パスワード再発行
 立即注册
検索

シリーズ第5弾、ホンダS660モデューロXが意識したのは初代NSXのタイプS

2018-8-2 07:00| post: biteme| view: 166| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:小林 俊樹

摘要: これまでのモデューロとはひと味違う マツダ ロードスターの復活と共に、ニッポンのクルマ好きを騒がせたあのデビューからはや3年。ホンダが誇るマイクロスポーツカー「S660」に、待望のメーカー純正コンプリートカ ...

シリーズ第5弾、ホンダS660モデューロXが意識したのは初代NSXのタイプS

これまでのモデューロとはひと味違う

マツダ ロードスターの復活と共に、ニッポンのクルマ好きを騒がせたあのデビューからはや3年。ホンダが誇るマイクロスポーツカー「S660」に、待望のメーカー純正コンプリートカーが登場した。その名は「S660 モデューロ X」。ホンダの純正アクセサリーメーカーであるホンダアクセスが仕立て上げた、モデューロ Xシリーズとしては5台目のモデルである。

モデューロがホンダユーザーの間で大きな信頼を得ている理由は、まずメーカー直系ブランドとしての安心感があること。そして、その高いクオリティや快適な乗り心地を極めて現実的な価格で手に入れることができるからであろう。

ただその反面、より本格的な高性能モデルとしてモデューロを見ると、NISMOやSTIのようなある種尖った存在がこれまでなかった。だから走りにこだわるユーザーにとっては、無限が「本気担当」、モデューロは「快適担当」のように映っていたのではないかと思う。

だがしかし! このS660 モデューロ Xはひと味違う。いや正確に言えば、アクセス自身はなんらこれまでと変わらぬスタイルでS660を仕立てたはずだ。しかし結果的にS660 モデューロ Xは、彼らが一番大切にしている「質感」を基本に置いた上で、高次元の走りを実現したスポーツカーへと仕上がっていたのである。

スプリングレートを高めても硬さを感じない

S660 モデューロ Xで一番特徴的なのは、その乗り心地だ。のっけから乗り心地なんていうと「あぁ、やっぱり快適仕様か」と思うかもしれないが、ちょっとだけ話につきあって欲しい。当日はノーマルのS660(基準車)との比較試乗ができたのだが、その違いは走り出した瞬間から明確にわかる。モデューロ Xはサスペンションの縮み側に張り感があり、路面からの入力をグッと支えてくれる。そして段差を乗り越えたあとにちょっとバウンスするような感じで、ショックを和らげてくれるのだ。

対して基準車はこの縮み側のコンプレッションが少なく、段差を乗り越えるときにサスが“スッ”と縮む。ここまで聞いていると基準車の方が乗り心地は良さそうに思うだろうが、違いはここから。こちらはタイヤが路面に着地するときに“ドスッ”と落ちるのだ。別に基準車の乗り心地が、とりわけ悪いというのではない。むしろスポーツカーとしては良い部類に入るだろう。言い換えればモデューロ Xは、基準車よりも「さらに乗り心地がよい」のである。

これはセッティングに対する考え方の違いだと思う。基準車のセットは車体にGが掛かったときの車輌姿勢をダンパーの伸び側で主にコントロールしているのだ。縮み側を固めない分乗り心地は良く、しかもブレーキングやコーナリングでは車体が浮き上がらないから、路面に吸い付くように走ることができる。これはサーキットを走るツーリングカー的なセッティングで、まさにホンダのイメージそのままだと言える。

逆にモデューロ Xは体感的にはダンパーの伸び・縮み側を均等に高めており(実際の減衰力配分はまた別だろう)、足回りの動き方がナチュラル。基準車と比べると大げさに言えばラリー車のような、箱のクルマとして自然な動きをしてくれる。だからドライバーは乗りやすさを感じ、これが乗り心地の良さへとつながっているのだ。

ちなみにそんなモデューロ Xの足回りは、基準車よりも高いスプリングレートを採用している。それなのに乗り心地を硬いと感じないのは、まずS660のボディ剛性が非常に高いことがひとつ。そしてモデューロ Xの選んだレートが絶妙であり、伸縮に均等感のあるダンパーがスプリングを跳ねさせることなく、しっかりコントロールしているからだと思われる。

一段上のインフォメーションが乗り心地の良さと楽しさをもたらす

試乗当日はひどい雨だった。しかしモデューロ Xは、5段階調整式ダンパーの減衰力が一番強い状態でも、突っ張ることも跳ねることもなくワインディングを駆け回った。もともとS660はミドシップという特性上リアのトラクション性能が高い。だから基準車でもこうした厳しい路面状況を安心して走ることができるのだが、モデューロ Xはそこからさらに一段上のインフォメーションをドライバーに与えてくる。

