ロードスポーツからコンペティションモデルへ進化>>ランチア デルタHF インテグラーレのフォトギャラリーはここからチェック! |あわせて読みたい| トヨタ、スバル、三菱…ライバルとの競争激化1988年モデルの初代インテグラーレは、ルックスが過激になった。ラリーシーンでの冷却性能確保のため、フロントマスクやバンパーは「穴だらけ」になり、235mm幅のタイヤを使用可能とするブリスター形状のオーバーフェンダー処理が施された。 エンジンはブースト圧の引き上げで185ps/31kgmと従来比20ps/2kgmのパワフル化を実現している。1989年になると、エンジンを16V化。エンジンヘッドだけでなく吸排気マニホールドや空冷式インタークーラーのサイズもアップすることで、最高出力は200psの大台に乗った。 サスペンションのセッティングもリファインされ、タイヤサイズもアップ。4WD駆動システムにも手が入り、前後駆動力配分は43対57のややリア寄りにリセッティングされている。これはアンダーステアを減らすための処置だ。 外観上では、大型化したエンジンを収めるために、3cmほど盛り上がったボンネットのパワーバルジが与えられている。 1992年になるとトヨタ「セリカ」、スバル「レガシィ」や「インプレッサ」、三菱「ギャラン」や「ランサー」などの国産ライバルが大幅にポテンシャルアップ。ランチアの牙城を一時的に脅かすようになる。 そこでランチアは、さらに戦闘力を高めた「エボルツィオーネ」を送り出す。サスペンションを大幅にリファインし、トレッドをフロント54mm、リアで60mm拡大。それにともない前後フェンダーはさらにワイドとなり、大型リアスポイラーの採用で空力性能にも磨きがかかった。 エンジン出力は10psアップの210ps、ブレーキ能力もアップされた。1993年シーズンから、ランチアはワークスチームとしてWRCから完全に撤退するが、デルタは最終モデルのエボリューションIIへと進化を遂げた。エンジンの制御方式を完全に一新し、215psにパワーアップ。さらに16インチタイヤを採用した。 >>ランチア デルタHF インテグラーレのフォトギャラリーはここからチェック! |あわせて読みたい| 現代でも色褪せない魅力があるものの価格がネックデルタHF インテグラーレの実際の走りは、痛快そのものだった。全長4mを切るコンパクトなボディとパワフルなエンジン。そして何より、軽快なフットワークの融合は最高の戦闘力を発揮した。 ワインディングロードでは、まさに無敵。デルタのステアリングを握り、ワインディングを駆けるのはまさにスポーツと呼ぶにふさわしい。爽快さと極上のファントゥドライブに溢れている。 アルカンターラ素材を配したレカロ製の大型バケットシートや、MOMO製本革ステアリングなどのディテールもマニアの心を刺激する。 ランチアはモータースポーツ用のマシンでも「楽しさと美しさ」を忘れない。速さだけでなく、イタリアならではの情熱を持つ逸材である。 1987年から6年連続でWRC王者に輝いたデルタHFは、まさに名車の中の名車。日本でも絶大な人気を博し、新車で販売されていた頃、シリーズ合計で約9000台が輸入されたといわれる。現在でも魅力は一級品。そのイタリアンスポーツならではの刺激的な味わいに心が躍る。 ただし価格は高騰中だ。1000万円オーバーが一般的で、気軽に購入を検討するクルマではなくなった。リーズナブルにイタリア車の走りを味わうなら、アバルト「500/595/695」という手がある。 スタイリングやヒストリー、そしてメカニズムはまったく異なるが、ビビッドな走り味という点では共通する部分が多い。しかも、アバルトはトラブルが少なくエアコンも完備。痩せ我慢は一切無用だ。筆者もMT仕様のアバルト500との生活を大いに楽しんでいる。 (終わり) (写真:ステランティス、ランチア、アバルト、トヨタ、スバル) >>ランチア デルタHF インテグラーレのフォトギャラリーはここからチェック! |あわせて読みたい| |
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