ハイエースのモデル&グレードはけっこう複雑!アウトドアやキャンプ好きのクルマというとSUVや本格4WDを思い浮かべがちだが、多くの場合、日本で楽しむぶんにはそこまでの走破性は不要で、それよりも室内の広さや積載性の高さの方が重要だろう。 そうした視点で常に候補に挙がってくるのが「ハイエース」だ。実際、ハイエースをアウトドアやキャンプ、車中泊に使用している人は多い。というのも、ただ室内スペースが広いだけでなく、内装がシンプルで変に豪華すぎないため、道具のように使え、カスタムの自由度が高いこともアウトドアユースでは大きなメリットなのだ。 ただ、選ぶ際には用途に合ったグレードを選ばないと、購入後に後悔することにもなりかねない。ハイエースは他の一般的なクルマよりもモデル体系が複雑で、グレードの違いだけでなく、ボディバリエーションも複数あり、乗用モデルと商用モデルが設定されている。その中からどれを選ぶのが自分にとってベストなのか、ある程度の予備知識が求められるのだ。 >>ハイエースの内外装をギャラリーでチェックする そこでここでは、ハイエースを購入候補に入れている“初心者”のために、アウトドア好きや車中泊で使う場合のオススメグレードやそのメリット、デメリット、注意点などをお伝えしていきたい。 |あわせて読みたい| 標準ボディは「バン」のみ。おススメはスーパーGLハイエースを選ぶ際、最初に悩むのはワゴン(乗用)を選ぶかバン(商用)を選ぶかだろう。プライベートで使う場合、通常なら迷わず乗用を選びがちだが、ハイエースの場合、プライベートユースでも商用モデルの人気が高いのだ。 その理由は、いわゆる5ナンバー(4ナンバー)サイズの“標準ボディ”のハイエース(全長4695×全幅1695×全高1980mm)を選ぼうとすると、選択肢はバンに限られるため。“ワイドボディ”のハイエースにはワゴンとバンの両方に設定があるが、標準ボディはバンにしか設定がないのだ。 したがって駐車場所や取り回しの点から標準ボディを選ぶ場合、必然的に選択肢はバンのみとなる。その中で人気が高いのは装備が充実していて、バンであることを感じさせないルックスの「スーパーGL」だ。 >>ハイエースの内外装をギャラリーでチェックする ちなみに「スーパーGL」は標準ボディとワイドボディの両方に設定され、後席には折りたたみ可能な3人掛けのベンチシートが備わり、シートをフラット化するなど用途に応じてアレンジできる。折り畳めば広大な荷室が生まれ、自転車などの積載も可能だ。 この「スーパーGL」をベースにカスタマイズしたり、所有しているキャンプギアを使用して車中泊を楽しむのもひとつの手だ。 ちなみに価格は2リッターガソリンの「スーパーGL“ダークプライムII”」(特別仕様車)が329万600円、2.8リッターディーゼルの「スーパーGL」は376万5500円となっている。 バンのデメリットは、車検のサイクルが早く、初回が2年、2回目以降は1年おきとなること。費用面と毎年車検に出す必要があることを負担に感じる人もいるだろう。 |あわせて読みたい| ワイドボディでもOKなら快適なワゴンもおススメそこでボディサイズが問題ないという人は、ワイドボディのワゴンを選択するのもひとつの手だ。ワゴンのボディサイズは全長4840×全幅1880×全高2105mm(DX/GL)で、すべてにおいて標準ボディより大きい。なお、ここでは全長が5380mmあるスーパーロングのグランドキャビンやコミューターは除外する。 ワイドボディのハイエースでは、日常ユースで特に1880mmある全幅が大きさを感じさせるのは事実。運転に不慣れな奥サマも運転するといったケースでは、ワイドボディは選びづらいかもしれない。 >>ハイエースの内外装をギャラリーでチェックする ただ、取り回し面さえ問題なければ、メリットはたくさんある。第一にボディサイズが大きいということは積載性が高いということ。