具体的には路面からの入力をしっかりと受け止めながら減衰。ブレーキングではフロント荷重の少ないタイヤをロックさせるようなそぶりもなく上手に押しつけ、スムーズにターンモードへと入ってくれる。その際、路面の凹凸や、それこそ落ちた木々、ちらばった砂利などがもたらす不快な微振動がしっかりダンパーで吸収され、タイヤのグリップ感だけが高くステアリングへと伝わってくる。この気持ちよさが結果的に、“乗り心地の良さ”としてドライバーに捉えられるのだと思う。

またコーナリングでは姿勢変化がゆっくりと連続的に捉えられるから、ドライバーは確実に自分の行きたい方向を見定めることができる。結果として、自信を持ってアクセルを踏み込むポイントを見定めることができ、速く走れる。そしてクルマと対話しながらこの精度を高めて行く行為そのものが楽しくなるのである。ただ5段階だとややバウンス側の圧が高く感じられ、これを前後3段に揃えて試乗しなおすと、今回の状況ではさらにその乗り心地がピタッと収まった。

空力効果により高速安定性はすこぶる高い

驚いたのはこのサスペンションが、既に販売されているモデューロの仕様とほぼ変わらないということだった。しかしそこからモデューロ Xがワンランク上の操縦安定性を得ることができたのは、空力性能のおかげなのだという。

モデューロ開発陣によれば基準車の前後リフトバランスは若干前下がりであり、これによってフロントに荷重が掛かりにくいS660の回頭性を上げているという。しかしより高い速度域でS660を走らせたいとなるとこのバランスは若干ナーバスで、モデューロ Xは足回りでその旋回性能を上げた分だけ、空力パーツによってこれを前後均等方向へと仕立て直したというのである。

フロントバンパーから取り込んだ空気はアンダーカバーのフィンによって清流され、車体後部まで流れて行く。車体上部では可変式リアウイングに付けた小さなガーニーフラップが、ウイング効果を引き立たせてリアのバランスを取ってくれる。細かいところでいうとフロントバンパーの形状は、転舵時にタイヤに空気が当たってドラッグが発生するのを防ぐよう、空気の流れが外側に行くように作られているというこだわりっぷりである。

その効果はもちろんワインディングでも現れているのだろうが、もっと広いコーナーで力を発揮するとボクは感じた。空力効果は目に見えるものではないが、モデューロ Xの高速安定性はすこぶる高かったのだ。もちろんS660がたったの64psしかない軽自動車であるということもあるけれど、雨の中で交通の流れをリードしても、余裕をもって走り続けることができた。進路変更や緩やかなカーブでも、安心してハンドルを切り、しっかりアクセルを踏み続けることができたのである。

これだけシャシー性能が高いと、150馬力くらい欲しくなってしまう。試乗を終えてその感想を上気しながら伝えると、開発陣の一人が教えてくれた。もちろん彼らにはチューンドエンジンの予定はなく、オフィシャルにはそういった要望に応えることはできないが、そうしたユーザーも想定して、このシャシーは開発されているのだと。

意識したのは初代NSXのタイプS

ボクはこのS660 モデューロ Xに、欧州車にも負けない走りの愉しさと安定性を感じた。駆動方式はまったくの逆だが、フォルクスワーゲン ポロGTIの安定性があり、同じミドシップとしてはルノー トゥインゴGTにも負けない楽しさがあると思った。だからベンチマークは何だったのか? という質問もしてみたが、その答えもまた痛快だった。「ライバルというのは特に想定していないのですが、意識したのは初代NSXのタイプSですね」というのである。

標準モデルで200万円を超えるS660は、軽自動車として考えると破格だ。しかもモデューロXとなると、オプション内容を考えれば十分以上に安いのだが、そのプライスは約285万円にまで跳ね上がる。しかし言おう。このクルマは軽自動車として考えない方がいい。これはホンダが作った、一番小さなスポーツカーである。そしてこうした走りが、ライトウェイトスポーツカーの伝説的な存在であるロータス エリーゼの約半額で手に入るとなれば、その価値は十分にわかるだろう。

もしボクがこのS660 モデューロ Xを手に入れたなら、間違いなくエンジンパワーを上げるだろう。いや、イナーシャが大きいステアリングを小径にして、トコトン走り込んでみるか。何にせよそんな風にあれやこれやと考えながら細かく手を入れて、ずーっと、ずーっとそばに置いておくのではないかと思う。

スペック

【 S660 モデューロ X(MT) 】
全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm
ホイールベース=2285mm
車両重量=830kg
駆動方式=MR
エンジン=658cc直列3気筒DOHCターボ
最高出力=47kW(64ps)/6000rpm
最大トルク=104Nm(10.6kg-m)/2600rpm
トランスミッション=6速MT
使用燃料=レギュラーガソリン
サスペンション=前後:マクファーソン式
タイヤサイズ=前:165/55R15、後:195/45R16
車両本体価格=285万120円


さようなら

なるほど

共感した

ありがとう

相关分类

Archiver|携带版|BiteMe バイトミー

GMT+9, 2025-1-23 12:52 , Processed in 0.134074 second(s), 17 queries .

Powered by Discuz! X3.5

© 2001-2025 BiteMe.jp .

返回顶部