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アウディe-tronは次世代プレミアムに相応しい乗り味。日本勢ではアウトランダーPHEVが近い ...

2018-11-7 07:00| post: biteme| view: 568| コメント: 0|著者: 文:山田 弘樹/写真:アウディAG

摘要: ナミビアの砂漠でクワトロを試す 成田国際空港から香港へ飛び、南アフリカ共和国最大の都市であるヨハネスブルグへ。そこからさらに経由して、ナミビア共和国へ入る。するとさらに小さなチャーター機が待ち受けてい ...

アウディe-tronは次世代プレミアムに相応しい乗り味。日本勢ではアウトランダーPHEVが近い

ナミビアの砂漠でクワトロを試す

成田国際空港から香港へ飛び、南アフリカ共和国最大の都市であるヨハネスブルグへ。そこからさらに経由して、ナミビア共和国へ入る。するとさらに小さなチャーター機が待ち受けていて、高所恐怖症の私が人生最大の危機を迎えながら行き着いた先は、小さな小さな砂地の飛行場「Bitterwasser lodge」だった。

点々と存在する木々と、赤土が広がる大地。年に一度、世界中のグライダーパイロットたちが集うというこの地に、布袋寅泰のギターのような偽装を施された「e-tron(eトロン)」プロトタイプが、ズラリと待ち構えていた。

「なぜナミビアを選んだのですか?」

そんな問いかけに対してアウディの広報女史は「今はシーズンオフで雪がなかったから砂漠を選んだのです」と答えた。そう。アウディ初のEVであるe-tronは、SUVタイプの電気自動車。そのシステムの目玉は、彼らが80年代からアイデンティティとして磨き上げてきた「クワトロ」4WDシステムだったのである。

とはいえアウディがこの地を選んだのは、それだけが理由ではあるまい。このクルマの持つ未来感とこの大自然との、“対比”ではなく“親和性”をイメージさせたかったのではないか? と、私は思うのである。

アウディe-tron。先んじてロサンゼルスで行われたイベント「ザ・チャージ」で公開されたこのEVは、最新のカメラ内蔵型「バーチャル・エクステリア・ミラー」を備える以外は、今このままディーラーで売られていても普通に売れてしまいそうなほど、市販車然としたルックスをしている。

果たしてその走りも、プロトタイプとは思えない完成度で我々を迎えてくれた。航続距離は400km以上。最大150kWの急速充電をすればおよそ30分で8割の電力を回復。いわゆるEVとしてのアベレージを満たしながらその出力は通常265kW(約360ps)/561Nm、ドライブセレクトでパワーを解放すれば300kW(約408ps)/664Nmものパワー&トルクを発揮する。これは同社SUVのハイエンドSUV「SQ5」(354ps/500Nm)をも上回る数値であり、初物EVとしては驚きのスペックである。

ただし700kgものバッテリーシステムを搭載する関係から車重は2490kgと重たく、試乗路の特性もあってかその加速感は、意外にも圧倒的とは言いがたかった。確かに速いけれど、慣れてしまえば普通なのである。

2つのモーターを見事に制御するeクワトロの真骨頂を体験

しかし今回の目玉となるクワトロ4WDは、まさにアウディと膝を打てる軽やかで正確なハンドリングだった。しかも同社のハイパフォーマンスモデルに見られるどっしり感や威圧感がなく、操舵感や乗り味など、全ての所作が上質で軽やかだった。

ドライブセレクトの制御は今回「オールロード」と「オフロード」が増えたことで7段階に。コースではESC(車両安定装置)の制御も同時に確認すべく、これをノーマル/スポーツ/オフと段階的に弱めていった。

最もクールだったのはESCを完全にオフにして、ダイナミックモードのパワーを炸裂させたときだ。それまで幾分安定志向だったハンドリングは鋭敏になり、前述の通り電気ブーストによって出力は300kWにまで高められる。このときe-tronは前後のトルク配分までも後輪よりとするから、ターンインでは曲がりやすく、アクセルを強く踏み込めばリアが巻き込むように滑って行く。

そしてここからが、新世代eクワトロの真骨頂となる。後輪の滑りを人間が感じるよりも遙かに前の段階で察知しながらスタンバイするe-tronは、じわじわと前輪にトラクションを掛けて行く。しかしドライバーの操作を尊重する制御はESCの介入を行わず、オーバーステアが強くなりすぎたときだけやや多めにフロントに駆動力を配分してくれる。

