国際免許証と免許の切り替えは何が違いますか？

国際免許証と免許の切り替えは何が違いますか？

国際運転免許証(IDP)…A国の運転免許を所持している人が、A国に発行してもらう「翻訳証明書」です。世界の多くの国では、交通に関する条約を締結していて、同じ条約加盟国の免許所持者の「一時滞在時の自家用車の運転」を認めます。その際に本国免許とIDPの携帯が条件になります。
免許の切替…A国の運転免許を所持していることを理由に、B国の運転免許試験を一部免除して貰って、B国の運転免許を取得することを言います。
IDPはあくまで一時滞在者の便宜を図る目的なので、下記のような制限があります。
・発行から1年間しか有効ではない。
・滞在国の入国(上陸)から1年間しか使えない。
・滞在国が同じ交通条約の加盟国でないと使えない。
・滞在国が条約加盟国であるはずなのに、警察が腐敗しているなどで実質使えない国がある。
・自家用車の運転しかできない。国によっては大型車の運転もできない。
・国内法で短期滞在の資格者にしか認めない(中長期の滞在資格で滞在する場合には使えなくなる)国がある。
なので、交通条約の加盟国でないなら、現地免許のの取得または切り替えが必要ですが、加盟国であっても留学や就労などでの長期滞在をする場合は、とにかくIDPを作って現地に行った後、それで運転し続けることはできないからと、現地の免許に「切り替える」のが一般的です。
一般的に「切り替え」と言っていますが、実際は「外国免許の効力を尊重して自国免許の試験を一部(場合によっては全部)免除する」措置です。他国の免許自体はその国の主権に属するので、外国がどうこうすることはできませんからね。よって例えば、日本の免許を元にイギリスの免許に「切り替えた」としても、日本の免許が失効する訳ではなく、新たにイギリスの免許が貰える結果になるだけです。
ただし国によって、切り替えをした場合に、元の国の免許証を没収する(法的には他国の財産なので「預かる」)運用をしていることがあります。しかし、この場合も本国の免許が失効する訳ではないので、帰国して再取得の手続きをすればよく、また外交ルート(現地の大使館や領事館)を経由して「日本で必要だから返せ」と要求すれば、多少の時間はかかりますが返却されます。