19日から補助金減額、1月に185円以下はゼロに2024年11月、政府は「燃料油価格激変緩和補助金」の縮小を決定しました。 2022年1月よりはじまったこの補助金は、6度の延長を経て現在まで継続されてきましたが、今後は段階的に補助額が減少していく見込みです。 >>補助金減額のスケジュールやガソリン&軽油価格の推移を見る 現行の制度では、全国平均ガソリン価格が基準価格の168円以上となった場合に、185円までは超過分の6割が、185円を超えた場合には超過分の全額が“元売り会社に”補助されるという仕組みでした。 資源エネルギー庁の発表によれば、2024年12月9日時点で1リットルあたり14.3円の価格抑制効果があるとされ、補助金がなかった場合には189.7円/リットルとなっていたといいます。 一方、2024年12月19日(木)からは168円~185円以下の場合の補助率が3割となり、2025年1月16日(木)以降は185円以下は補助されず、185円を超えるの場合のみ、全額が補助されることになります。 また、その後は月の価格変動が5円程度となるよう、状況を見定めながら改定していくとされています。 簡単に言えば、全国平均ガソリン価格が185円を超える可能性は低いものの、限りなくそれに近い価格になるものと見られます。これを受けて、すでに12月19日を境に5円前後の値上げを決めている店も多いようです。 |あわせて読みたい| 理不尽な「暫定税率」もついに見直しへ向け前進!その一方、2024年12月11日には、長年にわたって問題視されていた「ガソリン暫定税率」を廃止することが、自由民主党、公明党、国民民主党の間で合意したという大ニュースが発表されました。 現在の税制では、レギュラーガソリン1リットルあたり53.8円のガソリン税(揮発油税および地方揮発油税)が課せられており、そのうちの25.1円が暫定税率と呼ばれるものとなっています。 暫定税率は、道路整備の財源を確保することを目的として1973年に制定されたものですが、その名称にもあるように、あくまで一時的なものという位置づけです。 しかし、実際にはそこから50年以上にわたってほぼ継続して課せられてきたのが実情です。 さらに、2008年には一般財源化がおこなわれ、ガソリン税として徴収された税金は、当初の目的であった道路整備以外にも用いられることとなりました。 「暫定」としておきながら事実上恒久的な税金であること、そしてその目的が必ずしも道路整備のためだけに用いられないことについて、これまで多くのユーザーが疑問を唱えてきました。 しかし、今回ガソリン暫定税率の廃止が3党合意を得たことで、こうした問題点については一応の解決を見ることができそうです。※いつ廃止になるかはこれから協議され、自民は2026年度以降を想定、国民民主はもっと早期の実施を主張するなど食い違いを見せています。 >>補助金減額のスケジュールやガソリン&軽油価格の推移を見る |あわせて読みたい| 「次は二重課税の廃止を!」は考えが甘いかもガソリン価格に関する税制が改善されたことをうけて、インターネット上には「次は二重課税の廃止を」と訴える声も少なくありません。 ただ、この点についてはあまり期待できません。 ガソリンは、ガソリン税に消費税が掛けられている、いわゆる「Tax on TaX」の状態にあると言われることがあります。 一方、国税庁の見解ではガソリン税と消費税は課税主体が異なるため、「Tax on TaX(二重課税)」の状態にあたらないとされています。 この点をめぐっては「消費税は預り金であるのかどうか?」といった議論もなされていますが、結局のところ、「そもそもガソリンは二重課税であるのか」という点が定まっていないのが実情です。 正確に言えば、もしガソリンが二重課税の状態にあると定義するのであれば、たばこ税や酒税、宿泊税なとも二重課税(多重課税)となるため、ガソリンだけを問題視する必然性がなくなってしまいます。 また、消費税の仕組みについて問題視するのであれば、それはやはりガソリンだけの話だけではなくなります。 ガソリンの二重課税についての議論は、このような矛盾をはらんでいるため、近い将来に大きな変化が起こる可能性は低いのが実際のところです。 >>補助金減額のスケジュールやガソリン&軽油価格の推移を見る |あわせて読みたい| 長期で考えるとガソリンが安くなる可能性は低いさて、クルマユーザーの最大の関心は「今後ガソリンは安くなるのか?」という長期的な視点です。 ガソリン価格の変動を予想することは容易ではありませんが、長期的に見てその可能性は低いことは間違いありません。 その最大の理由は、日本が非産油国であることです。 日本は原油のほぼ全量を海外から輸入しており、その大部分が中東に依存しています。 また、そうした状況であるにもかかわらず、日本は世界トップクラスのガソリン使用量を誇る国でもあります(※2023年は6位)。 もし、中東で政変などがあって原油の輸入量が制限された場合、日本はたちまち国家の危機を迎えることとなります。 石油依存の脱却を図るために、原子力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入、そしてBEVの普及を進めているわけですが、それぞれに課題があるのも事実です。 いずれにせよ、こうしたなかでガソリンの使用を促進するような政策をとることはまず考えられません。 冒頭の「燃料油価格激変緩和補助金」は、あくまで急激な価格の変動を避けるためのものであり、ガソリンそのものを値下げするという性格のものではありません。 ガソリンは日本人の生活に深く関わるものであることから、少しでも安くなってほしいというのが多くの庶民の本音です。 しかし、日本の置かれた状況から逆算すると、ガソリンが安くなるようなストーリーは考えにくいというのが実際のところです。 >>補助金減額のスケジュールやガソリン&軽油価格の推移を見る (終わり) |あわせて読みたい| |
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