パスワード再発行
 立即注册
検索

今注目の技術「ITS」が自動車の未来を変える

2013-11-28 19:45| post: admin| view: 573| コメント: 0|著者: admin

摘要: クルマが被告席に座らされている? ここ最近、新聞やニュースで「ITS」という言葉にふれる機会が増えた。10月に東京ビッグサイトで開催された「第20回ITS世界会議 東京2013」の模様がさまざまなメディアで報道され ...

今注目の技術「ITS」が自動車の未来を変える

クルマが被告席に座らされている?

ここ最近、新聞やニュースで「ITS」という言葉にふれる機会が増えた。10月に東京ビッグサイトで開催された「第20回ITS世界会議 東京2013」の模様がさまざまなメディアで報道されたので、ご覧になった方も多いだろう。

けれども、このITS (Intelligent Transport Systems)がわれわれの生活や社会に何をもたらしてくれるのか、よくわからないという声も多い。そこでbtyは、「ITSとは何か」「ITSはどんなベネフィットをもたらしてくれるのか」をわかりやすくお伝えしたいと考えた。講師役をお願いしたのは、『ITSの思想??持続可能なモビリティ社会を目指して』(NHKブックス)の著書があるジャーナリストの清水和夫さんである。

ITSの個別の技術を取り上げる前に、清水さんは「この100年間のクルマ社会を振り返って、クルマが何をもたらし、何が問題になっているのかという大前提を知るべき」だと語る。

「100年前にヘンリー・フォードがT型フォードを発案してから、多くの人が自由に移動できるようになりました。移動が増えることで文化や経済が発展してきたわけですが、いいことばかりではありません。いま、世界では年間約150万人もの方が交通事故で亡くなっています。クルマの排ガスだけが原因ではありませんが、上海の大気汚染は深刻です。私は、クルマが被告席に座らされていると感じています。これからの100年もクルマ社会を持続させるために何をすべきか、われわれは考えなければいけない」

これからの100年もクルマ社会を持続させるためのカギを握るのが、ITSの技術であるというのが清水さんの考えだ。

「現在、日本の交通事故死亡者数は約4500人ですが、そのうち半分は歩行者です。クルマの安全技術をいくら高めても、歩行者の死者数を減らすのは限界があります。でも、もし歩行者と道路とクルマが通信でつながったら、歩行者の命が救えるかもしれない。エネルギー・環境問題も同様です。歴史を振り返れば、戦争の原因はエネルギーの奪い合いでした。今後、ますます石油の需給は逼迫するはずですが、エネルギーの奪い合いを防ぐにはクルマの燃費をいまの10倍にする必要がある。10km/Lを50km/Lにするのはこれまでの技術の延長でできたかもしれないけれど、100km/Lにするにはたとえばクルマ同士で道路情報を共有するなど、まったく違うアプローチが必要になるはずです。私は、ITSなしには理想のクルマ社会を実現することはできないと考えています」

では、現在のITSは何ができるようになっているのか。次のページから、10月の「第20回ITS世界会議 東京2013」で実際に体験することができたITS技術を紹介したい。

交差点やT字路の事故を防ぐ【DSSS】

DSSS(安全運転支援システム=Driving Safety Support Systems)は、ドライバーの認知の遅れや判断ミスに起因する事故を未然に防止する技術である。主たる活躍の場は、交差点やT字路だ。

まず、道路にはクルマと歩行者の位置と速度をモニターするセンサが備わる。このセンサが集めた情報と、信号情報、道路線形情報(停止線までの距離など)を総合して、交差点内でどのような危険が発生する可能性があるかを判断する。

事故が起こる危険があると判断すると、光ビーコン等の無線通信を通じてクルマに伝える。現在のDSSSはレベルIからレベルIIに進化しており、レベルIIの情報を受け取るにはDSSSレベルIIに対応したカーナビが必要だ。