アウトドアや車中泊では大きな強みになるだろう。 もうひとつ、乗り心地についてはバンよりもワゴンの方が優れているのだ。理由はバンの積載重量が最大1000kgで、重い積み荷に耐えられるようにサスペンションが強化されているため。空荷やそれに近い状態で走らせると突き上げ感が大きく出てしまうのだ。 それに対してワゴンは乗車定員が10人となり、基本的には人を運ぶ用途で設計されているため、サスペンションがソフトに設計されている。よって乗り心地はワゴンの方がマイルドという特徴がある。 ちなみにワゴンDX、GLともに2WDと4WDの設定があり、滑りやすい路面や雪道走行する機会が多い人は4WDを選ぶこともできる。 |あわせて読みたい| ワゴンの弱点はシートアレンジとガソリンエンジン次にワゴンのデメリットを見ていこう。ひとつは2列目と3列目のシートが固定式になること。ワゴンは4列シート仕様となり、DXが2-2-2-3人掛け、GLは2-2-2-4人掛けとなる。折り畳めるのは4列目のみ。よってキャンプ用の本格的なベッドを設置するのは難しい。 ただし、GLでは2列目と3列目の隣に比較的広い空間があるため、そこに簡易マットや寝袋を敷いて寝ることは可能。また4列目シートは4人掛けのベンチシートとなり、身長170cm前後の人が横向けに足を伸ばして寝られるだけのスペースがある。 普段は乗用ユースで使い、たまにキャンプに行く程度ならワゴンGLは非常に使い勝手のいい仕様といえる。 ちなみに2~4列目を取り外すことも可能で、フルフラットや対面式にアレンジできるシートや、ベッドキットなどは様々な社外製品が販売されている(ワゴンもバンも同様)。ただしシート入れ替えなど検討する場合、けっこう重量のあるシートの取り外し(1人だとキツいことも)や、外したシートの置き場所といった問題も頭に入れておきたい。 >>ハイエースの内外装をギャラリーでチェックする ワゴンのデメリットもうひとつはエンジンがガソリンしか設定がないこと。しかもワゴンはエンジン排気量が2.7リッターと大きい。サイズが大きいうえ排気量もそこそこ大きいので燃費はいまひとつで、カタログ数値は2WDで8.8km/L、4WDでは8.1km/L。実用燃費は高速道路と一般道の混合で、丁寧に走ってだいたいこれぐらいの数値だ。 ワゴンGLの車両価格は2WDが320万0800円、4WDは350万9800円となる。 その他の注意点としては、車両価格は一見リーズナブルに見えるのだが、LEDヘッドライトや電動スライドドアなど欲しい装備は多くがオプションであること。それらを加えていくと、あっという間に400 万円を超えてしまうことも覚えておきたい。 |あわせて読みたい| 購入した後のカスタマイズも楽しいクルマというわけで、アウトドアやキャンプ、車中泊に使いたいという人へのおすすめグレードは標準ボディの場合はバンのスーパーGL、ワイドボディでもよければワゴンのGLとなる。 バン スーパーGLの場合は空間をどのようにアレンジしていくか。カスタマイズの自由度は高いが、その分の費用も考慮しておく必要があるかもしれない。 ワゴン GLの方は、時々キャンプに行くユーザーにおすすめ。スペースの自由度はバンには及ばないが、普段家族や友人を乗せて出かけたり、キャンプ以外のレジャーも快適にこなしてくれるはずだ。 ハイエースはグレード選びだけでなく、その先の使い方やカスタマイズについて考えるのも楽しいクルマだ。夢を膨らませながらクルマ選びを楽しみたいところだ。 ※写真は一部、最新モデルでないものが含まれます。 >>ハイエースの内外装をギャラリーでチェックする (終わり) |あわせて読みたい| |
GMT+9, 2025-4-21 16:50 , Processed in 0.054822 second(s), 18 queries .
Powered by Discuz! X3.5
© 2001-2025 BiteMe.jp .