レグノの新商品「GR-XIII TYPE RV」を試すブリヂストンの「レグノ(REGNO)」といえば、静かで乗り心地が良く快適なタイヤ。タイヤに詳しい人のみならず、世間一般のクルマ好きはレグノにそんなイメージを持っているだろう。 でも、よくよく考えてみれば、世の中に特徴が認知されているタイヤって凄くないだろうか。レグノはそれだけキャラが立っていて、その優れた性能を実感するユーザーが多いということなのだ。 タイヤはクルマにおいて唯一、路面との接している部分だ。そしてタイヤでクルマの味が変わるということも、多くの人は理解しているだろう。 極端な例でいえばスタッドレスタイヤ。通常のタイヤ(夏タイヤ)からスタッドレスタイヤに履き替えると、ハンドル操作感の手ごたえが薄くなり、クルマがフワフワするように感じることがあるのではないだろうか。舗装路での走行性能も低下するしタイヤが発生する音だって違ってくる。 夏タイヤとスタッドレスタイヤの違いは極端な例とはいえ、タイヤによって特性はここまで変化し得るということ。タイヤの銘柄によるフィーリングの違いは少なからずある。 だからタイヤには「スポーツタイヤ」とか「コンフォートタイヤ」といった特性の異なる銘柄があり、選ぶタイヤはクルマの「最後の味」を左右するのである。味の仕上げをする“調味料”と言っていいかもしれない。 >>「レグノ GR-XIII TYPE RV」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: “レグノ=快適”に起きた大きな変化そんな中で、レグノはどんなタイヤか。 静かで、乗り心地が良くて、快適なタイヤということに尽きるだろう。幅広い商品ラインナップを誇るブリヂストンの中でも、最も快適性を突き詰めたタイヤであり、快適な移動を求める人に向けた最高峰のプレミアムなタイヤである。 ただ、近年はそんなレグノにも少し変化が起きている。 2024年にレグノは世代交代し「GR-XIIIシリーズ」へと進化。まずはレグノの原点であるセダン用タイヤ「GR-XIII」がデビューしたのだが、これまで通りの静粛性と乗り心地を極めつつ“走行性能”についてもアピールされている。 単に快適なだけでなく「応答性のいいハンドリング」も手に入れたのだ。とは言え、それはスポーツタイヤのようにシャープさや絶対的なグリップを際立たせたわけではなく、磨かれたのはハンドル操作に対する素直な反応。 “反応遅れ”をなくすことで“ハンドルの切りすぎ”や“それに対応するための修正”を減らし、ドライバビリティを高めると同時に同乗者にとっては揺れが少なく快適な移動にも貢献するものである。 また、この「レグノGR-XIIIシリーズ」には、技術的にも革命的な進化が起きた。それが「ENLITEN(エンライトン)」だ。エンライトンは、タイヤをこれまでよりも「薄く」「軽く」「円く」作ることで、タイヤとしての性能を次のステージへと高める基盤技術である。 そのハイライトは、タイヤの断面が薄くなったこと。薄くなったことでしなやかに変形するようになり、接地を最適化してハンドリングやグリップを向上するほか、振動入力を低減し音を吸収するなど快適性能も高まった。 また断面が薄くなったことはタイヤの軽さに繋がり、ハンドリングを向上させるほか、タイヤに使われるゴムを減らして省資源化にもなっている。今の時代に求められる性能といえるだろう。 このエンライトンは、(新車装着タイヤを除くと)「レグノGR-XIII」が初採用であり、今後はブリヂストンの他商品にも広がっていく予定だ。 >>「レグノ GR-XIII TYPE RV」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: ミニバン・コンパクトSUV向けの「タイプRV」さて、今回試乗したのはそんなレグノGR-XIIIシリーズとして新たに登場した「GR-XIII TYPE RV」だ。 レグノのメインストリームである「GR-XIII」との違いは、「GR-XIII」がセダンを中心に軽自動車やコンパクトカー(背の低いタイプ)をターゲットとするのに対し、「GR-XIII TYPE RV」はミニバンやコンパクトSUVに最適化していること。 具体的には「走行中のノイズが気になりやすい」「ふらつきやすい」「摩耗・偏摩耗しやすい」という3つの特徴に対応する独自チューニングが施されている。 ポイントは、トレッド面(路面と接地する面)の変更だ。