「ITS世界会議 東京2013」では、会場となった東京ビッグサイトからほど近い有明エリアで、このシステムのデモンストレーションが行われた。

一時停止や赤信号を認識すると、そういった情報を送信してドライバーに注意喚起するというのが、DSSSの最も基本的な機能だ。右折時に横切る横断歩道に歩行者がいる場合にも、注意喚起する。また、左折時に左斜め後方に二輪車を確認すると、やはり注意をうながす。このふたつの機能は、うまく働けば事故低減に大いに役立つと感じた。

ほかに、Signal Information Drive System(信号情報活用運転支援)という機能も披露された。これは、赤信号に変わることを察知するとアクセルオフを推奨したり、赤信号で止まった時にアイドリングストップをうながすもの。燃費向上につながる技術である。前出の清水和夫さんによれば、「アメリカではITSは事故低減の取り組みだと認知されている一方で、ヨーロッパでは環境問題の解決策だと思われている。日本はどちらかに限定するのではなく、ITSを使って安全にも環境にも取り組むべき」だと主張している。

交通の流れに革命を起こす【ITSスポット】

現在、日本の道には高速道路を中心に、1600カ所のITSスポットが設置されている。このITSスポットから多様な情報を車両に送信することで、快適で安全な交通環境を実現しようというのが、この取り組みの目的である。

ITSスポットからの情報で役立つのは、「ダイナミックルートガイダンス」と呼ばれる最適なルート案内だ。従来のルートガイダンスと何が異なるかといえば、大都市間の広域情報をリアルタイムで入手できることだ。

「ITS世界会議 東京2013」のデモンストレーションでは、首都高速から名古屋に行くという設定で最適なルート選択を行った。通常のカーナビだと複数のルートから最適のものを選ぶことが難しいけれど、ITSスポットから大都市圏全体の区間ごとの所要時間をキャッチできるので、道路ネットワーク全体から最適なルートを選ぶことができる。

清水和夫さんは、「ITSスポットの可能性は、そんなものだけではないはずです」と強く主張する。「ITSスポットは、ETCと同じ通信方式(5.8GHz)を用いるので、連携したサービスを提供できるはずです。たとえば、渋滞が予想されるルートでは通行料金を高く設定して交通の円滑化を図る。あるいは首都高速1号横羽線のように耐久性に問題がある道路は、大型車の通行料金を大幅に高く設定すれば、事実上、道路への負荷が小さい小型車専用道路となります」

そして清水さんは、「ヨーロッパの自動車メーカーは、日本のETCの普及率が高いことに目を見張っています」と続けた。「日本の乗用車の保有台数はおよそ6500万台で、そのうち約90%がETCを装着しています。ITSスポットと連携するには第2世代ETCでなければいけないという問題はありますが、それでも日本のクルマはデファクトで道路と繋がっていることになります。目的をしっかり決めてETCを用いたITSの成功例を、世界にさきがけて作る素地が出来ているのです」

交通事故ゼロへの切り札【ASV】

ASV(先進安全自動車=Advanced Safety Vehicle)は、車両対車両、あるいは車両対歩行者の間で通信を行い、他の車両や歩行者の動きを認識して安全を確保する技術である。
「ITS世界会議 東京2013」では、いわゆる「右直事故」(右折する車両が、直進する車両やバイクと衝突する形態)を防ぐための取り組みを体験することができた。右折する際に、対向車線を直進してくる車両の存在が目視できなくとも、互いに通信で存在を認識しているので警告を発してくれるのだ。クルマと同じように歩行者も通信装置を持って歩けば、危険の接近を把握することができる。

清水和夫さんによれば、日産は先んじてこういった実証実験を行っていたという。

「ランドセルにチップを入れて発信することで、自動車に対して"歩行者がいる"ということを訴えかける仕組みを試していました。いまの時代であれば、スマートフォンを使ってもっと簡単にシステムが構築できるかもしれません。日本の交通事故による死亡者数の半分が歩行者だというお話をしましたが、特にお年寄りとお子さんの被害が大きい。私は交通事故ゼロの自動車社会が理想だと考えていますが、ASVは理想の実現のために欠かせない取り組みです」

