発売から1年以上経つのに見かけたことがない?長らくトヨタの、いや日本車のフラッグシップとして君臨してきた「センチュリー」。厳粛な雰囲気漂う和風デザインのショーファーセダンは、1967年の誕生以来、他のどのモデルにも似ていない独特の雰囲気で、官公庁や大企業トップに愛されてきた。 ところが、2023年9月、同じく「センチュリー」の名を冠するニューモデルが突如登場。そのボディはこれまでとはまったく異なるSUVスタイルで、若くして成功した富裕層がカジュアルなスタイルで乗るのにピッタリのモデルに映った。 >>SUV版センチュリーとセダン版センチュリーの内外装を見比べる 従来型のセダンも「センチュリー(セダン)」として併売されるものの、個人オーナーが選ぶなら断然SUVだから、2500万円という日本車最高峰の価格ではあるものの、最先端に敏感な都内ではそれなりに売れるとも思われた。 それから約1年以上がたった現在、多くの新型センチュリーが街を走っているかというと、否。見かける機会がやけに少ない。 そこで今回は、話題をさらったにもかかわらず、新型センチュリーはなぜあまり走っていないのか、その理由に迫ってみたい。 |あわせて読みたい| 月販わずか30台でセダンよりレアな存在だった!まず、新型センチュリーは車格が車格だけに、新人セールスマンが担当できるような代物ではなく、限られた販売店だけに在籍するマイスターのみが販売を許され、その在籍店一覧はトヨタのホームページで確認できる。 もちろん、クルマの性格上、ディーラーに試乗車を置いておくようなモデルではなく、他の車種と違って店舗前を通り過ぎてもセンチュリーを見かけることはない。そのために、販売されているという印象が薄くなってしまうことは否めない。 また、そもそもの販売目標が低いことも見かけないことの一因。どのくらい低いかと言うと、従来のセダン型センチュリーは月間50台なのに対し、新型は何と同30台に抑えているのだ。 従来モデルでも都心の官庁街やオフィス街でなければめったにお目にかからないのだから、そもそもの目標設定がさらに低いとなれば一般人の目に入らないのも無理はない。 >>SUV版センチュリーとセダン版センチュリーの内外装を見比べる もちろん、超高級SUVに対するニーズは一定数あるので、もっと販売台数を稼ぐことも可能だろうが、トヨタとしては、センチュリーの格式を守るために供給を大幅に絞り込み、品格が下がってしまうことを防いでいるのだろう。 そして、何と言っても誰にでも売るのではなく、顧客を厳選していることが、センチュリーを見かけない一番の要因になっている模様だ。 |あわせて読みたい| お金があっても基準を満たさないと売ってくれない!その購入ハードルは相当高く、情報によると、販売は過去に一定数の購入実績がある顧客のみ、現在センチュリーを保有している顧客のみ等々、販売店によって様々な基準が設けられているようだ。 もっともこのように条件が設定されるのはセンチュリーに限ったことではなく、海外有名スポーツカーの販売店でも台数が限られるモデルは過去の履歴を販売条件に設定することがある。それによりお得意さまを特別扱いする、といったことが可能になるのだ。 これらを鑑みると、センチュリーを購入できるのはほぼ法人顧客か一部のVIPに限られるはずだが、法人顧客であれば経営層のためのショーファーカーとして買うのが普通だから、むしろ従来型に対するニーズの方が高いのかもしれない。 >>SUV版センチュリーとセダン版センチュリーの内外装を見比べる ここまで見てきたとおり、登場時から話題沸騰の新型センチュリーだが、トヨタではこのモデルを富裕層のオーナーズカーとして売るつもりはなく、あくまでも企業経営層のショーファーカーとして位置付けたい意図が見えてくる。 そのうえで古色蒼然たる従来型のセンチュリーと、比較的若いエグゼクティブ向けの新型センチュリーという色分けを行なっているというわけだ。 そうなると、ふるいわけに残る顧客はそう多くないから、都心ですら新型センチュリーをあまり見かけないとなるのは必然の結果と納得だ。 そんな特別なオーラを纏うセンチュリー。それだけでにセンチュリーを見ると、ついどんな人が乗っているのか覗き込みたくもなるが、くれぐれもほどほどに(笑)。 (終わり) |あわせて読みたい| |
GMT+9, 2025-1-18 08:36 , Processed in 0.139204 second(s), 17 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .