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レクサスESは高級FRキラーだがFFの限界も。デジタルミラーは未完成

2018-12-7 07:00| post: biteme| view: 719| コメント: 0|著者: 文:五味 康隆 /写真:望月 浩彦

摘要: カムリの兄弟モデルとはいえボディは大きく異なる 「レクサス ES」はどんなモデルか? 日本市場からは一時期姿を消していたが、海外では成功し、今回で7代目となるモデルで、レクサスは嫌がるだろうが、以前に日本 ...

レクサスESは高級FRキラーだがFFの限界も。デジタルミラーは未完成

カムリの兄弟モデルとはいえボディは大きく異なる

「レクサス ES」はどんなモデルか? 日本市場からは一時期姿を消していたが、海外では成功し、今回で7代目となるモデルで、レクサスは嫌がるだろうが、以前に日本で売られていた「ウィンダム」の子孫といったほうがわかる人は多いかも知れない。

もちろん、最近のレクサスの質感は大幅に高まっているので、昔ながらのウィンダムではなく、パッケージのほうをイメージしてもらいたい。

具体的には、居住空間や積載力を大きく取れるFFパッケージに加えてロングホイールベースを採用した、お買い得感の高いモデルとなる(これもレクサスは嫌がりそうな表現だが…)。例えばレクサスのショールームで「LS」や「GS」を見ながら、ふと「ES」を見た際に、「LS」に準ずる後席空間を備えていながら、さらにはゴルフバックを楽に4個積める積載力を備え、それでいて価格は抑えられているという具合だ。

ESはこうした魅力を武器に、北米でのレクサスの拡大販売、さらには中国市場でのレクサスの好調を支える原動力であり続けている。そして満を持してという表現が正しいのか、改めて日本市場にも入ってきたわけだ。

ちなみに、クルマに詳しい読者なら「トヨタ カムリ」と兄弟車なのはご存じだろう。ただ、ESはプラットフォーム自体もホイールベースが45mm長いうえに、上屋であるボディのつくりも異なる。デザインは当然として、走りに影響をするボディ剛性が結果としてカムリと異なり、走りの質も異なるわけだ。

何にせよ、発売1ヶ月で月販目標350台の16倍に相当する5600台を売り上げており、日本でも好調に販売をスタートさせた。その中身をさらに掘り下げていこう。

プロポーションは残念だが後席空間はLSを凌ぐ

ボディサイズは全長4975×全幅1865×全高1445mm。レクサスの象徴であるスピンドルグリルを可能な限り広く、特に下側を横方向に広げたデザインで、見た目のワイド&ローな安定感や、スポーティな雰囲気を演出している。自己主張が強いと感じる人もいるだろうが、プレミアムブランドにとって印象が埋没しないことは重要で、個人的には嫌いなデザインではない。

サイドビューは5m弱の全長と、前後のタイヤ間の距離(ホイールベース)が2870mmと長いこと、強めに入ったエッジプレスラインの効果や、窓枠後端の跳ね上がりの鋭さも相まって、伸びやかさや躍動感がある。しかし、フロントタイヤからドアまでの距離が短いのは気になる。FFはエンジン搭載位置の関係からこのスペースを確保しづらく、FRのLSと比べるとどうしてもロングノーズ感などの伸びやかさが足りない。単独で見る分には気にならないが、高級セダン=威風堂々と走る、というイメージを踏まえると、古風だと言われても、やはりセダンはFRで伸びやかなノーズセクションが欲しいと思ってしまう。

室内の質感は高いが、さすがにLSと比べてしまうと素材や加工の違いなどで高級感や質感は落ちる。この辺りが価格差として反映されていると言えるが、一般的な同価格帯の高級車との比較なら、完成度は高い。運転席に座ったときのシートが体を優しく包む感覚などを含めて、自宅のリビングに戻ってきたようなホッとする暖かみのある心地よさがある。あら探しをしても、ドリンクホルダーが運転席用と助手席用でオフセットしていて、見た目に若干違和感を覚えることくらい。

