昭和40年代後半に、道路交通法が改正になって、前に車がいるときはハイビームにしてはいけないと決まりました。
その時に一部の自動車雑誌では「高速道路のパッシングはどうなるの?」という議論があったのですけど、世間一般では「パッシングって何?」という状態。
おそらく、高速道路が普及しているヨーロッパでは、後方から追いついたときに、モタモタと追い越し車線を走っている車に「こちらは追越の意思がある」という事をハイビームで知らせるという習慣があって、自動車雑誌の記者たちはそれを知っていたんじゃないかな?
当時、日本の高速道路なんて、ごくわずかの区間でしたからね。
本当は通過という感じの言葉で、転じて追い越すという意味で使われていたようです。
昭和40年代前半だとパッシングライトが装備されていない車も多く、ネズミ捕りを対向車に教えるときは、ライトを点灯してハイビームにしていました。
ただし、その操作の名前は無かったように思います。
昭和45年頃からは多くの車で装備されるようになり、カタログ上でも「パッシングライト」と書かれていた記憶があります。
ただ、パッシングライトというのは和製英語のようで、英語では
「flashing the headlights」とか「flashing the high beams」というようです。