この制御を理解して走るとe-tronは、電気自動車とは思えない自由度でスリッパリーな路面を自在に駆け回ってくれる。パドルを引いて回生ブレーキを強めて行けば、充電と同時に必要なモーターブレーキが掛かって挙動も安定させることができる。

いやむしろ、このレスポンスこそがEVならではの反応速度なのだと私は思う。前後の車輪を一機ずつのモーターが担当するe-tronは、当然ながらドライブシャフトもセンターデフも持たない。だからこそ、これまで内燃機関が唯一の動力源となりその力をトルクチューブに伝達し、ディファレンシャルで前後に配分していた駆動ロスを一気に減らして、ダイレクトにそれぞれのタイヤに駆動を伝えて行くことが可能となる。

そこで大きく評価すべきは、そのアウトプットがこれまでのクワトロとなんら変わらずに発揮されることだ。つまりアウディが4輪をどのように制御すればよいかを確固たるものとして心得ているからこそ、2つのモーターを見事に制御できているのである。

次世代のプレミアムに相応しい快適な乗り味

さらにe-tronは、一番の重量物であるバッテリーをEVの方式になぞらえ床下配置することで、重心がとても低い。前後の重量配分までもが50:50にバランスされているため、挙動を予想以上にイージーコントロールできてしまうのだ。モーターが右足の命令に素早く反応し、無音のもとに大地を豪快にかきむしる感触は、一種独特な新鮮さだった。唯一の違和感は、ペダルに反力を伴わず、車輪だけがブレーキロックを防ぐABSの作動制御くらいだ。

そしてサファリステージでは、アダプティブエアサスペンションが、全ての乗り心地を極めて快適に保った。ダンパーは選ばれたモードに対して忠実に減衰力を微調整し続け、オフロードでは最大35mm車高を上げて路面の凹凸をクリアしてくれた。リミテッドスリップデフを持たずとも内輪にブレーキを掛けて駆動力を確保し、片輪が浮くようなモーグルを走破してしまう。

この豪快かつ繊細で、静寂を友とする乗り味は、新しい時代のプレミアムである。世界のハイエンドカーたちが速さだけでは通用しなくなり、そこに快適性を大きくアピールしているのが現代の水準だとしたら、プレミアムEVはこれをさらりとクリアする実力者だ。今後バッテリーの性能が向上し、車重の軽さが際立つようになれば、間違いなくシーンの主役になることが容易に想像できる。

楽しさや期待感もEVの普及には必要

とはいえe-tronが打ち出しているのは行き過ぎた先進性ではない。たとえばミレニアム・ファルコンのようにライトスピードでは飛べないし、ナイトライダーのキットのようにしゃべりかけてくるような飛び道具も当然ない(これはそのうち出てくるだろうけれど)。このまま市場にスーッと入り込み、いつの間にかその場に馴染んでいるステルス的な普通さがひとつの特徴であり、恐ろしいところだと私は思っている。

それこそが、アウディの狙いなのだろう。2025年までに12種類の電気自動車を発売すると宣言した彼らにとって、もはやEVは日常なのだ。そしてその第一弾として、適度な数と名前を売るためには、比較的裕福なアーリーアダプター(流行に敏感な人々)がターゲットとなるSUVを発売することが、最善の策だったのだろうと思われる。

小さなことにはさほど文句を言わない彼らがドヤ顔で楽しんでいるうちに技術を深め、確かなものにして行く。我々庶民に電気自動車の優秀性をアピールしながらコツコツと普及を狙う国産EV/PHEVとは対象的な、豪快なやり方だ。

e-tronに学んだことがある。それはいくら環境性能に重きを置く、燃費コンシャスなEVとはいえ、そこにクルマを運転する楽しさや期待感がなければ普及しないということだ。私たちは効率だけで生きているのではないのである。

欧州メーカーはこうした人間性に根ざしたシンプルさや大胆さを、当たり前のこととして身につけている。そしてやるとなったら、そのアクションはすこぶる早い。そういう意味で日本勢では、PHEVではあるが三菱アウトランダーのワクワク感が、一番こうしたプレミアムEVの立ち位置に近いところにいる気がする。

心残りがあるとすれば今回、サファリに赴いたときに11頭が生息するというジラフ(キリン)を見られなかったこと。これだけ静かに、大自然との高い親和性をもって大地を駆けるe-tronならば、彼らとも親睦を深められたのではないか? と思うのだ。


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