後席も質感は同様だが、広さや視覚的な開放感という観点では、フラッグシップのLSを超えていると直感できる。LSのロングホイールベース仕様にはファーストクラスのようなシートがあるなど、突き詰めればLSは豪華だが、ベーシックモデル同士で、広さと開放感で評価するとESに軍配が上がる。

これは間違いなくLSや高級FRセダン・イーターになると直感しつつ、走り出した。

今年最も驚かされた新開発のサスペンション

走り出しはかなり滑らかでスムーズ。特にバージョンLは、フラッグシップのLSも凌ぐほど快適だ。要因は幾つもあり、ひとつはロングホイールベースによりクルマ自体の揺れが少ないこと。そして構造用接着剤やレーザースクリューウェルディング工法の採用、さらにボディの素材置換や見直しなどにより、カムリよりも高められたボディ剛性が、無駄な振動を抑えつつ、路面からの入力を的確に足回りに集め、ダンパーを効率よく働かしている効果が大きい。駐車場から出る際の段差でのショックの少なさ、さらにはショックの収まりの速さは見事。

これにはESから初めて採用されたスウィングバルブショックアブソーバーという、低速でも的確に足回りを動かせるオイルダンパーの採用が見逃せない。個人的には、今年最も驚いた乗り心地系アイテムとして挙げたいほど。そもそもオイルダンパーは、決められた流入経路をオイルが流れる際の抵抗により、減衰力を発生させてクルマの動きを穏やかに収めるモノ。高速領域も加味してオイル流入経路の形状を決めると、どうしても街中走行など低速では上手く減衰力が出ない。

それを打破するために、メインバルブに付随するオイル経路に1/100mmのクリアランスで円盤を設けて、2次的オイル経路を確保するというスウィングバルブショックアブソーバーの働きが見事。低速から足回りの動きに粘り具合が出て、高速領域でもその粘り具合が持続。構造は複雑だが電子制御を使わないので、ステアリングフィールなどにフィルター感が一切ない。結果として、路面状況を掴みやすく、スポーティに走りやすい。

また、バージョンLは路面のつなぎ目などを越える際のタイヤが叩かれる音を抑える消音効果の高い特殊ホイールも採用。この効果も大きく、静粛性や快適性が高まっている。さらに、重めの特殊ホイールが影響するのか、前述したオイルダンパーが効果的なのか、電子制御サスが奢られたFスポーツ以上にしなやかなのだ。このようにFスポーツよりバージョンLがオススメ…としたいところだが、一つ考えるべき特性がある。

FFセダンの限界を感じる走り&選ぶならバージョンL

それがFF特有の乗り味だ。長いホイールベースで姿勢変化は穏やかになっているものの、うねり路面などでは前後が同期せずバラバラに動き、ピッチングが生じる。多くのケースで前だけがフワフワするので首が動きやすく、目線がブレ、微妙に体がシートから離されるような感覚で、高速道路をまっすぐ走っているだけでも落ち着きが足りない。もちろん直進安定性は高いし、ハンドルを切った時の反応はいいのだが、車両姿勢に落ち着きが足りないのだ。

旋回中にフロントがあおられると、ハンドルを動かしていないのに旋回特性が変わるのも、FFセダンの限界を感じるところ。

今の技術力をもってしても、高級セダンは重量バランスがよく、加速した際にリアが沈み込み、シートに体が吸い付くような姿勢変化で走るFRが個人的には良いと思う。姿勢変化も考慮した高級車に求められる乗り味という点では、FRレイアウトで重量バランスの良いLSが優れているし、やはり高級セダンはFRレイアウトなのだ。

