて、後は少々中折れ気味というか、踏んでも反応しないダメ男クンになる傾向だったが、それがほとんど感じられない。

具体的には加速のピークがこれまで50km/hまでしか続かなかったところを、e+は70km/hまでキープ! 同時にその後100km/hまでの加速度も全体に底上げされてるから、高速の中間加速は着実にアップ。具体的には合流での50km/hから80km/hへの加速なんてへっちゃらで、高速でもビンビン。距離と同時にタフネスさもアップしているわけ。

また副産物もあって、それは充電時間と耐熱性能で、電池が増えた分、ゼロからの充電時間は3kWの家庭用200V充電器で1日以上かかるが、容量が増えた分、速く貯められるようになって、特に残り電力50%からの30分間は急速充電で入る電力量が4割アップ。より急速充電に対応できるようになっている。

さらに暑い真夏にアクセル全開、つまり高速でぶっ飛ばしたり、サーキット走行をすると、バッテリーの使いすぎで本体が熱を持ち、出力を抑える必要があったがその欠点もほぼ解消。

これまたバッテリー容量が増えた分、1つ1つの電池セルの負担が減り、発熱を抑えられるからで、要は体力アップした分、少々ハードなシゴキにもへこたれなくなったようなイメージ。

…ってなわけで性能アップしたのはいいのだが、変わらぬ根本の問題はプレミアム性であり、特別感の薄さ。

フル充電から400km以上走れるということはざっくり東京から200km圏内、静岡県の藤枝、山梨県の上諏訪、新潟県の越後湯沢ぐらいまで往復できるわけだが、従来型は150kmと言っても静岡県の富士、山梨県の韮崎、群馬県の沼田になる程度。そこに50万円差とはいえ400万円以上のお金を払う気になれるか? って少々疑問が残る。

要はその価格帯になると大衆的かつ実用的EVのリーフが高級車クラスに入ってくるわけで、特にプロパイロットとかプロパイロットパーク機能が標準の最高グレード「e+ G」が472万円台であることを考えると相当悩む。実際、メルセデス、BMWが普通に見えてくるしね。

EVとしてのリーフの根本魅力があくまでも実用性であり手軽さ! ってことを考えると実は悩めるチョイスなのであ~る。

スペック

【 リーフ e+ G 】
全長×全幅×全高=4480×1790×1545mm
ホイールベース=2700mm
車両重量=1680kg
駆動方式=FF
最高出力=160kW(218ps)/4600-5800rpm
最大トルク=340Nm(34.7kg-m)/500-4000rpm
バッテリー=リチウムイオン(62kWh)
充電時間=24.5時間(3kW)/12.5時間(6kW)
急速充電=80%まで60分(50kW)/50分(70kW)
1充電走行距離=570km(JC08モード)/458km(WLTCモード)
タイヤサイズ=215/50R17
価格=472万9320円


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