ホンダ「N-WGN」が販売苦戦中2024年の軽自動車販売台数ランキングにおいて、ホンダ「N-BOX」が10年連続で1位を獲得し、その圧倒的な強さを見せつけました。 まさに「絶対王者」とも言えるN-BOXですが、ホンダにとって悩ましいのが「N-BOX以外の軽自動車が売れない」という状況に陥っていることです。 ホンダの軽自動車の中でN-BOXに次ぐ販売台数を誇るのは「N-WGN(エヌワゴン)」ですが、直近の2025年3月の軽自動車販売台数ランキングでは3204台の14位に甘んじています。 N-WGNのライバルであるスズキ「ワゴンR」が6753台の7位、日産「デイズ」が5206台の11位にランクインしていることを考えると、14位というのはあまりにも厳しい数字です。 また、発売当初には7000台と発表されていた月間目標販売台数に対しても大きく下回っています。では、なぜN-WGNはこれほどまでに苦戦しているのでしょうか? >>【デザインはアリ?】「N-WGN」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: “最強の敵”は身内という現実ある販売店関係者は、N-WGNが低迷している理由について次のように話します。 「N-WGNの販売状況がかんばしくないのは事実です。その最大の理由は、やはり『N-BOXが強すぎる』ということにあると思います。スズキやダイハツの販売店を訪れる来店されるお客様の中には、漠然と『軽自動車を探している』という方も多いと思います。 しかし、ホンダの場合、『N-BOXを買いたい』と具体的に指名されるお客様が多く、ほかの軽自動車はそもそも比較検討の対象じゃないことが珍しくありません。 より安価なモデルを求めるお客様にN-WGNを勧めるケースはありますが、最終的にはN-BOXを選ぶお客様が大半です。 そうしたお客様のお話をうかがうと、『スライドドアのほうがいい』、『室内の広さに驚いた』などがN-BOXを選ぶ決め手になっているようです。 さらに、リセールバリューの点からN-BOXを選ぶお客様も多くいらっしゃいます。N-WGNとN-BOXでは、基本的にN-BOXのほうが高価格ですが、リセールバリューを考えるとその差はほとんどなくなります。また、残価設定ローンを利用すると月々の支払い額にほとんど差はありません。 もちろん、軽自動車でも走りを重視される方や個性的なモデルをお探しの方にはN-WGNをおすすめさせていただくこともあります。ただ、それ以外のお客様に対しては、販売店としてもN-BOXのほうをおすすめすることが多いというのが実際のところです」 >>【デザインはアリ?】「N-WGN」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: “N-BOX強すぎ”問題だけじゃないまた、ある業界関係者は「位置づけが微妙になってしまっている」と指摘します。 「N-WGNは134万4200円からで、ホンダの軽乗用車のなかではもっとも手ごろなモデルです。ただ、ライバルであるスズキ『ワゴンR』が129万4700円からであることを考えると、価格面での優位性はありません。 もちろん、装備面ではN-WGNのほうが勝っている部分もありますが、機能装備を重視するのであれば、そもそも低価格帯の軽自動車を選ばないというユーザーが多数派であると考えられます。 さらに、N-WGNは発売早々に電動パーキングブレーキに関する不具合でリコールを届け出たことも尾を引いていると思います。N-WGNは、当時の軽自動車としては珍しく、電動パーキングブレーキやオートブレーキホールド機能が搭載されていることが大きな特徴でした。 しかし、発売直後に電動パーキングブレーキに関する不具合が発覚し、しばらく生産を停止することとなってしまいました。 その結果、ライバル車と比べて割高なモデルであるにもかかわらず、品質面で課題があるという印象がついてしまったと考えられます」 >>【デザインはアリ?】「N-WGN」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: 「N-WGN」復調の可能性は?今後N-WGNが復活を果たす見込みはあるのでしょうか? 前出のある業界関係者は「率直に言えば、厳しいと考えられます」とした上で次のように述べます。 「モデルチェンジによってN-WGNの魅力が増したとしても、現在に比べて大きく販売台数を伸ばす可能性は低いと思います。これは、N-WGNが属するハイトワゴンというカテゴリー自体が縮小しているためです。 長らく軽自動車の王道スタイルであったハイトワゴンですが、現在ではN-BOXに代表されるスーパーハイトワゴンにその座を譲っています。 実際には、スーパーハイトワゴンはハイトワゴンの完全上位互換であり、ハイトワゴンが太刀打ちできる部分はほとんどありません。 唯一の強みとして挙げられるのは、重心が低いことによる走行安定性がハイトワゴンの強みとして挙げられますが、軽自動車にそれを求めるユーザーは少ないのが実情です。 今後、N-WGNの販売台数が大きく伸びることがあるとすれば、BEV化やスライドドアの採用といった根本的な改革が必要不可欠だと思います」 発売から約6年が経過したN-WGNは、そろそろ次期モデルの登場が噂されるころです。しかし、現時点では次期N-WGNに対する具体的な情報はなく、その存続自体が危ぶまれています。 (終わり) (写真:ホンダ、ダイハツ、スズキ) >>【デザインはアリ?】「N-WGN」を写真で詳しくチェックする ◎あわせて読みたい: |
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