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ホンダN-VANはアイデア満載の意欲作。Nシリーズ次のターゲットは軽SUVか!?

2018-8-20 07:00| post: biteme| view: 321| コメント: 0|著者: 文:塩見 智/写真:篠原 晃一

摘要: 軽商用車の常識を覆そうとしている ホンダN-VANの試乗会に参加した。VAN(バン)、すなわち商用車だ。車名から想像がつくとおり、N-BOXをはじめとする同社の軽自動車、Nシリーズのニューカマーである。車台をNシリー ...

ホンダN-VANはアイデア満載の意欲作。Nシリーズ次のターゲットは軽SUVか!?

軽商用車の常識を覆そうとしている

ホンダN-VANの試乗会に参加した。VAN(バン)、すなわち商用車だ。車名から想像がつくとおり、N-BOXをはじめとする同社の軽自動車、Nシリーズのニューカマーである。車台をNシリーズと共有する。正確にはシリーズ中唯一フルモデルチェンジして2世代目となったN-BOXの車台をベースに開発された。

軽商用車は一部セダン(軽業界ではなぜかスズキ・アルトなどのハッチバックをセダンと呼ぶ)もあるが、ほとんどはワンボックスのバンとトラックだ。セダンを除く軽商用車の特徴は、エンジンをフロントではなく床下にレイアウトし、後輪(もしくは四輪)を駆動する。フロントにエンジンを置き、前輪(もしくは四輪)を駆動する軽乗用車とは成り立ちが異なる。

というのも、軽商用車は、全長3400mm未満、全幅1480mm未満、全高2000mm未満という限られた寸法の範囲内でどれだけ大きな荷室容量を確保できるかが問われる。そのため乗員を前端に押しやって少しでも荷室の広さを確保するのだ。そして前端に乗員を配置するため、エンジンは床下に押しやられるのだ。また軽商用車は荷物を最大350kg積載する。その状態で坂道発進するには後輪駆動の方が有利。だからこそ乗用車の主流が圧倒的に前輪駆動へと移行しても、わざわざ後輪駆動を採用するのだ。

今回、ホンダはN-VANでこうした軽商用車の常識を覆そうとしている。フロントにエンジンを置き、前輪を駆動するのだ(前輪駆動ベースの四輪駆動もある)。冒頭で書いたように、N-BOXの車台をベースに開発していることからこのレイアウトと駆動方式になる。なぜか? スズキ、ダイハツに大きく水を開けられた軽商用車カテゴリーに、新たに専用の車台を開発して挑むのは得策ではないという判断がひとつ。かててくわえてせっかく大ヒットによって出来の良さが証明されたN-BOXの車台があるのだから、それを商用車にも使わない手はないという判断もあったようだ。

まずはNA。100kgの重し搭載でも活発

N-VANはG、L、+スタイルファン、+スタイルクールの4グレードからなる。G、Lはボディカラーが白とシルバーの2種類のみで装備も必要最小限、エンジンはNAのみのいわゆるマジのやつというかプロ仕様。+スタイルファンと+スタイルクールはボディカラーが7種類用意され、エンジンはターボとNAから選ぶことができ、装備も充実した貨客両用の仕様だ。ファンとクールの違いはルーフの高さ。G、L、+スタイルファンがハイルーフなのに対し、+スタイルクールはロールーフとなる。

試乗はまずNAの+スタイルクール(FWD)から。頻繁な乗降に対する配慮として、屈み込むわけでもよじ登るわけでもなく、立った状態から運転席へ向けて身体をスライドすれば自然に腰掛けることができる座面高となっている。座面が平べったいのも頻繁な乗降に対する配慮だとか。その分背もたれをややバケット状にすることでサポート性を確保している。眼前に広がるインパネは水平基調でシンプルなデザインだ。N-BOXより質素だが、シフトレバー、エアコンの操作パネルや吹き出し口などの位置が共通することからベースは同じだとわかる。

当然といえば当然なのかもしれないが、乗った印象はN-BOXに近い。ただクルマ全体の遮音材の量が違うのだろう、N-BOXに比べると遠慮なくエンジン音が聞こえてくる。乗り心地自体は定評あるN-BOXのそれに近く快適だ。この試乗車にはラゲッジスペースに100kgのバラストが搭載されていたが、それでも街中を活発に走ることができた。荷物を載せたときのほうが乗り心地がよいというのは商用車あるあるだ。試乗に際して、多少力強さを失ってでも乗り心地を優先させたのかもしれない。ともあれ、痛痒なく走らせることができた。CVTのシームレスな加速も健在。

操作しがいのあるMT。高速道路を多用する人はターボを

次に短時間のみ試乗の機会を得たのが、ベーシックなL(FWD)の6MT仕様。N-VANはS660のMTを流用したため(軽自動車用のMTが他に存在しない)、5MTではなく6MTが備わるのだ。シフトレバーが短く、レバーのストローク(移動量)も短い。それでいて操作感はけっこう手応えがあり、操作しがいのあるMTだ。最高出力53ps、最大トルク6.5kgmという限られたパワーを、積極的にギアチェンジを繰り返すことでカバーするのは純粋に楽しい作業だった。MTは各グレードのNAエンジン車にしか設定されない。ターボエンジンのN-VANをMTで操ってみたいと思わないでもない。

