日本でも今年中に発売される可能性が高そうホンダとソニーの合弁会社、ソニー・ホンダモビリティが開発した第1弾「アフィーラ ワン(AFEELA 1)」が米見本市CES2025で発表された。昨年のプロトタイプ発表に続き、今回のショーではいよいよ市販モデルが正式に発表され、価格や発売時期も明らかになった。さっそく詳しくみていこう。 まず発売計画について、発表によればアフィーラ ワンは2025年内に発売となり、納車は2026年中頃が予定される。日本でも2026年内に納車開始予定とのことだから、今年中に発売される可能性が高そうだ。なお組み立ては最先端の設備を備えたオハイオ州の工場で行われる。 アフィーラ ワンには2つのグレードが設定され、車両価格は8万9900ドル(約1411万円/1ドル157円換算)から。21インチアルミホイールやリアエンターテイメントシステム、センターカメラモニタリングシステムなどを搭載する上級モデルは10万2900ドル(同1615万円)からという値付け。なおアメリカでは発表と同時にオンラインによる予約受付が開始されている。 そもそもどんなクルマ?アフィーラ ワンは、新たな移動体験の提供を掲げる、次世代自動車の第1弾。ホンダとソニーがそれぞれ得意分野を持ち寄り、分業ではなく企画段階から共同で行なうことで、風通しがよく創造力を発揮しやすい環境のもと開発が進められた。 ボディサイズは全長4915mm×全幅1900mm×全高1460mmで、米で人気が高いホンダアコードに近いサイズ感だ。パワートレインはモーター駆動のEVで、航続距離は300マイル(約480km)を目標に開発が進められている。 これまでのクルマになかった特徴としては、ソフトウェアアップデートを通じて購入後もクルマを進化させられること。これはテスラが先鞭をつけた技術だが、アフィーラ ワンはOTA(オーバー・ジ・エアー)と呼ばれるクラウド経由でソフトウェアを継続的に更新する機能を搭載する。なお車両価格には3年間の無料サブスクリプションが含まれている。 (次のページでは「何ができる?」を解説) |あわせて読みたい| アフィーラ ワンは何ができる?アフィーラ ワンは最新のEVとして開発されているため、最新のADAS(先進運転支援システム)やエンターテイメントシステムを備えている。やはりソニーという他業種との協業で生み出されたこともあり、これまでのクルマとは一線を画する新機能や最先端AI技術が盛り沢山だ。 例えば出掛ける際には、クルマに近づくだけでドアロックが解錠されるだけでなく、ドアが自動で開き、乗車後には目的地の設定から移動時の運転支援にもAIがフル活用される。 車内には対話型パーソナルエージェントが搭載されており、音声により各機能のコントロールが可能。プロモーション映像では、クルマがドライバーにコーヒー店に立ち寄るかどうかを尋ねる場面が収められており、クルマからもドライバーに問いかける相互コミュニケーションにより、便利で快適な移動空間が実現することがアピールされている。 さらに車内の音響システムやエンターテイメント空間についてはさすがソニーと唸らせられる内容だ。没入感のある音場空間を実現するソニーの360立体音響技術、スピーカー本来の音響特性を引き出すクリアフェーズ、速度が上がっても静粛な室内空間を提供するノイズキャンセリング技術、4席独立スピーカーシステムなど先端音響技術が満載で、すべての座席でハイレベルなサウンドを楽しむことが可能だ。 (次のページでは「自動運転や走行性能」を解説) |あわせて読みたい| 自動運転技術はアップデートでレベル3を実現予定運転支援機能(ADAS)については、現時点では完全自動運転ではないものの、新たなフェーズに足を踏み入れている。アフィーラ ワンはAIや半導体技術のリーディングカンパニーであるクアルコム テクノロジー社との連携により開発された最先端のコンピューティング技術を搭載し、高度な運転支援を実現しているとのことだ。 搭載するセンサーは計40にもおよび、周囲360度を高精度にモニタリングすることで、周囲のクルマや歩行者、障害物などを検知可能。またインパネ全面に配されるモニターには、3Dグラフィックスで周囲の状況が映し出され、ドライバーは周囲の状況を的確に把握しながら安心してドライブを楽しめる。 運転支援レベルは現状ではレベル2を実現しており、近い将来、特定条件下での自動運転が可能なレベル3を実現する見通し。その先には完全自動運転を見据えたソフトウェアのアップデートも視野に入れている。 走りの性能は?いわゆる基本性能についてはホンダの得意分野だけに心配は不要だろう。ドライバーの思い通りに動く、軽快で安定感のある走りが追求されているとのことだ。 具体的にはモーターやブレーキ、サスペンションを統合的に制御する3Dモーションマネージメントシステムを採用し、ドライビングを楽しめるだけでなく、車内エンターテイメントに集中できる制振性能を実現し、上質な移動体験を提供するとしている。 (次のページでは「どんなユーザー向け?」を解説) |あわせて読みたい| どんなユーザーが買うべきクルマ?アフィーラ ワンは、ソニー・ホンダモビリティの第1弾とあって、ホンダとソニーの持てる技術が総動員されたクルマといえる。これまでの最上級サルーンをさらに高度化したクルマで、価格も高額のため、オーナー像としてはIT企業の社長や若き起業家、エグゼクティブなどがメインターゲットとして挙げられるだろう。 とはいうものの、ソニー・ホンダモビリティとしてはテスラがそうであったように、将来的に第2弾、第3弾として異なるボディタイプや、お手頃なモデルの設定も想定しているはず。今後、よりお手頃なモデルが登場することにも期待したい。 そうした将来の計画が進行するかどうか、それは第1弾であるアフィーラ ワンが市場で成功を収められるかにかかっている。その成功を期待しつつ、日本導入を楽しみに待ちたいところだ。 (終わり) |あわせて読みたい| |
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