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レクサス最小の新型クロスオーバーUXに初試乗。期待の走りはどうだった?

2018-9-12 16:00| post: biteme| view: 486| コメント: 0|著者: 文:石井 昌道/写真:トヨタ自動車

摘要: ファミリーの序列に属さないゼロベース開発 ジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアとなったレクサスUXは、成長著しいコンパクト・クロスオーバーSUVとして大きな注目を浴びた。ただ、NXとはずいぶんと近しい ...

レクサス最小の新型クロスオーバーUXに初試乗。期待の走りはどうだった?

ファミリーの序列に属さないゼロベース開発

ジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアとなったレクサスUXは、成長著しいコンパクト・クロスオーバーSUVとして大きな注目を浴びた。ただ、NXとはずいぶんと近しい存在に思え、どういった立ち位置なのかがわかりづらくもあった。

レクサスにはLX、RX、NXのSUVがラインアップされており、これらはジャーマン・プレミアム的に大・中・小のヒエラルキーが確立されたファミリーだが、UXはそれとはちょっと違うようだ。“U”はUrbanを意味し、現在の都市生活者に最適なパッケージや乗り味、質感などをゼロベースで考えた末に行き着いたという。レクサスとしては新たなクロスオーバーと表現しており、SUVとは謳っていない。

これまで、都市生活者の小粋なアシと言えば、プレミアム・ブランドのCセグメント・ハッチバックあたりが主流だったが、時代とともに少しSUV寄りになったと見るべきだろう。一部でCTの後継車種では? と囁かれたのもそんな背景があるからだ。ちなみにUXの登場に伴ってCTが消滅するということはなく、これからも販売されていく。

今年日本に上陸した輸入車だけを見ても、ボルボXC40にBMW X2、ジャガーE-PACE、DS7クロスバックとCセグメントのクロスオーバーは百花繚乱の状態。ゼロベースで考えたUXが、時流のど真ん中にはまったことは確かであり、読みはズバリと的中したと言える。

遊び心のあるデザインと機能的な裏付けを融合

レクサスSUVのヒエラルキーに属していないとはいえ、サイズ感を掴むためにあえてNX と比較してみたい。全長×全幅×全高は4495×1840×1520(シャークフィンアンテナ装着車は1540)mm。4640×1845×1645mmのNXに対して、全長は145mm短く、全幅は5mm狭く、全高は125mm低い。一回りコンパクトと言えるが、見た目の存在感は逆に強くさえ思える。ほぼ同じ全幅ながらグッと低く構えた姿はワイド&ロー感が強調されるからだ。

また各ディテールに凝っているのも見所だ。前方は丸く、後方は角張ったホイールアーチモールは、空気の流れをコントロールしてロール方向の挙動を抑える効果があるという。リヤコンビランプ周辺も複雑でユニークなカタチをしているが、これも整流効果があり、リヤの挙動を安定させるという。その効果がどれほどのものなのか定かではないが、遊び心のあるデザインと機能的な裏付けの融合がUXの表現を豊かにしている。

GA-C(グローバル・アーキテクチャー・Cプラットフォーム)を採用しているが、これはプリウスやC-HRと基本は同様。だが、レクサスとして動的質感を高めるべく、従来のスポット溶接よりも間隔を短く集中できるLSW(レーザー・スクリュー・ウェルディング)や構造用接着剤の使用部位の大幅拡大、ドア開口部の環状構造などで徹底的に高剛性化に取り組んでいる。

また、ドアやフェンダー、ボンネットはアルミ、バックドアは樹脂などとして軽量化も図られた。パワートレーンなどの主要ユニットをなるべく低く配置するのは同プラットフォームの基本であり、UXも低重心に仕上がっている。

NA、ハイブリッドとも量産車最高クラスの熱効率

ガソリン車のUX200とハイブリッド車のUX250hがラインアップされるが、パワートレーンはどちらも新世代。UX200の2.0L直噴NAエンジンはトヨタ・ブランドではダイナミックフォース・エンジンと呼んでいるもので、吸気ポートに工夫がなされて空気がストレートにシリンダーへ送り込まれ、強いタンブルによって高速燃焼を可能にしている。吸気バルブシートに採用されるレーザークラッドバルブシートは古くからレーシングカーなどでは採用されてきたが、難しいとされる量産化を実現したことに他のメーカーも羨望の眼差しを向けている。

組み合わされるミッションはダイレクトシフトCVT。通常のプーリーとベルトに加え発進用ギアを持たせたことで、ベルト効率の悪いロー側での伝達効率の向上、ワイドレンジ化、変速追従性などを実現。一般的なCVTに対して、効率もダイレクト感も進化している。

UX250hのエンジンも基本的には同じ。熱効率はUX200が40%、UX250hが41%と量産車最高クラスを誇っている。その数字はピーク値だが、俗に目玉と言われる高効率な領域も従来型エンジンに対して大幅に拡げられている。

使いやすく設計されたコクピットだがディスプレイだけが惜しい

UXのコクピットに収まってみると、ヒップポイントは思いのほか低めだった。セダンやハッチバックよりは少し高くて見晴らしがいいが、スポーティな走りに対応するドライビング・ポジションをとることができる。

インテリアは“守られているような安心感のある強さ”と“抜けの良さ”という、相反する要素を両立させたとのことだが、たしかに包まれ感がありながら、視界が良くてスッキリしている。Aピラー付け根とドアミラーが離れて配置されているので右左折のときに歩行者や自転車がよく見える。

