売れ行き上々のノート、その魅力はどこに?苦しい状態が続いている日産ですが、そのなかで唯一気を吐いているのが「ノート」です。 2024年上半期の新車販売台数ランキングでは、トヨタ「カローラ」「ヤリス」「シエンタ」に次ぐ堂々の4位となっており、前年同期比でも4.8%増と好調を維持しています。 ノート好調の理由は、どこにあるのでしょうか? ある販売店関係者は次のように話します。 「やはり、『e-POWER』による滑らかな加速感をご評価いただくことが多いように思います。特に、実際に試乗していただいたお客様は、その走りに驚かれる方がほとんどです。また、他社のハイブリッドカーと比べてエンジン音が静かだという声も多くいただきます。 パワートレイン以外では、上質な内装を魅力と感じるお客様が少なくありませんが、実を言うと、ここにはちょっとした“カラクリ”もあると考えています。 一般的にはコンパクトカーに分類されることの多いノートですが、ほかのライバルのようにガソリン車が設定されていないため、ライバルと比べて少し高めの価格帯となっています。 そのため、価格重視のお客様はそもそもノートを検討候補に挙げることはなく、結果として、ノートをお求めになるお客様は『絶対的な安さよりも相対的な安さ』を重視される方ばかりとなります。 ノートは、価格で勝負することができない分、内装にもしっかりとコストを掛けています。そうした部分もふくめて、ノートはほかのモデルよりも、内装の上質さを感じてもらいやすいのかなと思います」 >>日産「ノート」や「キックス」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: マイナーチェンジでさらに魅力アップノートの現行モデルは2020年に登場しており、2023年12月に初のマイナーチェンジが行われています。 前出の販売店担当者は「マイナーチェンジモデルの評判も上々」と胸を張ります。 今回のマイナーチェンジでは、フロントグリルに「デジタルVモーション」が採用されたことに加え、前後のバンパーがボディ同色となったことで、さらに先進的な印象のエクステリアデザインとなりました。 さらに、「和モダン」を意識したという幾何学模様のホイールカバーによって、足元の印象もより洗練されたものとなっています。また、ボディカラーには新色として「スミレ」と「ターコイズ」が追加されています。 インテリアでは、インストルメントパネルに水引をモチーフにしたデザインが採用されており、新デザインのシート地と合わせて「和モダン」を演出しています。 >>日産「ノート」や「キックス」を写真でチェックする <写真:インストルメントパネル> <写真:新デザインのシート地> そのほか、LEDヘッドランプが全グレード標準装備となったり、グローブボックスの容量が拡大したりと、機能面や使い勝手の面にも進化が見られます。 <写真:グローブボックス> ◎あわせて読みたい: 「ノートを選ばざるを得ない」側面も…安定した人気を誇るノートですが、その一方で、ある業界関係者は「手放しで喜べない」と話します。 「ノートが優れたモデルであることは確かです。ただ、現在の日産のラインナップを見ると『ノートを選ばざるを得ない』という状況があるのも事実です。 日産は、トヨタやホンダとともに“一応”は『フルラインナップメーカー』という立ち位置です。 しかし、売れ筋であるコンパクトカーを見ると、トヨタやホンダは『ヤリス』や『フィット』に加え、コンパクトミニバンの『シエンタ』や『フリード』、あるいは近年人気の高いコンパクトSUVも複数ラインナップされています。 一方、日産はノートとその派生モデルの『ノート オーラ』、そしてコンパクトSUVの『キックス』のみです。さらに、キックスはすでにモデル末期に差し掛かっており、商品力が高いモデルとは言えません。 こうした状況から、日産のコンパクトカーを求めるユーザーの多くはノート以外の選択肢がないと言わざるを得ません。日産の国内販売台数は減少傾向にあることを考えると、日産としては、ノートの販売台数が増えたとしても喜べないというのが本音だと思います」。 >>日産「ノート」や「キックス」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: 「ノート以外のコンパクトカー」も計画中?前出の業界関係者は「ノート頼みのラインナップの改善が急務」と話した上で、次のように続けます。 「今後期待されるのは、すでに北米で販売されている次期キックスです。新世代の『e-POWER』を搭載しており、デザインや機能面も最新のものに進化しているため、発売されれば一定の人気を得ることは間違いないでしょう。 ただ、北米は日産における最重要市場であり、キックスはその急先鋒として期待されているモデルです。そのため、当面は北米優先の状態が続くと見られ、国内導入までは時間がかかりそうです。 それ以外では、ノートベースのコンパクトミニバンが登場するというウワサがあります。シエンタやフリードと競合するモデルとなる見込みであることから、発売されれば販売台数増にも大きく貢献すると見られます。 当初の想定よりも開発が遅れているという情報もありますが、日本のユーザーにマッチしたモデルとなることは確実であるだけに、早期の登場が待たれます」。 (終わり) >>日産「ノート」や「キックス」を写真でチェックする ◎あわせて読みたい: |
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