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レクサスGSに第二のHV、300hが追加

2014-3-16 10:00| post: biteme| view: 900| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之

摘要: 2種類のハイブリッドが選べる 昨年の10月、レクサスはさりげなく大きな一歩を踏み出した。それはセダンラインナップの中核を担うGSに、300hというハイブリッドモデルを追加したことだ。ハイブリッドは燃費性能、加速 ...

レクサスGSに第二のHV、300hが追加

2種類のハイブリッドが選べる

昨年の10月、レクサスはさりげなく大きな一歩を踏み出した。それはセダンラインナップの中核を担うGSに、300hというハイブリッドモデルを追加したことだ。

ハイブリッドは燃費性能、加速性能、静粛性など多くの性能を向上させるマルチアイテムとして市民権を得ているわけだが、ここで考えて欲しい。すでにGSにはハイブリッドモデルとしてGS450hがある。つまり、GSの中で「どちらのハイブリッドにするか?」を選べるようになったのだ。

改めて振り返ると、今までは燃費指向であればハイブリッド…それだけで市場が成り立っていた。それぞれのモデルの動力源としてハイブリッドは1つしか設定が無い状況だし、レクサスで言えばCTやHSのように、そもそもハイブリッドというたった1つの動力源しか設定が無いモデルも多い。

強引な例えをするなら、この車種は2Lモデルしかありません! と断言されているようなもの。より気持ちよい加速力が欲しいなら大排気量、もっと経済性が欲しいなら小排気量のエンジンを選ぶような選択肢が無かったわけだ。

しかしGSは違う。これが本来のあるべき姿とも言えるが、ユーザーの好みや生活環境そしてクルマの使用状況に合わせて、どちらのハイブリッドが適しているのか選べるようになった。「燃費性能が欲しい=ハイブリッド」の単調な選択ではなく「燃費性能+αとして何を求めるか?」を選べる時代の到来だ。

IS300hと同じハイブリッドシステム

GS300hのハイブリッドシステムは、基本的にIS300hと同様だ。アトキンソンサイクルによって超高効率燃焼を行う2.5Lの直列4気筒直噴エンジンに、最大トルク300Nmというガソリンエンジンに換算すると3L級のエンジンが発生する力(トルク)を生み出すモーターを組み合わせる。

2.5Lエンジンと3Lエンジンに相当するモーターで、5.5L相当の強烈な加速…と言いたいところだが、トヨタのハイブリッドシステムは、単純に嵩上げ式にプラス換算とはいかない。しかし、体感的には3.5Lのエンジンが生み出す、スポーティに走る時でも十分過ぎる加速能力を持っていることは先に伝えておこう。

さらなる魅力は静粛性と街中での扱い易さだ。走り出した瞬間に、一人で乗っているにも関わらず思わず「静か…」とつぶやいてしまった。エンジンを止めたままモーターだけで走るため音が抑えられているのは当然として、体感としてシットリと滑らかにクルマが前に進むので、思わず出た言葉だ。

しかも、モーターの300Nmという最大トルクは停止している状態からの走り出しから発揮される。回転が上がらないと最大トルクが出せないエンジンとは特性が異なり、そもそもの余裕が違う。名だたる高級サルーンが余裕の加速力でおおらかにゆったりとクルマを走らせるために大排気量のエンジンを積むような効果をイメージしてほしい。

また、バッテリーやモーターを積むため適度な車両重量もあり、路面のうねりをシットリと重厚に越えて行く乗り味を持っている。GS300hは決して安いクルマでは無いが、まさに走り出した瞬間に、1千万円オーバーのクルマで無ければ持ち得ないような高級車の香りがするわけだ。

300hと450h、どちらを選ぶか?

ただしこうした魅力はGS450hにも備わっている。モーターのトルク(力)はGS300hが上だが、エンジン自体の排気量が3.5Lと大きく街中の上質感ではこちらも負けていない。では、何を基準にGS300hと450hを選べば良いのか?

ズバリ…軽快感やハンドリングの気持ちよさを求めるなら、GS300hだ。GS450hが搭載するV6エンジンは重い。エンジンが重くなると、それが搭載されるフロント部がグッと重くなる。これがハンドリングに比較的ノソッとした特性を与えてしまう。

一方、GS300hは軽量な直列4気筒エンジンをフロントに、バッテリーなどをリアシート部に搭載しており、車両重量こそ1.7トンを超えているが、フロント部は比較的軽い。だから気持ちよくクルマが曲がってくれる。街中を走っているときから、高速道路、さらにはスポーティに走ったとき、状況を問わずに素直に意のままに曲がる特性を生む。そしてこれは、誰もが恩恵に授かれるものなのだ。

もちろん「交差点を曲がるときにどの位ハンドルを切るか?」なんて誰も考えない。でも、無意識に操作するハンドルが、ドライバーの意思に限りなく素直に動き、思った通りに曲がる“意のまま感”を生み出し、ハンドル操作を多用する街中でもファントゥドライブが実現されているというわけだ。

しかも、直列4気筒は直列6気筒よりエンジン抵抗が少ないから、エネルギー効率も高い。走行エネルギーを有効活用して燃費を高めるのがハイブリッドだが、そのエネルギーも全てはエンジンが生み出すわけで、どちらが燃費が良いかは説明するまでもないだろう。

高速道路走行が多いなら…

ある意味、GS450hの出る幕がなくなるほどGS300hの完成度は高いが、高速道路を多用するユーザーは熟考が必要だ。GS300hには弱点ともいうべき要素がたった一つだけあって、それは、高速走行時に若干非力感が漂うこと。

絶対的な加速力は必要十分だが、低速走行時がパワフルな分だけ、体感的に高速走行時の登りや追い越し加速でストレスを感じることがあるのだ。

これは、モーターが高速走行を得意としないためで、ハイブリッド車が高速走行ではエンジン主体で走っているためだ。そうなると、自力に勝る排気量3.5Lエンジンを搭載するGS450hが勝るというカラクリだ。しかも、GS450hのモーターはトルクではGS300hに負けるものの、出力は勝る。言い換えれば、高回転型であり高速走行にも順応し易いのだ。

GS300hのハンドリングとGS450hのパワフルさがあったらパーフェクトだが、ハイブリッドの中にも背反性能があるからこそ、ユーザー要求を細かく満たす為にレクサスはGSに2台目のハイブリッドを追加してきたわけだ。

ちなみに、ガソリンエンジン車のGS350も進化していた。組み合わせるトランスミッションを6速から8速に変更することで、エンジンの美味しい回転を使い易くなり、今まで以上にパワフルで扱い易くなっていた。


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