自動車の販売価格は装備を増やしてきたことでかなり高いものになりました。20~30年前であれば同じ200万円で普通車の上位車種にも手が届いていたのです。
例えば昔は高級車にしか搭載されていなかったクルーズコントロールも今やほとんどの車の上級グレードに装備されるようになり、N-BOXではHonda SENSINGの一部として標準搭載(ノンターボ車のみレスオプションあり)されている始末です。
所得水準を無視するペースで高くなってしまったことでこれまでそれなりのセダンに乗っていた層がコンパクトカーへ、さらには軽自動車へと流れてくるという状況を生みました。
一方で、車というものには、特にファーストカー、メインの車には快適さと実用性も求められます。このため同じ軽自動車でも快適さや実用性の面で優れ、ファーストカーとしての利用にも耐えうる軽ハイトワゴンに人気が集中したのです。
そして、狭いスペースでもドアを開け閉めできるという特性を持つスライドドアの車が流行ったのは狭い駐車場ばかり作る駐車場設計者のせいでもあるでしょう。
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結果、先月(平成29年10月)の新車販売実績(登録車・軽自動車合わせて)は
1位…ホンダ・N-BOX(21,233台)
※N-BOX SLASHを含むが、誤差レベル。
2位…ダイハツ・ムーヴ(13,972台)
※ムーヴキャンバスを含む
3位…ダイハツ・タント(10,660台)
※1位~3位はそれぞれのカスタムモデルも含む
4位…トヨタ・アクア(10,031台)
5位…トヨタ・プリウス(10,014台)
6位…スズキ・ワゴンR(8,801台)
※ワゴンRスティングレーを含む
7位…ダイハツ・ミラ(7,483台)
※ミライース・ミラココア・在来のミラの合計
8位…トヨタ・ヴォクシー(7,417台)
9位…トヨタ・ルーミー(7,090台)
10位…ホンダ・フリード(7,060台)
参考…トヨタ・タンクとトヨタ・ルーミーの合算…13,154台
※販売実績は登録車が日本自動車販売協会連合会調べ、軽自動車が全国軽自動車協会連合会調べ。
ちなみに、アクアとプリウスは主に法人需要(営業者需要→コストを徹底的に抑えるために低燃費車が採択される)が後押ししているそうです。この点から個人需要はスライドドア搭載の車に偏っていることが分かります。海外ではスライドドア搭載車は商用車のイメージを持たれているだけに世界的に見ても異質であるといえます。挙げ句の果てにタクシーまでスライドドアが主流になりそうな始末(JPN TAXIの乗客乗降用ドアがスライドドア)です。 |