「アルファード」は「残価ローン」がないと売れなくなる？ 法人が「現金一括」を好む意外な理由も ...

購入者の大半が残価設定ローンを使っている？

トヨタ「アルファード」は、2002年に初代が登場して以来、ゆとりある室内空間、高級感のある内外装から「高級ミニバン」の代名詞的存在となっています。

現行モデルは2023年に登場していますが、新車価格が最低510万円からと国産車としては高価格でありながらも、2024年の1年間で7万9374台を販売し、年間の自動車販売台数ランキングでも8位となっています。

兄弟車である「ヴェルファイア」をふくめれば、その年間販売台数は10万台を超えます。

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一方、アルファードがこれほどまでに売れる理由について、インターネット上では「大半が残価設定ローンで購入しているのではないか」という声があります。

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残価設定ローンと相性がいいアルファード

そもそも残価設定ローンとは、クルマの購入価格の一部を「残価」として設定し、その分を除いた金額を3～5年程度の分割で支払う仕組みです。

「残価」は、そのクルマが数年後にどれくらいの価値を持つかを予測して決められます。

そのため、「中古車となっても価値が高いクルマ（＝リセール価値が高いクルマ）」は「残価」が大きくなるため、車両価格に対して月々の支払い金額が低くなります。

契約期間が終了したあとは、残価を支払いクルマを自分のものにするか、支払わずにクルマを返却し契約終了とするか、または新たに買い替えるか選ぶことができます。

中古車市場でも高い人気を誇るアルファードは、残価設定ローンを活用することで、いわゆる通常のローンに比べて月々の支払額を驚くほど抑えることが可能です。

そういう意味で、アルファードは残価設定ローンと相性のよいモデルと言うことができます。

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では、実際にアルファードを購入したユーザーは、どの程度残価設定ローンを利用しているのでしょうか？

大阪にある販売店の担当者は次のように話します。

「たしかに、アルファードを購入したお客様の多くは残価設定ローンを利用されています。

地域などによっても異なると思いますが、当店の場合、アルファードをお求めになる個人のお客様のほとんどが残価設定ローンを利用している印象です」

また、宮城県の販売店関係者も「残価設定ローンを利用するお客様が、かなりの割合を占める」と話します。

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残価設定ローンがなくなっても、アルファードは売れる？

では、もし仮に残価設定ローンがなくなったら、アルファードは売れなくなってしまうのでしょうか？

前出の販売店担当者は「影響がまったくないとは言いませんが…」と前置きしたうえで、次のように続けます。

「アルファードに対して残価設定ローンを利用するお客様が多いのは、言うまでもなく『残価』が高いからです。

ただ、アルファードの『残価』が高いのは中古車市場で高い需要を誇っているためであり、それは残価設定ローンという仕組みがなくなったところで変わりません。

このように考えると、たとえ残価設定ローンがなくなったとしても、アルファードの販売台数が大きく下がることはないと思います」

実際にアルファードを残価設定で購入したユーザーの声を見てみると、「リセールバリューが高いので購入を決めた。乗り換えのことも考えるとお得と感じる」と、リセールバリューのありきで購入を決めているひとも見られます。

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「現金一括」を選ぶ法人が多い意外な理由とは？

こうしたなかで、アルファードを現金一括で購入するのはどのようなユーザーなのでしょうか？

アルファードを検討しているというある経営者は「法人は現金一括で購入するメリットが少なくない」といいます。

「法人の場合、一般的にはリース契約を結ぶことが多いと思います。

ただ、先行きが不透明な中小企業の場合には、数年間にわたってリース契約を結ぶことは一定のリスクがともないます。

一方、現金一括では、最初の支払いさえ済ませてしまえば、それ以降の負担はそれほど大きくはありません。

そのうえで、アルファードのようなリセールバリューの高いモデルであれば、経営状況が悪化した場合でも、売却することですぐに一定の現金を手に入れることが可能です。

これには、リース契約による節税対策以上のメリットがあります」

アルファードの驚異的な販売台数が、残価設定ローンによって支えられていることは事実のようです。

しかし、その背景にあるのはアルファードのリセールバリューの高さであり、それは現金一括購入を検討しているユーザーにも大きなメリットになると言えそうです。

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（終わり）

（写真：トヨタ、アフロ）

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