人間中心に考え抜いたというコクピットは確かに使いやすそうだ。最近のクルマはスイッチ類が多く、ドライバーからはステアリングの陰になってのぞき込まないと何のスイッチかわからないこともあるが、UXは普通の姿勢のままですべてがわかる。

一つだけ惜しいと思ったのは、カーナビが映し出される中央のディスプレイの天地が短いため、地図があまり見やすくないことだ。とくにヘディングアップにしていると、向かう先の道がちょっとしか映されていないことになる。プリウスPHVの縦型ディスプレイなどが理想的。そこまでとは言わないが、今どきのスマートフォンのようにディスプレイの際まで目一杯表示するようベゼルレス化すればだいぶ良くなりそうではある。

心地いいシフト感が得られるCVTは好印象

UX200の発進はたしかにダイレクトな感覚があった。少々強めにアクセルを踏み込むと、レスポンスよくグッと背中が押されて、軽やかに加速していく。NAエンジンとしては低回転域のトルクもまずまず充実していて良く走る。

試乗したF SPORTにはアクティブサウンドコントロールが採用されていて、アクセルを強く踏み込んでいけば勇ましいサウンドとなる。それほど音量が大きくはなく、あくまで上品な範囲だが、5000rpmあたりからグーンと力強く伸びていく感覚が心地いい。

スポーティに走らせていると有段ギアのようにステップ制御となり、6700rpmでシフトアップして5200rpmに落ちてまた伸びていく。こういった制御は他のCVTでもみられるが、アクセル全開時のシフトアップでは、前後に揺さぶられるような不快な動きに繋がることが多い。だが、ダイレクトシフトCVTは、心地いいシフト感を伴いながらまったくいやな動きがない。発進用ギアの採用によってベルトやプーリーの小型化に成功し、シフトアップの質感もあげられたのだ。もともとCVTのフィーリングはあまり好きではなかったが、これなら不満はほとんどない。

NAよりもフル加速が鋭いハイブリッド。キビキビした走りにも驚き

UX250hもハイブリッドとしてはかなり好感触だった。ダイナミックフォース・エンジンは高効率なだけではなく、レスポンスの良さが実感できるのが魅力。従来のトヨタ/レクサスのハイブリッドカーは、アクセルを踏み込んでから望みのトルクが出てくるまでの間が大きかったが、このエンジンと組み合わせるとそんな不満が解消される。

モーターのアシストも素早くなっているようで、下手なエンジン車よりもキビキビと走るぐらいだ。強めの加速時でも、エンジン回転数が先行する、いわゆるラバーバンドフィールは抑えられていてほとんど気にならない。基本は同じエンジンにモーターが加わることもあって、フル加速はUX200よりも鋭く頼もしい。燃費やモーター走行の静かさだけではなく、走りの良さもハイブリッドカーを選択する魅力になったのだ。

UXは静粛性にも力を入れているという。だが、確かにエンジンルームからの音の侵入は少なく、風切り音も抑えられているが、ロードノイズは目立つこともある。綺麗な路面からザラザラとした舗装にかわったときなどにゴー、ガーという音が目立つのだ。絶対的な音量はかなり低いのだが、静かにすればするほど、今まで気にならなかった音が耳につくこともあるから不思議。静粛性はバランスとの戦いでもあるのだろう。

ワインディングでは、ほとんどハッチバックとかわらない俊敏な走りをみせた。そこにはまったくSUV 的な要素はなく、コーナーへ向けてステアリングを切り込めば、じつに素直な感覚で旋回していく。サスペンションの動きがスムーズでステアリングフィールもガッツリとダイレクトというわけではないので、ことさらにスポーティさを強調している雰囲気ではないが、低重心な資質の良さが活きていてロールが少なく安定した姿勢でコーナーを駆け抜けていく。街中や高速道路では優しい乗り心地だったのに、これだけキビキビと走れてしまうことにはちょっとした驚きを覚えた。

都市生活者に最適なモビリティを目指したというUXは、ライフスタイル重視の洒落たモデルではあるが、新世代のパワートレーンとプラットフォームの高いポテンシャルをいかして、最近のレクサスが標榜するスッキリと奥深い走りにも磨きをかけていた。都市部で扱いやすいというだけではなく、週末は遠くまで走りに行きたくなるモデルでもあるのだ。日本での発売予定は今年11月末となっている。

スペック

【 UX200 】
全長×全幅×全高=4495×1840×1520mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1460-1540kg
駆動方式=FF
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC直噴
最高出力=126kW(171ps)/6600rpm
最大トルク=205Nm(21.0kg-m)/4800rpm
トランスミッション=CVT(ダイレクトシフト)
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ=前後:225/50R18(Fスポーツ)
発売予定次期=2018年11月末

【 UX250h(FF) 】
全長×全幅×全高=4495×1840×1520mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1540-1620kg
駆動方式=FF
エンジン=2.0リッター直列4気筒DOHC直噴
最高出力=107kW(146ps)/6000rpm
最大トルク=180Nm(18.4kg-m)/4400rpm
モーター最高出力=80kW(109ps)
モーター最大トルク=202Nm(20.6kg-m)
トランスミッション=CVT
駆動用バッテリー=ニッケル水素電池
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ=前後:225/50R18(Fスポーツ)
発売予定次期=2018年11月末


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