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スズキ クロスビーは国民車目線でも単なる道具に納まらない実用小型車

2018-12-10 07:00| post: biteme| view: 856| コメント: 0|著者: 文:伊達軍曹/写真:編集部

摘要: 上級グレード「ハイブリッドMZ」の4WD版を調査 「新時代の国民車」を探す実地調査企画の第12回目。今回の調査対象は、2017年暮れにデビューしたスズキの小型クロスオーバーSUV「クロスビー」である。>>国民車とは ...

スズキ クロスビーは国民車目線でも単なる道具に納まらない実用小型車

上級グレード「ハイブリッドMZ」の4WD版を調査

「新時代の国民車」を探す実地調査企画の第12回目。今回の調査対象は、2017年暮れにデビューしたスズキの小型クロスオーバーSUV「クロスビー」である。
>>国民車とは?

まずはごく簡単にモデル概要を。

同じスズキの人気軽自動車「ハスラー」のデザインイメージを踏襲したクロスビーは、ワゴンとSUVを融合した“小型クロスオーバーワゴン”を名乗るモデル。いわゆる5ナンバーサイズだが、5ナンバー車に許された枠をめいっぱい使い切るのではなく、全長3760mm×全幅1670mmという小ぶりな寸止めサイズにとどめている。

用意される動力源は1種類で、排気量1Lの直列3気筒直噴ターボエンジンにモーター機能付き発電機とバッテリーを組み合わせた「マイルドハイブリッド」と呼ばれるシステム。モーターのみによる純EV走行も可能なフルハイブリッドと違い、加速時にモーターが少々のアシストをしてくれるというタイプである。

駆動方式は2WD(いわゆるFF)と4WDの二種類があるが、4WDの仕組みはビスカスカップリング式という比較的簡易なもの。カタログ燃費(JC08モード)は2WDが22.0km/Lで4WDが20.6km/Lとなっている。

ラインナップは、上級グレードにあたる「ハイブリッドMZ(200万3400円~)」と、標準グレードに相当する「ハイブリッドMX(176万5800円~)」の2タイプ。今回の調査車両は、上級グレード「ハイブリッドMZ」の4WD版にモロモロのオプション装備が付けられたものだ。

で、さっそく実地調査を開始したわけだが、この車はなかなか素晴らしき実用大衆車なのではないか? というのがいきなりの結論である。

4人家族でコストコに行ける居住空間と荷室

まずカタチが良い。

クロスビーというと、ここ最近の自動車デザインのなかでは傑作と呼べるハスラーのイメージを踏襲しすぎたため、「間延びしたハスラー」「でぶハスラー」のような印象も個人的には強かった。

だがそういった既成概念を極力排除し、ハスラーは「なかったもの」としてフラットにクロスビーを眺めてみれば、これはやはりポップで素敵なデザインである。

そしてただポップなだけではない。かなり切り立ったAピラー(フロントウインドウのところの柱)を見ればわかるとおり、極力「四角」に近づけた実用的ボディ形状としているため、前述のとおり5ナンバーサイズ車としては小さめでありながら、車内は鬼のように広い。

や、「鬼のように」は大げさかもしれないが、十分以上の広さは有している。特に後席の足下スペースは「鬼」に近い。このぐらいのサイズ感であれば、ご夫婦+お子さん1人という現代のメインストリーム的ご家族は何かと重宝するだろう。

ただし4~5名のフル乗車となると(つまり前後スライド可能な後席をいちばん後ろまで下げ、そのうえで左右それぞれに人間が乗ってしまうと)荷室がかなり狭くなるので、4人家族以上がクロスビーでコストコに行くのは少々キツいかもしれない。

……が、それも筆者の思い込みに過ぎなかった。調査の結果、クロスビーは「4人家族であってもコストコに行ける車」であることがわかった。

というのは、16cmほどスライドできる後席をいちばん後ろまで下げると確かに荷室は激狭になるが、逆にいちばん前までスライドさせれば「まずまずの広さを持つ荷室」は誕生する。具体的には、その際の荷室床面長は525mmである。

問題は「後席をいちばん前までスライドさせても人が快適に座れるのか?」ということだが、それがまあまあ快適なのである。

身長175cmの筆者が運転席で適切なドラポジを設定したうえで、後席右側をいちばん前までスライドさせて座ってみても、前席背もたれと筆者のヒザの間にはコブシ0.8個分の空間がある。快適というほどではないが「まあまあ余裕」とは言えるニュアンスだ。そして身長160cmの小学6年生ぐらいであれば「超余裕!」となるはず。

ゆえに、4人家族でもコストコに行けるのだ(買う量が多いとちょっとキツいかもしれないが)。

軽快な走りに好印象、高速でも快適な巡航を楽しめる

で、欧州の小型大衆実用車でしばしば見られた「あえての鉄板むき出しスタイル」に近いインパネ付近の造形もなかなかステキなわけだが(ただしこちらは鉄板ではなく、鉄板風の樹脂パネル)、内装の話ばかりしていても仕方ないので、とっとと走り出してみよう。

……うむ、なかなか良きフィールである。

カーマニア的なことを言わせていただくと、クロスビーの車台は玄人筋からの評価が高い「HEARTECT(ハーテクト)」という軽量高剛性な新世代プラットフォームのAセグメント用(ちっちゃい車用)である。それゆえクロスビーは、ジャーナリスト各氏の試乗記事では「上質感すら感じられる乗り味だ」的に評される場合が多い。

ただ、筆者の場合は上質感というよりも「軽快感」とでも呼ぶべきフィールを、クロスビーからは強く感じた。

前述の軽量高剛性な車台に、これまたカーマニア的な言い方をすると「K10C型」というかなり高性能なエンジンを組み合わせているため(なにせこのエンジン、排気量わずか1Lなんですが、パワーとトルクは1.5Lエンジンに相当するのですよ)、加速も巡航も、そしてカーブなんかを曲がる際にもとにかく「軽快」なのだ。

