直進安定性はホイールベース(タイヤの前後距離)とトレッド幅(タイヤの左右距離)の比が大きく影響します。
ヤリスはホイールベース2,550、トレッド幅はグレード等によって多少異なりますが、だいたい1,480なので、比は1.72。
シエンタはホイールベース2,750、トレッド1,480、比は1.86。
ノアはホイールベース2,850、トレッドは前が1,500の後ろが1,515なので1,510にしておきましょうか。そうすると比は1.89です。
スポーツカーの理想的な比が1.6程度と言われています。これ以上小さいと回頭性が良くなりすぎ、直進安定性に欠ける。これ以上大きいと直進安定性が高くなりすぎてコーナーリング性能が落ちる。ちなみにGRヤリスは1.65くらいで、上にあげた普通のヤリスより1.6に近い=普通のヤリスより回頭性が良くなっています。
というわけで、この比率が示すとおり、直進安定性が最も良いのはノア、続いてシエンタ、ヤリスとなります。
ただし、実際に高速道路を走る際には、横風などの外乱の影響を受けます。背が高いノアが一番横風に弱く、続いてシエンタ、ヤリスの順に強くなります。
背が高いと重心も高くなるので、コーナーリング時に傾きやすくなります。
なので、「無風で直進ならノアが一番安定しており、横風がある時は風の強さによって変わり、コーナーリング時には曲率によって変わる」ということになるでしょう。
乗り心地は車重が大きく影響します。路面のギャップを踏んでタイヤが動く時、タイヤと車体の重さの差が大きい方が、車体は揺れません。重いノアの方が、基本的には乗り心地を良くしやすいですが、横風でグラグラしやすくもあるので、これまた「無風ならノアが一番良く、横風がある時は、その風の強さによって変わる」と言えるでしょう。 |