最後に試乗したのはターボの+スタイルファン(FWD)。ガーデングリーン・メタリックという淡い緑のボディカラーをひと目見て気に入った(※写真50枚目に掲載)。カーナビなしで166万8600円(テスト車は170万7480円)と軽商用車とは思えないほど高価格だが、さすがはターボ、余裕がある。アクセルを深く踏み込まなくてもほとんどの走行シーンをカバーすることができた。高速道路を多用する人はターボ車を選ぶべし。JC08モード燃費は23.6km/LとNAと0.2km/Lしか違わない。

助手席ダイブダウンなどでライバルと互角の積載性を確保

床下エンジン、後輪駆動のライバルに比べ、最も違うのが荷室だ。N-VANの2名乗車時の荷室長は1510mmと、例えばスズキ・エブリイのそれ(1910mm)に対して400mm短い。N-VANはフロントにエンジンがあり、その後ろに乗員が乗り、その後ろが荷室なのでどうしても短くなる。いっぽうN-VANの荷室高は1365mmと、1240mmのエブリイに対し125mm高い(ハイルーフ同士の比較)。これはN-VANの床下にエンジンがないので荷室床面地上高が525mmとエブリイの650mmよりも低いからだ。荷室幅はN-VAN1390mm、エブリイ1385mmとほぼ一緒。要するにN-VANの荷室は前後に短く天地に広い。

しかし荷室長は軽商用車の命ともいうべきスペックだ。軽商用車業界では昔から建築資材であるサブロク(910mm×1820mm)のコンパネ(コンポジットパネルの略。コンクリート型枠用のベニア合板)が入るかどうかという使い勝手の基準が存在するという。荷室長が1900mm台のエブリイやハイゼットカーゴの荷室にはこれを平置きできるが、1500mm台のN-VANにはできない。

これを解決すべく、開発陣は助手席の背もたれを前へ倒せるだけでなく、席全体をダイブダウンさせて荷室床面と段差のない状態をつくりだすことができるようにした。運転席以外はフラットな床面というわけだ。これを利用すれば最長で2635mmの長尺物を積載可能。サブロクコンパネを平置きすることはできなくても、立てて置くことができるようにした。

と同時に、サイドからも長尺物を出し入れできるよう、センターピラーをなくし、助手席ドアとリアスライドドアを開けた状態で最大1580mmの幅の開口部を実現した。助手席ドア後端とリアスライドドア前端に強度をもたせることで、閉めた状態であれば剛性が確保されるようになっている。少なくとも走行中に左右の剛性差を感じることはなかった。

エブリイやダイハツ・ハイゼットカーゴも助手席の背もたれを倒すことはでき、N-VAN同様の長尺物を積載可能だが、助手席自体を格納することはできないので、例えばバイクを積載しようと思うとN-VAN一択になる。N-VANはさまざまなアイデアを盛り込み、互角の積載性を確保した。ライバルのどちらの荷室が使いやすいかは用途による。

Nシリーズ次のターゲットは軽SUVか

近頃は軽商用車にも衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進安全装備が備わるようになったが、N-VANはACC(全車速対応ではない)が備わる唯一の軽商用車だ。高速道路を多用する場合には疲労低減に役立つはずだ。

N-VANは意欲作だ。荷室形状が特殊なのですべての人に向いているとは言えないが、少なくとも運転席の乗り心地は過去に乗ったどの軽商用車よりもよかった。ただし、あくまで運転席の話。リアシートは平坦な板の組み合わせだし、助手席もダイブダウンを実現するため、運転席に比べずいぶん簡素なつくりになっている。長時間座らされるのは遠慮したい。あくまで商用車だから運転手と荷物のためのクルマだというのは強調しておきたい。家族を乗せるなら、快適性の面からも安全性の面からも、迷わずN-BOXをオススメする。

それにしてもとうとう軽商用車にまで進出したNシリーズ。残るターゲットはスズキ・ハスラー、すなわち軽SUVか。1998年から短期間販売されたカルト軽の2代目Z(ミッドシップ4WD)を思い出す。あれは実験的すぎて売れなかったが、今のホンダには打ち出の小槌であるNの車台があるから面白いのができるのではないか。車名はN-CROSSでどうだろう。

スペック例

【 N-VAN +スタイルファン ホンダセンシング 】
全長×全幅×全高=3395×1475×1945mm
ホイールベース=2520mm
車両重量=960kg
駆動方式=FF
エンジン=658cc直列3気筒DOHC
最高出力=39kW(53ps)/6800rpm
最大トルク=64Nm(6.5kg-m)/4800rpm
トランスミッション=CVT
使用燃料=レギュラーガソリン
JC08モード燃費=23.8km/L
サスペンション=前:マクファーソン式、後:車軸式
タイヤサイズ=前後:145/80R12
車両本体価格=156万600円


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