ソフトトップで2.0リッター搭載は既定路線マツダがもうすぐ開幕する東京オートサロン2025に展示予定としているロードスターの「マツダスピリットレーシング スペシャルモデル」が注目を集めています。 「マツダスピリットレーシング」の名を掲げるロードスターが姿を現したのは、2022年4月に開催されたオートモビルカウンシル2022が初めてで、以降は東京オートサロン2023、同2024に出展されてきましたが、いずれもスーパー耐久シリーズ参戦車両、もしくは参考出品でした。しかし、今回のマツダスピリットレーシング名義のロードスターは、2024年12月の公式予告段階から「市販予定モデル」と明記されています。 もちろん、クルマ自体の詳細は現時点では不明ですが、昨年の東京オートサロン2024に出展された「マツダスピリットレーシングRSコンセプト」をさらに進化させた市販バージョンと見るのが自然。というのも、そのマツダスピリットレーシング RS コンセプトは、昨年オートサロンに出展された時点で“市販化前提”であると明かされており、同年秋のマツダファンフェスタ2024にも、そのまま持ち込まれました。 そのマツダスピリットレーシングRSコンセプトはエンジンを国内向けロードスター(ソフトトップ)としては初の2.0リッターエンジンを積み、エクステリアや足回りには2021年から参戦しているスーパー耐久で培ったノウハウが惜しみなく投。今回登場する市販版のマツダスピリットレーシングスペシャルも、少なくとも2.0リッターエンジンは間違いなく搭載されはずです。 ご存じのように、日本国内向けの現行ロードスター(ソフトトップ)は1.5リッターエンジンのみのラインナップである一方で、リトラクタブルハードトップを備える「ロードスター RF」や、海外仕様のソフトトップモデルには2.0リッターエンジンが設定されているため、一部のエンスージァストから、よりハイパワーな2.0リッターエンジンを積んだソフトトップの国内導入が待ち望まれてきました。現行型ロードスターの登場から10年あまり、ついに日本にも2.0リッターのロードスター(ソフトトップ)が登場することになります。 >>【クルクル動かせる!】ロードスターの360ビューを見る |あわせて読みたい| 国内向けロードスターが1.5リッターのみだった理由北米市場などには当初から用意されていた2.0リッターのロードスター(ソフトトップ)の国内導入がなぜ見送られてきたかというと、それを熱望する「モアパワー派」がいる一方で、1.5リッターこそがベストと信じる「アンチパワー派」もまた根強く存在しているという、ロードスターならではの理想形の葛藤がありました。 現行ロードスターが1.5リッターをメインエンジンに選んだ理由のひとつには、2.0リッターだった先代に対して「高性能すぎて気軽に操れない」との声があったことへの反省もあるといわれています。さらに、ロードスターの身上は「軽さ」であり、むやみな大排気量化で、その最大の美点をスポイルしては元も子もありません。 その前の2代目ロードスターではターボエンジンを搭載したハイパワーモデルが限定発売されたことがありましたが、販売台数はさほど多くありませんでした。今回の2.0リッターも1.5リッターより価格が上昇するのは確実ですから、1.5リッター同様の人気を博すとは限りません。 初代「ユーノス ロードスター」の開発を担った故・平井敏彦氏の「ライトウェイトスポーツカーはバランスが大事」という言葉にならえば、1.5リッター+1トン前後の車重、300万円台という価格の現行ロードスター(ソフトトップ)は絶妙のバランスの上に立っているのです。 とはいえ、買う側からすれば、選択肢は多いに越したことはありません。パワフルな2.0リッターモデルを選ぶ武闘派エンスーも少なくないでしょう。 |あわせて読みたい| オンロード~サーキットまで走れる好バランスに期待ところで、その2.0リッターモデルのネーミングにも使われそうな「マツダスピリットレーシング」とは、かつての「マツダスピード」の解散から25年ぶりにマツダが立ち上げたファクトリーモータースポーツ部門のことで、草の根的なモータースポーツの活性化を目的として様々な活動に取り組んでいます。 その一環として、2021年からスーパー耐久(S耐)シリーズに参戦しており、2023年からはカーボンニュートラル燃料(CMF燃料)仕様のロードスターを走らせています。マツダの前デザイン本部長で、自らドライバーとしてS耐に参戦している前田育男氏によると、「S耐の『GR86』と『BRZ』の戦いに刺激されて、ロードスターで参戦したいと思った」とのこと。 ただ、1.5リッターのロードスターでは「GRヤリス」用1.6リッターターボに換装したGR86や2.4リッターエンジンを搭載するBRZといった、同じST-Qクラスの車両に太刀打ちできないため、「マツダスピリットレーシング ロードスター CNFコンセプト」では、排気量を2.0リッターに拡大して戦闘力を高めています。 そのS耐マシンの市販版ストリートバージョンにあたるのが、先述した東京オートサロン2025で発表される「マツダスピリットレーシング スペシャルモデル」とも言われています。具体的な内容については明らかにされていませんが、東京オートサロン2024に出展された「マツダスピリットレーシング RSコンセプト」を見るかぎり、17インチハイグリップタイヤや車高調整式サスペンションなどの採用が噂されています。 ただし、「街中からサーキットまで楽しく走れる」というマツダスピリットレーシングの理念に基づけば、そのセッティングはあくまで“サーキット走行も見据えた”ストリートメインのセッティングという範囲内にとどまるはずです。 つまり、国内初となる2.0リッターの現行ロードスター(ソフトトップ)は、これまでにないハイパワーと、ソフトトップロードスターならではの気軽さをバランスよくまとめた一台となりそうです。さすがにこれだけの準備期間を経たのですから、今年の早い時期での発売を期待したいですね。 (終わり) 文:モンキープロダクション |あわせて読みたい| >>【クルクル動かせる!】ロードスターの360ビューを見る |
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