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【大ヒットも納得】値段相応な点もあるが…スズキ新型「フロンクス」は装備も走りもライバルより神コスパ ...

2024-11-8 11:45| post: biteme| view: 505| コメント: 0|著者: 文:編集部/写真:篠原 晃一、スズキ株式会社

摘要: 日本仕様は実質「フロンクス2.0」 スズキが10月16日に発売した「フロンクス」。強力なライバルがひしめくコンパクトSUV市場に“最後発”として投入された注目のモデルに、短時間ながら一般道で試乗することができた ...

【大ヒットも納得】値段相応な点もあるが…スズキ新型「フロンクス」は装備も走りもライバルより神コスパ

日本仕様は実質「フロンクス2.0」

スズキが10月16日に発売した「フロンクス」。強力なライバルがひしめくコンパクトSUV市場に“最後発”として投入された注目のモデルに、短時間ながら一般道で試乗することができた。

フロンクスはインド生産ということも話題となった。グジャラート工場で生産されるフロンクスだが、インドでは2023年に登場し、同地の乗用車市場において最速で累計販売台数10万台を達成するほどの人気ぶりだそう。日本だけじゃなく中東やアフリカ、中南米などにも輸出される世界戦略車だが、早くもタマの取り合いが起こっているという。

直近では、ホンダから同じくインド生産のコンパクトSUV「WR-V」が登場し何かと比較される両車だが、最低限の装備で価格を抑えたWR-Vに対し、フロンクスは日本専用に色々と作り込んでるのが特徴だ。

なお、WR-Vの名誉のために言っておくと、ホンダは「ヴェゼル」という人気コンパクトSUVをラインアップとして持っていた。WR-Vの装備が乏しいのは、ホンダが手を抜いたわけではなくヴェゼルとの差別化を行っているだけなのだ。装備の充実を取るか、安さを取るか、選択肢を多く用意した点を褒めるべきだろう。

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閑話休題、フロンクスである。日本向け装備を挙げればキリがないほど多岐にわたって作り込まれているのだが、大きなところで言えば、4WD仕様を専用開発、ドライブモード切替の設定、足回りの専用チューニング、予防安全・運転支援機能の搭載などだ。

地味なところだと、ワイヤレスチャージャーやシートヒーター(当然ながらインドでは不要の装備)といったあったら嬉しい便利機能も漏れなく装備され、荷室の高さを変えられるラゲッジボードも日本専用に作ったそうだ。

今回はあまり試せなかったが、開発者によるとADAS機能は日本のためにだけの完全新設計で、スズキの最新バージョンが搭載されており実質“フロンクス2.0”と言えるほど中身が変わっているという。

>>新型フロンクスを写真で詳しくチェックする

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#スズキ #フロンクス #新型 #SUV #コンパクトカー #試乗

4mを切るコンパクトさながら堂々としたデザイン

群雄割拠のコンパクトSUV市場でも埋没しない個性的なデザインもフロンクスの特徴だ。何にも似ていないのに、かといって破綻していないのはスズキのデザインの妙かもしれない。

クーペスタイルながらフェンダーなどボディ下半分がマッシブで、4mを切る全長ながら非常に堂々としている。シャープなLEDライトなどしっかりお金もかけられていて、インドのデザイン・オブ・ザ・イヤーを2年連続(2023~2024年)で受賞したのも納得だ。

<フロンクスのボディサイズ>
全長×全幅×全高=3995×1765×1550mm
ホイールベース=2520mm

全幅1.7mを超えるものの、全長はトヨタ「ライズ」と同等となっている。ワイド&ローで実際のサイズより大きく見えるが、実はコンパクトSUVの中でも比較的小さい部類なのだ。冒頭に述べた通りインド製と言うことでWR-Vと比較する向きもあるが、サイズ的なライバルは「ライズ/ロッキー」である。

>>新型フロンクスを写真で詳しくチェックする

ボディサイズからすると想像以上に広いフロンクスの車内だが、クーペスタイルということで頭上はやや圧迫感がある。Aピラーが寝ているため、着座した際のイメージはSUVというより視点の高いコンパクトカーだ。コックピット感のあるインパネデザインの影響もあるかもしれないが、広い室内や荷室をご所望ならもう少しボディが大きいライバルを検討した方がいいかもしれない。

なお、個人的にはインパネのシルバー塗装やパールブラック塗装は一昔前の「プラスチックを塗りました感」があり少々残念に映った。200万円半ばのクルマに多くを望んではいけないが、エクステリアが良いだけにややチープな印象を受けてしまう。無理に高級感を求めるのではなく、素材表現で遊び心を演出した方がむしろスズキらしさが出たのかもしれない。

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ヒットも納得。走りも装備も神コスパ

走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能こそフロンクスの真骨頂だ。駐車場から出る際には、最小回転半径4.8mという小回り性能が光る。タイヤ径が大きくなりがちなSUVにあって「ソリオ」や「スイフト(FF)」と同じ値に収めたのはスズキの意地だろう。

安価なクルマ特有のハンドル・アクセル・ブレーキといった操作系の遊びもほとんどなく、どっしり安定系の乗り味は運転していて安っぽさを感じないし安心感がある。走りの質で見れば、ヤリスクロスといった一回り大きなモデルにも全く引けを取らない。

ただし、マイルドハイブリッドを搭載しているとは言えそこはやはりあくまでも補助。正直エンジンの非力さは否めない。「スポーツモード」を駆使したりパドルシフトで任意のギアを選び走ればそれも解消されるのだが、フルハイブリッドをラインアップするライバルと比べガソリン一択のパワートレインはほぼ唯一と言っていいフロンクスのディスアドバンテージかもしれない。

>>新型フロンクスを写真で詳しくチェックする

そんなフロンクスの価格は254万1000円(FF)/273万9000円(4WD)。

モノグレードというのがやや残念だが、先に述べた通りタマの取り合いという中供給を安定させるため致し方ない面もあり、40~50万円の装備が最初から付いてくると考えると装備内容・クルマとしての基本性能ともに神コスパだ。もちろん細かく見ていくと値段相応の部分は無きにしも非ずだが、ライバルと比べてもコンパクトSUVマーケットにかなり強力なプレーヤーが登場したことは間違いない。

一昔前の海外生産モデルは安かろう・悪かろうだったが、開発者によると先に述べたグジャラート工場は、最新の設備を導入し日本のメンバーがイチから立ち上げたそうだ。品質チェックは日本クオリティで行われ、さらに日本に届いたらもう一度チェックする念の入れようだという。

インドでは、家族を安心して乗せられるというのが最重要視される価値だそうだ。そしてフロンクスはまさにそこが評価されインド最速の販売記録を達成した。日本でも受注は1万台を突破し、これまであまりスズキに縁のなかった若年層の支持も獲得しているという。

筆者のような一介のクルマ好きがつまらん御託を並べるよりも、消費者に支持されているというリアルこそ、このクルマの評価を端的かつ雄弁に語ってくれている。フロンクスにはスズキの良さが全て詰まっている。

(終わり)

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