発売9年を過ぎても“売れまくる”怪物「ルーミー」日本独自のカテゴリーとしてファミリーカー市場の一翼を担っているのが「プチバン」です。軽自動車より大きい後席スライドドア車で、しかし「ホンダ フリード」や「トヨタ シエンタ」のように3列シートにするにはボディが短いコンパクトカーが、プチバンと呼ばれています。 具体的には、「トヨタ ルーミー」と姉妹車の「ダイハツ トール」、そして「スズキ ソリオ」がこのカテゴリーを構成、この中で圧倒的に売れているのがルーミーです。 2025年3月の販売台数は7477台。2024年度でいえば、ほぼ第一四半期が認証不正による出荷停止だったにもかかわらず、8万4312台を販売。これは登録車の中で7位となるもので、人気モデルなのは間違いありません。 そんなルーミーが誕生したのは2016年11月。マイナーチェンジなど商品改良は実施されていますが、9年目を迎えたいまでも売れ続けているのは驚異的です。 全長3.7m×全幅1.67mというコンパクトなボディながら、巧みなパッケージングで使い勝手の良いクルマとしていることが、ファミリーユースで一定の支持を集め続けている理由といえそうです。 >>【画像】ルーミーとマイチェンしたソリオの違いを写真でチェックする |あわせて読みたい| 古さを感じさせる先進安全装備や燃費性能ただし、ハードウェアの基本部分については古さを隠しきれない面もあります。 排気量1.0Lの3気筒エンジン(自然吸気とターボの2種類)とCVTを組み合わせたパワートレインはデビュー時から不変で、最近では廃れつつある「アイドリングストップ機能」が付いているのもトヨタ車としては時代遅れな印象を与えます。 WLTCモード燃費は自然吸気のFF車で18.4km/L、ターボ車で16.8km/Lというのも、ライバルと比べると見劣りします。実質的に唯一のライバルといえるソリオは2025年1月のマイナーチェンジにより全車が新世代3気筒エンジン+マイルドハイブリッドのパワートレインとなりました。これによりWLTCモードは22.0km/Lとなっています。しかもソリオは走りに余裕のある1.2Lエンジンですから、税金面以外ではソリオが有利です。 先進運転支援機能をみると、ルーミーは上級グレードとなる「カスタム」系のみにACC(アダプティブクルーズコントロール)が標準装備となり、スタンダードグレードではオプション設定もありませんが、ソリオは全グレードに全車速型ACCが標準装備となっています。また、ソリオには車線維持支援機能も標準で備わっています。 ソリオの上級グレードにはブラインドスポットモニター(隣車線の後方から接近する車両を検知してドアミラーのインジケーターで警告する)が備わっているのも設計の新しさを感じさせます。 一方、便利なホールド機能付き電動パーキングブレーキはルーミー、ソリオの両モデルとも上級グレードのみ備わるというのは共通した仕様です。 >>【画像】ルーミーとマイチェンしたソリオの違いを写真でチェックする |あわせて読みたい| 販売店網の差を考えると「ソリオ」は大健闘している・・・こうしてみてくると、たしかにルーミーは売れているものの、けっしてライバルのソリオを圧倒する内容とは思えません。直近2025年3月にはソリオは5044台を販売していますが(2024年度は5万2492台)、トヨタとスズキでは販売網のスケールが違うことを考えると、ソリオは大健闘をしているといえるかもしれません。 試乗してみれば明らかですが、乗り味はソリオのほうが上質感があります。逆に、ルーミーは“ダイハツ軽自動車の延長線”といえる、やや薄っぺらいフィールに仕上がっている印象がぬぐえません。 購入検討時にルーミーとソリオを実際に比較試乗しているユーザーがどれほどいるのかはわかりませんが、乗り比べた上で、予算が許すならば「ソリオを選ぶ」という結論になるのは不思議なことではありません。 はたして、プチバン・カテゴリーにおいてルーミーの天下は続くのでしょうか。ルーミー、ソリオとも2023年度より2024年度の販売台数が増えていることを考えると、2025年度にもプチバンはかなりの台数を売り上げること必至といえそうです。 (終わり) (写真:トヨタ、ダイハツ、スズキ、スバル) >>【画像】ルーミーとマイチェンしたソリオの違いを写真でチェックする |あわせて読みたい| |
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