ESがダメと言っているわけではない。電子制御ダンパーを採用したFスポーツは、まっすぐ走っているときでも姿勢変化が穏やかで快適だし、それが結果としてハンドリングの良さを生み出し、スポーティにも走れる。ただ、電子制御ダンパーは基本的に受動的で、突然の単発入力に対して足の硬さを変更することはできないから、硬さを感じる時もあれば、フロントのフワつきを感じることもあり、こだわるなら、高くてもFRのセダンという選択になるだろう。

ESで選ぶならどのグレードか? 個人的にはFスポも魅力的だが、走りの質でバージョンLをチョイスする。足回りの動きが良く、電子制御感のないスッキリしたフィールで、ホイールの静粛効果もあって静か。さらに2.5Lハイブリッドとの相性が良いからだ。

というのも、モーターアシストによる変速ショックのないスムーズな加速の一方、回転の上昇感などを含めて刺激や気持ちよさが薄いため、気がついたら速度が出ている的なフィールで、FスポーツよりもバージョンLの乗り味に合っているのだ。

話題のデジタルサイドミラーはおススメできない

話題にもなっているデジタルアウターミラー(サイドミラー)についても触れておこう。はっきり言って個人的には(現状では)オススメできない。特に夜道を走る頻度が高い場合はなおさらだ。

まず、クルマの運転に慣れている人ほど使いこなしに慣れが必要。モニターが近いので焦点が合わせづらく、目が疲れる。さらに問題なのは、画面に映る対象車との距離感が掴みにくいこと。また、サイドの死角に車両がいるときの警告表示の開始が甘すぎて、車線変更できるか瞬間的に判断がつかない。画素数も粗く、昼は問題ないとしても、夜は後方車両が判別しにくい。カメラを広角に切り替える操作も、スイッチの場所が悪く直感的に使えない。

革新的なアイテムなので、多少の慣れが必要なのは仕方ないとも言えるが、現状のレベルだと慣れというより事前のトレーニングが必要。今の完成度なら、せめて光学ミラーと切り替え式にしてほしい。

もちろん、風切り音低減や、死角が小さいため交差点などで歩行者が確認しやすく、雨の日でもクリアな視界が得られるなど、メリットは大きい。今後の可能性は無限大で、危険な状況でフロントガラス等に警告を表示するなど、AR(拡張現実)への展開も期待出来る。レクサスにはさらなる技術改善をお願いしたい。

最後にこのES、ライバルは世界中のセダンとなりそうだが、直接的なライバルは不在であり、FF高級セダンという新ジャンルとして評価できる。後席をはじめとする室内空間の広さ、荷物の積載力、静かで上質な走り、それらを500万円台後半~700万円の価格レンジに収めている。バランスの良い仕上がりがESの魅力だろう。

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五味康隆(ごみ やすたか):モータージャーナリスト
自転車トライアル競技で世界選手権に出場。その後4輪レースに転向して全日本F3選手権で3年間戦ったのち、モータージャーナリスト活動を開始するという異色の経歴を持つ。確かなドライビング理論と優れた運転技術に裏付けされた解り易い解説には定評がある。みんカラブログ「eカーライフ」Youtubeチャンネル「E-CarLife」、各種SNSでも積極的に情報発信している。

スペック例

【 ES300h “バージョン L” 】
全長×全幅×全高=4975mm×1865mm×1445mm
ホイールベース=2870mm
駆動方式=FF
車両重量=1730kg
エンジン=2.5L 直列4気筒DOHC直噴
最高出力=131kW(178ps)/5700rpm
最大トルク=221Nm(22.5kg-m)/3600-5200rpm
モーター最高出力=88kW(120ps)
モーター最大トルク=202Nm(20.6kg-m)
トランスミッション=電気式CVT
サスペンション=前:マクファーソンストラット
        後:ダブルウィッシュボーン
タイヤサイズ=前後:235/45R18
使用燃料=レギュラーガソリン
WLTCモード燃費=20.6km/L
JC08モード燃費=23.4km/L
車両本体価格=698万円


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