悪路走破性も犠牲にせず悲願のHV化「全世界の過酷な環境下で使用されるレクサスLXの電動化は、不可能と思えるほどの高いハードルであり、かつ悲願でもありました」 そう語ったのは、2024年10月に行われたレクサスのワールドプレミアに登壇したLXチーフエンジニアの横尾貴己氏。開発者自ら「悲願」というLXシリーズ初のハイブリッドモデル「LX 700h」の北米デリバリーがついに開始されます。 リリースでは「2025年初頭に(北米)販売店に到着する予定」とのことで、日本への導入はまだまだ先の話。ですが「電動化を牽引するレクサスブランドのハイエンドSUVこそハイブリッドが必要」といわれていたように、全世界が待ち望んだパワートレインを身につけた新型が盛り上がらないわけがありません。 開発にあたり「電動車であっても、歴代LXが守り抜いてきた信頼性・耐久性・悪路走破性は、絶対に犠牲にしない」ことを再確認して開発がスタートしたという「LX 700h」。 まずはスペックをチェックしましょう。注目のパワーユニットは、3.4リッターV型6気筒ツインターボエンジンに電気モーターを1基組み合わせたパラレルハイブリッドシステムとなっています。 海外のSNSユーザーが「生きて帰るための執念を感じる」と指摘するように、モーターがシャットダウンしてもエンジンだけで退避走行が可能な新しいパラレルハイブリッドシステムを開発したという点も「危機管理能力が高い」と評価されているようです。 しかも、退避走行中でもLoレンジをはじめ、トラクション制御や車高調整機能は作動するため、高い悪路走破性を犠牲にすることがないというのだから脱帽です。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら \あわせて読みたい/ ハイブリッドにも過保護級のプロテクションじゃあ「LX 700h」のハイブリッドシステムって脆弱なの?と思ってしまったのでオフィシャルサイトで調べました。 「ハイブリッド用バッテリーは防水トレイ内に収めることで、水深約70cmの渡河でも水の侵入を防止。しかも万が一、水が浸入した場合は内部センサーが検知し、メーターディスプレイを通じてドライバーに警告する」のだとか。完全に余計なお世話でした。 ネガティブな意見も紹介すると「意外に燃費が良くない(らしい)」というポストもありました。 これは海外で「LX 700h」に試乗したジャーナリストの発言で、根拠となるのはカタログスペックの「1ガロンあたり20マイル」という燃費の推定値にあるようです。アメリカは燃費を「燃料1ガロン(約3.78L)で何マイル走れるか」と考えますが、日本での一般的な表記に換算すると「約8.5km/L」となります。 「LX 600オフロード」が約8.1km/L(WLTCモード)なので、初のHVということだし「LX 700h」にはもう一声ほしいところ。ですが、走破性の向上やハイブリッド化に必須なバッテリーの搭載にともなうフレームメンバーの新設などのため、約200kg増加しているのですから致し方ない部分なのかもしれません。 >>この記事のフォトギャラリーはこちら \あわせて読みたい/ 300~500万円の価格差にも納得?なにしろ「生きて帰って来られる」などと謳う乗用車はそうそうありません。重量増はひとえに「生きて帰る」ための改良。「走行性能は飛躍的に高まり、燃費はやや向上した」と捉えてよさそうです。 そして気になる「LX 700h」のお値段は、最もお手ごろな「オーバートレイル」で11万5850ドル、名前からしてハイエンドな「ウルトラ ラグジュアリー」で14万1350ドル。日本円にすると1ドル=151円でおよそ1750万円(オーバートレイル)、2134万円(ウルトラ ラグジュアリー)となっています。 日本にデリバリーされる際は北米価格とは異なっていると予想されるのであくまで試算ですが、既存車種の「LX 600」シリーズのプライスレンジが1250万円~1800万円ですから、その差は300~500万円といったところ。 今回の進化でボディ剛性やハンドリングはもちろん、車内のノイズや低周波振動も大幅に低減したとのことで、国内のSNSでも「値上げがエグい」といった声は少なく「このスペックならそうなるよね」という納得感が漂っていると感じます。 「LX 600のバックオーダーはどうなっていますか?」と、ウェイティング中のオーナーでなくともそう思わずにはいられない昨今ですが、「LX 700h」は今から日本登場が待ち遠しい存在ではないでしょうか。 (終わり) (写真:レクサス、トヨタ) >>この記事のフォトギャラリーはこちら \あわせて読みたい/ |
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