その様は、イメージとしては青山学院大学かどこかの「小柄な駅伝選手」に近い。小柄で細身な人なのに、ガタイの良い一般人の全力疾走以上のスピードで山坂道などをグイグイ走っていく――という感じだ。

もちろんグイグイ走るだけでなく、のんびりめに走る際の印象も悪くない。

高速道路を100km/hちょうどで巡航する際のエンジン回転数は2000回転ぐらい。風切り音は(最近の車としては)やや大きめに感じられたが、エンジン音やロードノイズはさほどでもなく、なかなか快適な巡航を楽しむことができる。そこからの必要に応じての追い越しも、さすがのK10C型エンジンだけあって楽勝。ほとんどストレスがない。

生活道路とそのへんの幹線道路、そして高速道路をあちこち(おおむね普通ぐらいのペースで)走り回っての燃費は、車載の燃費計によれば11.6km/L。カタログ燃費である20.6km/Lに届かなかったのはまぁ仕方ないとしても、もう少し燃費が良ければ……とは正直思う。

精神を刺激し、高揚させてくれる素晴らしき実用小型車

あらためての結論として、スズキ クロスビーはなかなか素晴らしき実用小型車であると筆者は思う。なぜそう思うかといえば、クロスビーは、実用車であると同時に「人の精神を高揚させる何か」でもあるからだ。

何らかの道具でも日々の食べ物でも、「使い勝手が良ければ、あるいは栄養があれば、とりあえずなんでもいい」という考え方も世の中にはある。それはそれでひとつの見識だ。

しかし実益一辺倒の何かよりも、実益に加えて「精神の高揚」ももたらしてくれる美しいアイテム、使う楽しみも感じられるギア、あるいは目でも楽しめる食べ物のほうが、より優れているという見識があってもいい。

クロスビーはまさにそれである。もちろん好みにもよるが、きわめて実用的でありながらポップセンスあふれる内外装が人の精神を刺激し、そして優れた車台とエンジンを中心とする活発な走りが、これまた精神を高揚させてくれる。

毎日使う道具にも何らかのチャームが欲しいと考えるタイプの人で、なおかつクロスビーのデザインがツボにハマるのであれば、間違いなく「買い」だろう。

ただし燃費は前述のとおり良好というほどではなく、走りが良いといっても、それは120km/h以下ぐらいの世界での話。トレッド(左右の車輪の中心間距離)が狭い背高ノッポな車であることは間違いないので、無茶なペースで走るべきではない。

全日本国民車評議会(通称:国民車会議)議長としての勝手な評価まとめは以下のとおりだ。

【クロスビー ハイブリッドMZ 2トーンルーフ仕様車(4WD)=218万9160円】
・車両価格:★★★★☆(お安い)
・気持ちよく走れる度:★★★★☆(日本の速度域では十分気持ちいい)
・燃費:★★★☆☆(もうひと声ほしい)
・積載性:★★★☆☆(フル乗車でもまあまあ)
・おしゃれ度(外観):★★★★☆(好みにもよるだろうが)
・おしゃれ度(内装):★★★★☆(なかなかのセンス)

・総合国民車度:★★★★☆

国民車とは?

今、「新時代の国民車」が待たれている。いや、それを待っているのはわたしだけという可能性もあるわけだが、筆者が考える新時代の国民車とは以下のようなクルマだ。

「安価だが高機能かつ低燃費で、それでいておしゃれ感もある、程よいサイズの実用車」

100万円台でまるっと買えるのが望ましく、それが難しい場合でもせいぜい200万円台前半ぐらいまで。自動車オタクが求めがちなマニアックな諸性能はどうでもよく、どんな状況でも普通か普通以上ぐらいに気持ちよく運転でき、燃費が良くて維持費も安く、人と荷物をある程度積載できて、邪魔くさくないサイズで、それでいて大のオトナが乗るにふさわしい質感とデザインも備えているクルマ。

……そんなある意味ぜいたくな一台を探し出すため、筆者はこのたび「一般社団法人 全日本国民車評議会」を(脳内で)設立し、実地調査に乗り出すことにした。

【国民車調査バックナンバー】
■第1回 ダイハツ ミラトコット
たとえば中年おやじがミラ トコットに乗るとどう感じるのか?

■第2回 スズキ ジムニー、ジムニーシエラ
ジムニーとジムニーシエラは街乗り車としてどうなのか?

■第3回 日産 オールラインナップ
日産オールラインナップ試乗会でノートe-POWERほか4モデルの国民車度を調査

■第4回 スズキ スイフトスポーツ
スズキ スイフトスポーツはかっ飛ばさなくてもまっ当な実用車=国民車か?

■第5回 トヨタ カローラ スポーツ
総額ほぼ300万円。今度のカローラは理想の国民車になるか?

■第6回 ホンダ シャトル
使い勝手抜群のホンダ シャトルが国民車候補としては悩ましいワケは?

■第7回 ホンダ N-BOX
ホンダ N-BOXはニトリ的ステキさで非自動車マニアを惹きつける有力国民車候補

■第8回 スズキ ソリオ
初代カングーを思わせるスズキ ソリオは家庭を持つ国民の良き道具となる

■第9回 トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタは家族や趣味を大切にする人の実用的な国民車となるだろう

■第10回 スバル XV
スバルXVは素晴らしい車だが国民車に相応しいか? の答えは「No」となる

■第11回 ダイハツ ブーン
ぬいぐるみ系デザインの完成形ダイハツ ブーンは国民車としてどうか?


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