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異例の大改良でプレミアム領域に迫った新アテンザ。その背景も気になる

2018-7-17 07:00| post: biteme| view: 451| コメント: 0|著者: 文:岡崎 五朗/写真:望月 浩彦

摘要: なぜ6年越しのアテンザに異例の大改良をしたのか? いやはや、驚いた。今回のアテンザの大幅商品改良にマツダが投じた資金は、「CX-5」のフルモデルチェンジに要した資金を上回るという。改良ポイントは無数にあるが ...

異例の大改良でプレミアム領域に迫った新アテンザ。その背景も気になる

なぜ6年越しのアテンザに異例の大改良をしたのか?

いやはや、驚いた。今回のアテンザの大幅商品改良にマツダが投じた資金は、「CX-5」のフルモデルチェンジに要した資金を上回るという。改良ポイントは無数にあるが、象徴的なのはフロアパネルの板厚アップだ。従来0.6mmだった厚みを一気に1mmまで増した。最近のマツダは「作りっぱなし」ではなく、商品を着実に改良し育てていく手法をとっているから、ある程度のことなら驚かない。「CX-3」も先日の商品改良でドアアウターパネルの板厚を0.65mmから0.7mmに増してきた。しかし0.05mmアップと0.4mmアップでは桁が違う。0.05mm増なら同じ金型を使えるし、コストと重量の増加も微々たるものだ。しかし0.4mm増ともなるとコストも重量も跳ね上がるし、数千万円はするプレス機の金型も作り直す必要がある。また、今回は投資が嵩むインテリアの大物パーツにも改良の手を加えている。結果として、CX-5のフルモデルチェンジより高く付く商品改良になったというわけだ。

モデルライフの途中でこのような大規模な改良を加えるのは異例中の異例である。いったい何がマツダにそうさせたのか? 「フラッグシップの名に恥じない魅力を与えること」というのがマツダの説明だ。たしかにその通りなんだろうなと思う一方、どこか釈然としない。現行アテンザがデビューしたのは2012年。6年経ったのだから、そろそろフルモデルチェンジをしてもおかしくないし、これほどの投資をするのなら、いっそのことフルモデルチェンジしてしまってもよかったのに? とも思える。

ここから先は僕の推測だが、マツダにはアテンザをいまこのタイミングでフルモデルチェンジできない事情があったのではないか。いまフルモデルチェンジをしたら最低でも5~6年は作り続ける必要がある。そうなると、2020年頃と噂される直6エンジン搭載の新型FRセダン(次期アテンザ?)とバッティングしてしまう。現段階においてFRセダンの開発は噂に過ぎないが、今回のアテンザの常識破りの大幅改良によって、噂の信憑性はますます高まったと言っていいだろう。

存在感と上質感が増した外観

直6FRなどと聞くと心穏やかでなくなる人も多いと思うが、それはまだ先の話。いま売っているモデルをレームダック化させることなく、全力を傾けて着実に進化させてくるあたりにマツダの真面目さが現れている。アテンザの日本での販売見込みはセダンとワゴン合わせて年間わずか6000台にすぎない。だが、グローバルでは約15万台売れているし、仮に次期モデルがさらなるプレミアム化を果たすのであれば、たとえ投資額は嵩んでもイメージを高く保っておく必要がある、という判断があったのだろう。もちろん、投資を最小限に抑えた小改良でお茶を濁すこともできたし、普通のメーカーならそうしたはずだ。しかし広島にあるこの小さなメーカーは、改善の余地があるのに手をつけないのが許せないのだろう。つくづくマツダというメーカーは真面目で頑固だと思う。

そんなこんなで何から何まで変わったアテンザだが、比較的控えめな改良に留まっているのが外観だ。とはいえ、グリル、ヘッドライト、前後バンパー、トランクリッド(セダン)まで新しくなっているのだから、控えめな改良という表現は適当ではないのかもしれない。事実、1台だけだとわかりにくいが、新旧2台並べると、存在感と上質感がより増していることがわかる。初期モデルと比べればまるで車格が1ランク上がったような印象すらある。これで90度折り(L字状)になっているフェンダーフランジの加工を180度折りにすれば、タイヤとホイールアーチのすき間が詰まってさらにカッコよくなるだろう。

全面改良のインテリアは本物感、センスのよさが漂う

インテリアはほぼ全面改良だ。キャリーオーバーしたのはステアリングホイールぐらいで、あとはほとんど新しい。インパネ、ドアパネル、シートという3大パーツは新設計だし、タッチスクリーン式ディスプレイは大型化、液晶メーターも新たに採用した。細かいところではルームミラーも美しいベゼルレスタイプに変わっている。その他、ナッパレザーを使った新型シートや、栓の木(せんのき)を使ったセンスのいいウッドパネルも素敵だった。

注目したいのは自動車用としては世界初採用となる「ウルトラスエード ヌー」。ドアとダッシュボードに使われている。同じ東レが製造するアルカンターラと比べると毛足が短く、光沢があるのが特徴で、今後様々なクルマに使われるだろう。

このように数多くのパーツが変更されているわけだが、いちばん伝えたいのはそれらが渾然一体となって生みだす上質な雰囲気だ。ギラギラの高級感ではなく、素材の質感や繊細な仕上げによる本物感、センスのよさ。クルマに限らず、いいモノを肌感覚で知っている人も満足できるインテリアに仕上がっている。残った課題はインフォテインメント。画面は大型化したものの、解像度やスクロールスピードなどに旧世代感が残るシステムがアップデートされれば言うことなしだ。