「ITS世界会議 東京2013」では、ほかに高速道路のサグ部(登り坂などで速度が落ち、恒常的に渋滞が発生する場所)でドライバーに速度を落とさないように警告してサービスや、サービスエリアのITスポットでスマートフォンに交通情報を表示するサービスを実際に試すことができた。

ITSというと、遠い未来の話のような気がするかもしれない。けれども、特にETCとカーナビゲーションシステムが発達した日本では、その一部が充分に活用できるレベルに進化しているのだ。

日本ならではのクルマ社会を作れ!

ここまでで、「ITSがなぜ必要か」「ITSには何ができるのか」といった概容は理解できた。けれども、それぞれの取り組みが有機的に結びつかないような歯がゆさを覚える。この疑問に対する清水和夫さんの答は明快だった。

「ITSのそれぞれの取り組みを、別々の官庁が管轄しているんですね。交差点の内側で機能するDSSSは警察庁、クルマと道路が通信するITSスポットサービスは国土交通省道路局(旧建設省)、クルマ同士が通信するASVは国土交通省自動車局(旧運輸省)といった具合です。それぞれがバラバラにITSを進めるのではなく、ひとつの大きな絵を描いてそこに向かうような仕組みを作る必要があると感じています」

さまざまなITSの取り組みを横串でブスッと刺す役割を求められているのが特定非営利活動法人ITS Japanだ。自動車メーカーやサプライヤーを軸に構成したこの組織が、政府や役所と連携してITSを推進していかなければならない。

「ただし、お上にお任せじゃ絶対にうまくいかない。どんなクルマ社会に暮らしたいのか、ひとりひとりがイメージして意見を伝える努力をする必要がある」というのが清水和夫さんの意見である。

事実、清水さんは「ITS世界会議 東京2013」の開催期間中に約30名の学生や主婦を集め、『「つながるクルマの未来」を清水さんと語ろう 白熱討論会』を企画した。清水さんのほかに東京大学の大口敬教授、国土交通省の西川昌宏氏、トヨタ自動車の森敬一氏らがフランクに意見を交換したのだ。

この討論会では、ITSを軸に、どんなクルマ社会が望ましいのかについて積極的に議論が戦わされ、たとえばクルマの負の側面も数多く挙げられた。「どんな高性能車でも目的地に着いたら停めなくてはいけない。スムーズに駐車できないことも、クルマ離れの一因」「クルマより、電車のほうが到着時間が確実に読める」などなど。

ただし、こういったクルマの弱点も、ITSによってかなりの部分が解決できるだろう。もし、クルマの負の側面がなくなり、環境に負荷をかけずにスムーズに移動ができるようになれば、われわれの生活は大きく変わる。たとえば、早朝にサーフィンを楽しんでから出勤してもいいのだ。

ほかにも、「クルマは全自動で動いたほうが効率的」という意見や、「高速のサービスエリアのトイレの空き状況を車内で知りたい」という若い女性からの切実な要望も飛び出した。こうした意見をひとつひとつ考えながら、自分たちがどんなクルマ社会を本当に望むのか、じっくり考えるべき時期だろう。

清水さんは、今回のITSの入り口となる企画を、次の言葉で締めてくれた。

「ITSが、クルマの負の側面を大きくリカバーします。しかもさきほど言ったように、ETCやカーナビ、VICSのある日本はITS先進国。2020年東京五輪に向けて交通整備のモチベーションも上がっているし、世界で最も早く高齢化社会がやってくるという現実もある。世界にさきがけて、日本が新しいクルマ社会を作ることができるし、またやらなければいけないと考えています」


さようなら

なるほど

共感した

ありがとう

相关分类

Archiver|携带版|BiteMe バイトミー

GMT+9, 2025-2-1 10:10 , Processed in 0.058358 second(s), 17 queries .

Powered by Discuz! X3.5

© 2001-2025 BiteMe.jp .

返回顶部