実用的な乗用MT車6選日本は世界的にもAT車の普及率の高い国であり、今では乗用車のオートマ比率が98%以上といわれ、軽トラックもAT車が主流になっている。 さらに、スポーツカーでは人気の高いMT車だが、ATの高性能化などもありAT車のみの車種も増加中。つまり、スポーツカーですらMT車は貴重な存在となっているのだ。 しかし、熟練ドライバーを中心にMT車を好むドライバーも少なくない。彼らのニーズを受け止める実用的な乗用車のMT車を集めてみた。 ヤリスはなんと6速MTMTの「ヤリス」といえば、高性能4WDスポーツである「GRヤリス」を思い浮かべてしまうが、しっかりと標準車でもMTが用意されている。ガソリンエンジンのFF車に限定されるが、グレード構成も最上位グレード「Z」、中間グレード「G」、エントリーグレード「X」の3種類が選べるので、お好みのMTヤリスを手にすることができるのは嬉しいところ。 パワーユニットは、自然吸気仕様の1.5L直列3気筒DOHCガソリンエンジンを搭載し、最高出力は120ps、最大トルクは145Nmを発揮する。約1トンの車両重量には、十分な動力性能だ。 トランスミッションはなんと6速MT。操る楽しみも十分にある。現行型は、トヨタが気合十分で挑んだ“もっといいクルマづくり”の「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)から生まれたものであり、しっかりとした走りが期待できる。 >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら #オートマ比率 #MT車 #GRヤリス #ジムニー #6MTカローラはビジネス版のアクシオ&フィールダーに設定かつて日本の乗用車の定番であった「カローラ」は、2018年より新たなファミリーを構築。ハッチバック「スポーツ」を皮切りに、2019年に主力のセダンと、ステーションには新たなサブネーム「ツーリング」を与えて、フルモデルチェンジを果たした。また、シンプルな構成のビジネス版として、従来型のセダン「アクシオ」とステーションワゴン「フィールダー」を続投している。 当初は、現行型のセダン、スポーツ、ツーリングにも6速MTが設定されていのだが、残念なことに現在は非設定に。一方、アクシオとフィールダーにはMTが用意されている。 パワーユニットは、1.5L 4気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力103ps、最大トルク132Nm/4400rpmを発揮。MTのトランスミッションは、オーソドックスな5速MTを組み合わせる。 日本でも扱いやすい5ナンバーサイズで、華やかさはないが見切りや取り回しが良く、使い勝手が良い。教習車に採用されるのも納得できる。前輪駆動のみとなるが、アクシオで163万円、フィールダーで178万円という安さも魅力だ。 >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら マツダ2とマツダ3の一部グレードに残るMT車魂動(こどう)デザインで復活を果たしたマツダは、当初はMT車の設定率が高く、なんとSUVでも選ぶことができた。しかし現在はそのほとんどが消滅してしまい、現在残っているのは「マツダ2」と「マツダ3 ファストバック」の一部グレードのみ。ここではマツダ3 ファストバックのMT車「20S」を紹介する。 20Sのパワーユニットは、マイルドハイブリッド仕様の2.0L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。最高出力156ps、最大トルク199Nmを発揮する。発進時には最高出力6.9ps、最大トルク49Nmのモーターでアシストを行う。トランスミッションは6速MTを組み合わせる。 スタイリッシュな内外装を持つハッチバックモデルでMT車仕様が選べるのは、欧州車のスタイルに近い。長年欧州で活躍してきたマツダらしく、その味付けに欧州味が感じられるのもオススメポイントだ。 また上級グレードとなるが、マツダの独自技術による「eスカイアクティブX」エンジンを搭載する「Xツーリング」でも6速MT車を選ぶことができる。いずれもMT車は、前輪駆動車のみとなる。 先日、スカイアクティブXエンジンの開発・生産を打ち切るという報道があった。次は「Z」になるというが、果たしてどうなるのか? MT車の設定と合わせて注目したい。 >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら 人気のジムニーシリーズは全タイプにMTを設定SUVブームの中で、最も身近なクロカンとして爆発的ヒットを記録したジムニーシリーズは、日本のクロカンで唯一、MTが選べるのも特徴のひとつ。軽乗用車「ジムニー」と、普通乗用車となる「シエラ(3ドア)」と「ノマド(5ドア)」のいずれも、全グレードにMTが用意される。軽自動車のジムニーでは、660cc直列3気筒ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力64ps、最大トルク96Nmを発揮する。普通乗用車となるシエラは、1.5L直列4気筒ガソリンを搭載し、最高出力102ps、最大トルク130Nmを発揮。 いずれも5速MTで、悪路走行の強い味方となるパートタイム4WDを備えている。アウトドア好きの行動範囲を広げてくれるのも大きな価値だ。 >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら スポーツじゃないスイフト現行型の最後を飾る、特別仕様車が大きな話題となっている「スイフトスポーツ」はMT車のイメージが強いが、2023年12月に新型へと進化した普通の「スイフト」でも、しっかりとMTを継続する。1グレードのみだが、中間グレードの「ハイブリッドMX」なので、装備内容も悪くない。 パワーユニットは、1.2L直列3気筒ガソリン搭載し、最高出力82ps、最大トルク108Nmというスペックで5速MTを組み合わせる。マイルドハイブリッドなので、最高出力3.1ps、最大トルク60Nmのモーターが発進から加速のアシストをする。 特筆すべきは、車両重量が同グレードのCVT車より20kgも軽い920kgで、燃費もCVT車よりも+0.9km/Lとなる25.4km/L(WLTCモード)と経済性も魅力。ただし、価格はMTもCVTも同額。現代においてMT車が特殊な存在であることを実感するところだ。MTの駆動方式はFFのみとなる。 >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら 普通の軽自動車でMTが選べるのはワゴンRのみ軽乗用車でも今やMT車は希少な存在で、標準車で選べるのはなんとスズキ「ワゴンR」だけ。エントリーグレードの「FX」のみとなるが、FFだけでなくなんと4WDも選べる。 車両価格は2200円差とわずかではあるが、CVTよりもMTの方がいずれも安くなっている。燃費も、MTの方がFFと4WD共にわずかだが良いという、経済性も高い一台だ。 エンジン性能は共通で、660cc直列3気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力49ps、最大トルク58Nmを発揮。トランスミッションは5速MTで、CVTがインパネシフトに対してMT車はフロアシフトとなる。燃費性能は、FF車が24.8km/L、4WD車が23.0km/L(共にWLTCモード)と低燃費だ。 輸入車のMTモデルはほんの一部を残すのみとほぼ絶滅状態。国産メーカーでもMTの設定すらないことがほとんどだ。今回紹介した車種もロングセラーが多いため、将来的にはより縮小していくだろう。 ATと違う点は「MTは自分でギア操作する」ことだけなのだが、スムーズな運転にはテクニックが必要となる。運転技術を磨くために、あえて非スポーツのMT車を選ぶことで、日常の運転に新たな刺激が加わり、面白いのではないだろうか。 (終わり) (写真:トヨタ、日産、ホンダ) >>スポーツカーじゃないMT車のフォトギャラリーはこちら |
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