すべてに気持ちよさを感じる走りでプレミアム領域へ

まずは急速多段燃焼技術を採り入れた新しい2.2Lディーゼルを積むセダンで横浜の街へと繰り出した。アイドリング時のガラガラ音はそれなりに聞こえてくるものの、不快なほどではない。窓を閉めてしまえばほとんど気にならないレベルだ。もちろん、アイドリングストップが作動すれば騒音はゼロ。始動時の「ブルン」も低く抑えている。ボディの板厚アップや内装材の改良によって静粛性を引き上げたこともはっきりと体感できる。

ただし加速時のエンジン音はやや大きめだ。速度が上がってくればタイヤノイズや風音によってマスキングされてしまうが、低速域でアクセルを踏み込むとエンジン音が明確に聞こえてくる。このあたりはガソリンエンジンに軍配があがる。とはいえ低回転域から沸き上がるように出てくる分厚いトルクには捨てがたい魅力がある。たとえ450Nmという最大トルクを使い切らなくても、余裕のトルクはキックダウンの減少や思い通りの加速やアクセルを踏む量の減少につながり、結果として上質感のある走り味につながる。

上質感と言えば、足回りの進化も大きい。ボディ剛性の向上、サスペンションの改良に加え、ステアリング系にも手を加えることで、乗り心地、静粛性、直進安定性、コーナリング性能と、すべての領域で気持ちよさ、上質感を増している。なかでも見違えるほどよくなったのがロードノイズの抑え込みだ。従来はザラついた路面を走るとザーとかゴーという音が車内にこもりがちだったが、新型はそれがちょっとビックリするほど小さくなっている。凹凸を乗り越えたときに伝わってくる衝撃も一段とマイルドになった。路面によってはタイヤがちょっとブルつくケースもあるが、トータルとしては相当優秀な仕上がりで、ついにプレミアムカーの領域に片足を突っ込んできたと評価したい。

今回はワインディングロードを走る機会はなかったが、それでもハンドリング性能の向上をはっきりと体感できた。もっとも印象的だったのは操舵フィールの向上だ。従来はステアリングの中立付近にわずかなフリクションがあり、しかも切り込んでいったときのクルマの動きに曖昧さがあった。新型はそのあたりがきれいに整えられ、スムースな操舵フィールとリニアな効きになっている。それによる恩恵は都市高速のカーブを一発曲がれば「スッと気持ちよく、思い通りのラインに乗せられる」というメリットとして伝わってくる。従来モデルのオーナーが乗ったら軽く嫉妬を覚えるだろう。高速直進時のステアリングの座りもよくなった。

車高の高いクルマでは味わえない魅力がはっきりとある

次に乗ったのは2.5Lガソリンエンジンを積むワゴン。セダンと比べて全長が60mm、ホイールベースが80mm短く、車重もやや軽いのだが、フットワークの印象としてはワゴンのほうがしなやかだった。ただしこれは開発側が意図したものではなく、重量、前後重量配分、ボディ剛性などのバランス違いが微妙に作用したものだろうとのことだった。

それ以上に違うのはやはりエンジンで、全体的な静粛性と、上まで回したときの伸びにはディーゼルにはないメリットを感じる。最高出力はディーゼルと同じ190psを発生。最大トルクは252Nmにとどまるが、それでも普通に乗っていてトルク不足を感じることはない。このエンジンには気筒休止機構が採用され、低負荷走行時には2気筒への燃料供給を止め燃費を稼いでいる。細かな制御によって2気筒運転への移行と4気筒運転への復帰はスムースに行われ、かつインジケーターも付いていないので、いつ気筒休止したか体感するのは難しい。しかしアクセルの踏み込み量が少ない一定速走行時など、状況によっては約5%の燃費向上を期待できるという。WLTCモード燃費はディーゼルの17.8km/Lに対して14.2km/L。さほど距離が伸びない人ならガソリンエンジンを選ぶ価値はある。

夜間の歩行者検知機能強化など、さらに進化した先進安全機能を搭載しているが、実用面で嬉しいのがアダプティブクルーズコントロールの全車速対応化。お盆やGWの大渋滞でストレスフリーの走行ができるのは大きな進化だ。

今回アテンザに乗って思ったのは、セダン&ワゴンはやっぱりいいなということ。SUVもいいけれど、低めの位置に座り、路面をなめるように走る感覚は車高の高いクルマでは味わえない。今回の改良で走りに磨きをかけたことで、そんな魅力をよりはっきり感じられるようになった。「SUVシフトとはいえ、輸入車はセダンもワゴンも売れている。この状況をどうにかしなくてはいけません。そこでセダン&ワゴンの本質的価値を問い直し、運転したい、所有したいと思っていただけるような商品を目指して改良を加えました」。これは開発責任者、脇家 満さんの言葉。そして新型アテンザは、まさにその通りのクルマに仕上がっていた。

スペック

【 アテンザ XD Lパッケージ(セダン/6AT) 】
全長×全幅×全高=4865×1840×1450mm
ホイールベース=2830mm
車両重量=1670kg
駆動方式=4WD
エンジン=2.2リッター直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ
最高出力=140kW(190ps)/4500rpm
最大トルク=450Nm(45.9kg-m)/2000rpm
トランスミッション=6速AT
使用燃料=軽油
サスペンション=前:マクファーソンストラット式、後:マルチリンク式
タイヤサイズ=225/45R19
WLTCモード燃費=17.0km/L
車両本体価格=419万400円

【 アテンザ 25S Lパッケージ(ワゴン/6AT) 】
全長×全幅×全高=4805×1840×1480mm
ホイールベース=2750mm
車両重量=1560kg
駆動方式=FF
エンジン=2.5リッター直列4気筒DOHC直噴
最高出力=140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク=252Nm(25.7kg-m)/4000rpm
トランスミッション=6速AT
使用燃料=レギュラーガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット式、後:マルチリンク式
タイヤサイズ=225/45R19
WLTCモード燃費=14.2km/L
車両本体価格=354万2400円


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