通常の「GR-XIII」とはトレッドパターンが異なり、わかりやすいのは「ショルダー部」と呼ばれる左右両端。「GR-XIII」に対して縦溝から外側までの幅が広くなっている。 これにより、ショルダー部のブロック(表面のゴム部分)の剛性を高め、RV(背の高い車両)で気になる“ふらつき”を低減しハンドリングや同乗者の快適性を引き上げた。またショルダー部のブロック剛性向上は耐摩耗性アップと偏摩耗の抑制にも貢献。ブリヂストンによると、「GR-XIII」に比べると「GR-XIII TYPE RV」は背の高い車両に履く際の摩耗寿命が約19%も伸びているという。 いっぽうで、乗り心地や静粛性もミニバンやSUV用の特性にあわせて最適化されているが、それらはブロック剛性の向上と相反する部分もある。その高いレベルでの両立がこのタイヤのポイントと言っていいだろう。 >>「レグノ GR-XIII TYPE RV」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: 運転する楽しみまで満たしてくれるさて、実際に乗ってみてどうか? 結論から言えば、コンフォート性能を求める人にとってこれほど最適なタイヤはないと断言できる性能を持っている。期待を裏切らないのだ。 まずは乗り心地。先代「アルファード」の後席に座って従来品「GR-XII」と新商品の「GR-XIII TYPE RV」を同じ車種で乗り比べてみた。コースは20km/h、40km/hそして60km/hと3つの速度域のレーンチェンジ&スラロームに加え、車速抑制のハンプ(道路上に設けた凸部)をイメージした路面の突起物、そして細かい凹凸が作られた路面を組み合わせたものだ。 実感したのは、入力が優しいことと、衝撃吸収性がいいことだ。「GR-XIII TYPE RV」は入った衝撃があとに響かず、揺れの収束がいい。いわゆる「一発で吸収する」というやつだ。またレーンチェンジでは車体の左右ふらつきが減ったことで身体の左右の揺れが少なくなり、それも快適性を高めてくれる。 いっぽう、先代アルファードと「クラウンクロスオーバー」を自分自身で運転しながら従来品と比較して感じたのは、ドライバビリティの向上だ。ハンドルを切る際はハンドルを操作してからクルマが反応するまでのレスポンスがよく、舵の正確性が上がったことで曲がりたい方向により素直に曲がる。 また反応遅れによるオーバーシュートが減るから微修正が減って心地いいし、グラッとロールが来ない(ジワリと来る)ことで同乗者にやさしいこともしっかり確認できた。 特にクラウンクロスオーバーでは、スッと曲がる気持ちよさがより実感できるほか、滑らかなステアフィールがより堪能できるのが好印象。スムーズで引っ掛かりのない操舵感は気持ちがいい。 単に快適なだけでなく、よりドライバーの運転する楽しみを満たしてくれる味付けになるのだ。 >>「レグノ GR-XIII TYPE RV」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: プレミアムミニバンには必須のアイテムじゃないか?一般公道では「GR-XIII TYPE RV」を履いた現行型アルファードとコンパクトSUVのレクサス「LBX」に試乗した。 高速道路の路面の継ぎ目の吸収の良さはさすがだし、その静かさも見事だ。特にアルファードはタイヤノイズがなさ過ぎて驚くレベルだし、入力が一段と抑えられるうえに、上下の揺れも減って乗り心地は極上。最高のマッチングだと断言できる。 というわけで、ミニバンやコンパクトSUV(カローラクロス程度までのサイズ)をターゲットとした新しいレグノ「GR-XIII TYPE RV」の試乗を終えて思うのは、やっぱりレグノはレグノであり、偉大だということ。 静粛性と乗り心地は期待を裏切ることがなく、そのうえハンドリングまで向上させてきた新世代は間違いなくユーザーを満足させることだろう。 極上を求めるミニバン&コンパクトSUVユーザーは、次のタイヤ交換時の第一候補にする価値がある。もはや、アルファードや「ヴェルファイア」、レクサス「LM」などプレミアムなミニバンには必須のアイテムといっていいのではないだろうか。 (終わり) >>「レグノ GR-XIII TYPE RV」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: |
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