世の中には2つのタイプのSUVがある昨今、日本において(というか世界各地で)もっとも勢いがあり、もっとも幅を利かせているボディタイプといえばSUV。日本の新車販売状況(軽自動車を除く)をボディタイプ別にカウントした場合、全体の約3割がSUVと聞けばその多さに驚く、また納得する人も多いことでしょう。 そんなSUVですが、世の中のSUVは2つのタイプに分けることができます。「一般的な機械式立体駐車場(セダン用でミニバン&SUV非対応)に入庫できるSUV」と「入庫できないSUV」です。 その境目は全高が1550mmを超えるか否か。一般的に全高が1550mmを超えると「ハイルーフ対応機械式立体駐車場」にしか収まらず、逆に1550mm未満であれば「セダン用機械式立体駐車場」を活用できるのです。 ちなみに機械式立体駐車場を利用できるサイズには、全高だけでなく全幅や全長の制約もありますが、それは背の高い車両だけに限った話ではない(車体の大きなセダンなどにも関わってくる)のでここでは割愛しましょう。 \あわせて読みたい/ 自宅以外で日常的に機械式立体駐車場を使う人は要注意さて、今回のテーマは「SUVは一般的な機械式立体駐車場に収まることを気にして選ぶべき? それとも気にしなくてもいいか?」。はっきりいって“絶対”という正解はありません。ユーザーの環境によって、答えは全く違ってくるからです。 まず絶対に気にするべき人。それは自宅の駐車場が背の高いクルマに対応していないという人です。マンションの駐車場なんかでよくあるんですよね、背の高いクルマはとめられないというタイプの機械式立体駐車場が。 何を隠そう筆者の住むマンションにおいて筆者が借りている区画もそうで、そのため背が低くないSUVに乗る筆者はマンション敷地外に月極駐車場を借りて、そこに愛車を保管しています。よく考えてみると、けっこう無茶(無駄なことを)していますね。 そんな筆者のように無茶するのもアリですが、一般的にはわざわざ外に駐車場を借りたりしないでしょう。不便だし、出費も増えてしまいますから。そこで、住んでいるマンションの駐車場が背の高い車両不可の場合、SUVであってもそれに対応した背が高すぎないクルマを選ぶのが基本です。 自宅駐車場がOKでも、それだけで条件クリアとはなりません。行動範囲内に、背の高いクルマNGの駐車場はないでしょうか? 都市部に住んでいて、日常的に機械式立体駐車場を使う人は要注意です。 機械式立体駐車場の中には、背の高いクルマ対応と背の低いクルマしか入庫できないタイプの、2種類が併用されている場所もあります。もしもそんな駐車場が行動範囲にある場合は、「背の高いクルマもとめられるから大丈夫」と安心してはいけません。 なぜなら、混雑時は「背の低いクルマ用は空きがあるけど、背の高いクルマ用は満車」なんていうことだってあり得るからです。機械式立体駐車場を使うことがある人がSUVを選ぶ際は、そこまで気にしたほうがいいでしょう。 以上が、ひとつめのパターンです。 \あわせて読みたい/ 都市部で暮らしているなら背の低いSUVが安心日常の行動範囲内に機械式立体駐車場がないという人のなかには「たまには機械式立体駐車場を使うこともある」という人もいますよね。そんな人は「絶対に背の低いSUVを選ぶ必要はないけれど、背の低いSUVを選んでおくと安心」といったところでしょうか。これが2つめのパターンです。 都市暮らしをしていると、思いがけず機械式立体駐車場を使うこともあり得ますよね。そんなとき、SUVでも背の低いタイプなら駐車場の選択肢が広がるので大きなアドバンテージです。もしかすると「背が低くて助かった!」という時が来るかもしれません(来ないかもしれませんが)。 最後に3つめのパターンは「まったく気にする必要がない」という人。「自宅でも外出先でも、機械式立体駐車場を使うことなんてない」というのなら、背の高さなんて気にせず好きなSUVを選べばいいでしょう(もちろんミニバンもご自由にどうぞ!)。 それらを踏まえ、全高1550mm未満だとどんなSUVが選べるのでしょうか? \あわせて読みたい/ マツダが最多の3モデルをラインアップまずはトヨタ。 かつては「C-HR」がありましたが、現在日本での販売はなし。唯一1550mmに満たないのは「クラウンクロスオーバー」です。SUVをたくさんラインアップしているトヨタですが、意外に対応モデルは少ないですね。 トヨタの上級ブランドであるレクサスは「LBX」と「UX」の2車種が対応。いずれもコンパクトなモデルで、機械式立体駐車場の選択肢が広いのはアーバンSUVとしては大きなアドバンテージですね。 マツダは「CX-3」「CX-30」そして「MX-30」の3モデルが対応し、SUVラインアップに対する一般機械式立体駐車場入庫可能比率は国産ブランドでナンバーワン。もしかすると、世界でナンバーワンかもしれません(そもそも海外には背の低いクルマ用の機械式立体駐車場という文化がほぼないので)。マンション住まいの人や都会暮らしの人にやさしいメーカーと言えそうです。 スズキは、大人気の「ジムニー」はさすがに本格四駆すぎて無理ですが(全高1725mm)、「フロンクス」が適合。全長4mを切るコンパクトボディながら、広い後席と荷室を兼ね備えるフロンクスのパッケージングは素晴らしいですね。 意外なことに、スバルは対応車種ゼロ。「レイバック」は全高1570mmで惜しくもNGだし、先代に相当する「XV」では対応モデルもあった「クロストレック」も1575mm以上となっているのです。 日産やホンダ、三菱、そしてダイハツは残念ながら新車販売しているモデルの中に背の低いSUVはナシ。アーバンライフには辛いところです。 \あわせて読みたい/ 背の高いクルマも使える機械式立体駐車場は増えているこうして昨今のSUVの機械式立体駐車場対応事情を調べてみて、背の低い機械式立体駐車場に対応するSUVは想像以上に少ないと筆者は感じました。かつてより、開発時にそれを気にするクルマが減っているのは間違いないでしょう。 そこにあるのは「SUVの前にまずミニバンがブームで増えたことによって、背の高い機械式立体駐車場が多く作られるようになった」という背景。かつてに比べると、背の高いクルマも入庫できる機械式立体駐車場は増えているのです。これから作られる機械式立体駐車場は、背の高いクルマに対応するのがスタンダードとなるでしょうね。 (終わり) (写真:アフロ、トヨタ、レクサス、マツダ、スズキ、スバル) \あわせて読みたい/ |
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