昨今のミニバンは2種類から選べるのが主流先日、トヨタが「アルファード」に従来のハイブリッド車の価格帯より125万円も安い新グレードを追加したことが話題になりました。 そのグレードの大きな特徴といえるのが乗車定員。これまで現行型アルファードに用意されていたグレードはすべて“7人乗り”でしたが、追加されたグレード「ハイブリッドX」は現行型アルファードとして初めての“8人乗り”となっているのです。 同じアルファードなのに7人乗りと8人乗りではなにが違うのか? 異なるのは、2列目シートの形状です。7人乗りの2列目は左右が独立した「セパレートシート(キャプテンシート)」で2人しか座れませんが、8人乗りは左右がつながった「ベンチシート」で3人が座ることができるのです。 何を隠そう、昨今のミニバンでは2列目シートを2種類用意するのが一般的。アルファード以外にもトヨタ「ノア」「ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴン」「フリード」などで2列目シートは2タイプから選べるようになっています。 選択肢があるのは嬉しいこと。だけど「買う時にどう選び分ければいいかわからない」と悩む人もいるかもしれませんね。そこで今回は、セパレートシートとベンチシートのメリット/デメリットについて考えてみましょう。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| フルフラットを多用するならベンチシートが◎ベンチシート(3人掛けシート)のメリットはまず、多くの人が乗車できること。ベンチシート車の乗車定員は8人乗りとなるのが一般的で、それはセパレートシート(2人掛けシート)の7人より多いのです。だから家族構成や使用環境などで「1人でも多く乗れるほうがいい」とか「8人が乗れないと困る」という人はベンチシート一択となるでしょう。 しかし、メリットはそれだけではありません。フルフラット状態(2列目と3列目のシートをすべて倒した状態)で倒した2列目シートの左右席の間に溝(隙間)ができないから、車中泊の際に有利。車中泊を前提とした車選びなら、ベンチシートを選ぶのが基本と考えるのがいいでしょう。 そもそもセパレートシート車だと、アルファードや「ヴェルファイア」のように、2列目と3列目をつなげてのフルフラットができない車種もあります。理由は、2列目シートが立派すぎてサイズが大きいことからです(その場合は2列目シートを大きく倒して車中泊すればいいが、2人しか寝られないのでファミリーには厳しい)。 また、子育て世代にとってベンチシートは、赤ちゃんを2列目座面へ横に寝かせてオムツ替えなどの世話ができることもメリットと言えるでしょう。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| セパレートならではの実用性&多彩な魅力もいっぽうで左右が離れた2人掛けセパレートシート(センターウォークスルーできるタイプ)にも、実用上の大きなメリットがあります。それは、3列目アクセス時に2列目を動かす必要がないこと。 ベンチシート(3人掛けシート)車は、3列目への乗り降りの際には必ず2列目を動かして“通路”を作らないといけません。ときどきならいいですが、頻繁だとけっこう煩わしく感じることでしょう。しかし2列目の左右席間に通路(隙間)があるタイプのセパレートシートなら、3列目アクセス時にそこを通ればいいだけなのでシートを動かす必要なし。手間が省けるのです。 加えてその発展として、2列目左右席にチャイルドシートを装着しても3列目が使えることは、該当するファミリーにとって重要なポイントです。チャイルドシートが装着されているときは、それを外さないとシートを畳めません。セパレートシートではなくベンチシート車の場合は、2列目に2脚のチャイルドシートを装着すると事実上3列目を使えないのです。 また、アルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシー、そしてステップワゴンなどのセパレートシート車は、3列目を使わないときに超ロングスライドして2列目をかなり後方へスライドできるアレンジも大きな魅力となっています。 そのアレンジにより、同じ車種でもベンチシートよりセパレートシートのほうが2列目足元スペース(1列目から2列目までの距離)をより広く確保できてゆったり座れるのだから大きなアドバンテージ。3列目をあまり使わないミニバンユーザーにとって、これは大きな魅力です。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| それでも迷う人にはセパレートをおすすめそして、セパレートシート車には実用性と関係ないところでメリットがあることも見逃せない点。シートは立派に見え、それは飛行機の上位クラスのシートのような雰囲気で上級感が漂うと多くの人は感じられることでしょう。 どちらを選ぶかはミニバンを使う状況や好みなどにもよるでしょう。しかし、もし迷っているのなら、筆者がおススメするのはセパレートシート。実用領域において3列目へのアクセス性のよさ、気分としてより上級な雰囲気が得られるからです。 ちなみに冒頭で書いたように国産の多くのミニバンはベンチシートとセパレートシートを選べますが、なかには例外もあってトヨタ「シエンタ」はベンチシートしか設定がありません。逆に最新仕様のホンダ「オデッセイ」は上級感を求めてセパレートシートだけとなっています。 また、日産「セレナ」はシートの中央部分を前後スライドさせる独自のアイデアにより、ベンチシートとセパレートシートのどちらにも変形。状況によって使い分けできるシートを採用していて、これはとても機能的ですね。 他に例がなく先代モデルから使われているこのアイデアは、セレナにとって大きな魅力と言っていいでしょう。この機能はセレナを選ぶ強い理由になり得ると筆者は考えています。 また、マツダ「CX-80」や先代モデルのレクサス「RX」など、SUVでも2列目にベンチシートとセパレートシートを用意している車種も存在します。 <おわり> >>この記事のフォトギャラリーはこちら |あわせて読みたい| (写真:トヨタ、レクサス、ホンダ、日産、マツダ) |
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