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マクラーレン12Cスパイダー、クーペ同然の走り

2014-3-3 10:30| post: biteme| view: 124| コメント: 0|著者: 文:渡辺 敏史/写真:篠原 晃一

摘要: 腹を括ったマクラーレンの量産スーパーカー カーボンやアルミといったサーキットテクノロジーを大胆に用いたマテリアルで形づくられるのは、ドライバーを中央に座らせる独創的なパッケージ。そこからもたらされるレ ...

マクラーレン12Cスパイダー、クーペ同然の走り

腹を括ったマクラーレンの量産スーパーカー

カーボンやアルミといったサーキットテクノロジーを大胆に用いたマテリアルで形づくられるのは、ドライバーを中央に座らせる独創的なパッケージ。そこからもたらされるレーシングカーも真っ青のエアロダイナミクスで圧倒的なパフォーマンスを御する、そんなコンセプトで90年代の前半に登場した「マクラーレン F1」は、同社初の市販車として注目を集めたものの、妥協なき設計の対価ともいえる当時約1億円という車両価格も災いし、二桁台の販売台数に留まった。が、その後このモデルをベースとしたFIA-GTカテゴリーでのレース活動などもヒストリーに加わり、現在F1の流通相場は当時の5倍以上という驚くほどのプレミアムが乗っている。

12Cは、マクラーレンがそのF1以来となる、開発~生産~販売までを担うスーパーカーだ。が、その時と大きく違うのは、このクルマが量産を前提としてスーパーカービジネスのど真ん中に乗り込んでいることだろう。そのために彼らはレース部門とは別の独立した会社を興し、生産設備に多大な投資もしている。工場を稼働させることで、近隣の雇用も創出する……と、計画ではそこまで言及して風呂敷を広げているのだから、好事家だけを相手にしていた以前とは、腹の括り方が比べられない。

そうして作られる12Cは、もちろん数的な面からしてF1のような伝説にはなり得ない。が、F1との血脈をまったく感じないかといえばそれも違うだろう。むしろ素材・製造技術の進化や量産効果により、F1が達成していたことをプロダクションラインまで落とし込んできたという見方も出来るかもしれない。あるいはそのデザインやレイアウトに、一目置くべき関連性を伺うこともできる。

クーペ同然のボディ剛性を持つ

12Cのみならず、先出のハイブリッドスーパースポーツである「P1」、そして間もなく正式発表となるだろう「650S」と、新しいマクラーレンのクルマ作りにおいて核となっているのが、彼ら曰く「モノセル」という僅か80kgのカーボンタブだ。剛体の中心であるここにアルミ製のサブフレーム等を加えて構成されるシャシーは、屋根板の有無に剛性を依存しない。というわけで、12Cスパイダーは計算上、クーペモデルと同一の剛性ということになる。

実際に、12Cスパイダーのドライブフィールはクーペのそれに限りなく近い。厳密にいえば細かなピッチング系の入力が続くとやや共振感が変わってくるが、大きな入力をいかにいなすかについては屋根が抜けている方がかえって都合がいいのではないかと思わせる丸さがある。

その屋根は分割された2ピースが重なるようにリアコンパートメントに格納される仕組みだが、17秒という開閉速度や30km/hまでは走行中にも開閉可能という使い勝手の良さはいかにも今日的だ。それほど凝ったメカを搭載していながら、クローズド時の不快要素となる内装材の擦れや骨格のガタがほとんど現れないのは、クーペ同然というボディ剛性の証であるとともに、マクラーレンの製造精度の確かさも褒めるべきだろう。

僕が初めてクーペの12Cに乗ったのは2012年の上期だが、プロダクション生産開始のごく初期だっただろうその頃から比較しても、たった1年後に生産された2013年モデルであるこのスパイダーのクオリティは、静的にも動的にも一瞥でわかるほど向上している。

スーパーカーとしてベストと思えるインテリア

そんなマクラーレンの本気、そしてF1との歴史の連続性が伺える、12Cのもっとも端的な箇所はインテリアかもしれない。わざわざ独自のUIを開発し、インフォメーションディスプレイを縦型にすることでセンターコンソールを細く設え、乗員を車体の中央寄りに座らせる。ドライバーはフェンダーの両峰を視界に完全に収めることで、そもそも無駄に大きくない車体を掌の内に収めたような錯覚を覚えるだろう。

ドライビングポジションはステアリングの左右位置を問わず、オフセットは完全に排除。そしてステアリングの径や断面形状のみならず、パドルの操作トラベルやペダル踏力や、果てはウインカーレバーの形状までが、ドライバーの繊細な操作を促すという目的で一致している。今日びポルシェやフェラーリでもここまで徹底して世界観を貫くことは難しいだろう。派手さはないものの、12Cのインテリアはスーパーカーとしてベストだと僕は思っている。

屋根の有無ではまったく動じない

四本のダンパーを相互にリンクさせ、油圧で統合制御する「プロアクティブシャシー」は12Cのもっともイノベーティブな技術といえるだろう。その動きは街中や高速巡航などの低負荷時には恐ろしくしなやかで、それが625psのV8ツインターボを抱えるミッドシップカーであることを微塵も伺わせない。

よく出来たスポーツサルーンのようなライドフィールを実現しながら、速度が高まり負荷が増せば増すほどにグイグイと減衰感が引き締まっていく。が、スタビライザーを廃していることもあり、クルマの動きに唐突な規制感は伴わない。あくまで優雅にとんでもなく速い、さながらシトロエンのアシを持つスーパーカーという様相だ。一方で、エンジンはきっちり仕事は果たすもののサウンドや回転フィールなどにややエキゾチック感が欲しい……という当初からの印象は相変わらず。この辺りは今後の課題だろうか。

クーペに対して性能的な遜色がほぼ無視できるとあらば、スパイダーのニーズが高まるのは当然だろう。現在の売れ筋はこちらに大きく偏っていると聞く。が、12Cの魅力はマクラーレンの完璧主義が乗り移ったかのごとく理路整然としたアーキテクチャーと、それがもたらす走りの精緻さにある。だとすれば、あえてクーペでそのピュアネスを味わうという選択があってもいいだろう。いずれにせよ、このクルマの本質的魅力は屋根の有無ではまったく動じないということである。


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