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マイチェンしたBMW 7シリーズの目玉は巨大グリルだが、意外や乗り心地が大きく改善

2019-6-7 07:00| post: biteme| view: 403| コメント: 0|著者: 文:清水 和夫/写真:BMWジャパン

摘要: 40%も大きくなったグリルだがバランスはいい 最近のBMWは乗りに乗っている。昨年から「Z4」と「3シリーズ」と「8シリーズ」をフルモデルチェンジし、SUVでは「X7」もローンチしたばかりだ。ラグジュアリーブランド ...

マイチェンしたBMW 7シリーズの目玉は巨大グリルだが、意外や乗り心地が大きく改善

40%も大きくなったグリルだがバランスはいい

最近のBMWは乗りに乗っている。昨年から「Z4」と「3シリーズ」と「8シリーズ」をフルモデルチェンジし、SUVでは「X7」もローンチしたばかりだ。ラグジュアリーブランドの進化は全世界的なものだが、BMWは新しい考えで新型車を開発している。ドライバーズカーでありながら、自動運転技術にも積極的で、電動化では「i3」と「i8」をライバルよりも先に市販した。自動運転ではメルセデスと協業するなど、次世代の高級車のあるべき姿を模索している。

今回はマイナーチェンジした「7シリーズ」と「8シリーズカブリオレ」の試乗会をレポートしよう。

まずは最高級サルーンの新型7シリーズから。デザインのトピックは大きくなったキドニーグリルだ。キドニーグリルは1933年から採用されたが、そもそもグリルの奥に置かれたラジエーターを冷やすためのモノで、当時のエンジンは天地が高いので、グリルは縦長だった。だが現在は空気抵抗軽減のために、エンジンフードが低くなり、グリルも横長になってきた。

新型7シリーズは他のプレミアムブランドと差別化するために顔の個性を重視している。キドニーグリルは面積で40%も大きくなっているが、横に広がったのではなく、縦に伸びてボンネットまでせり上がってデザインされているのが新しい。会場のホテルでは大型SUVの新型「X7」と並んでいたが、こちらのキドニーグリルはさらに縦長で、ややアグレッシブに見えた。一方、縦横比のバランスが良い7シリーズのニューフェイスは悪くないと思った。

750は0-100=4秒の俊足。乗り心地も大幅改善

試乗したのは「750Li xDrive」。最高出力530ps、最大トルク750Nmの 4.4L V8ガソリンエンジンが搭載され、パワーも向上している。シリーズ最高出力のV12(600ps、850Nm)に迫るといえば、その強烈なパワーが想像できるだろう。0-100km/h加速は4秒と、本格スポーツカー並の速さをもっている。

もっともV12はBMWが本気になってチューニングすると1000Nmのトルクは可能らしいが、もはやその大トルクを受け入れるギアボックスが見当たらないらしい。

新型7シリーズには新開発のZF製8速AT(ステップトロニック)が採用され、高速燃費を改善。WLTP(新排ガス測定モード)やRDE(リアルドライブエミッション)に対応している。

エンジンは相変わらず気持ちよく回るし、低速トルクは十分すぎるほど豊かだ。町中を低速で走ってもストレスはなく、微妙なスロットルも使いやすい。スロットルペダルを蹴飛ばすように踏み込むと、ギアは一気に数段飛ばして、最高回転数まで上昇。その電光石火のような反応は見事だ。

高速クルーズでは1500rpmもあれば流れに乗ることができるし、5000rpmまで回すと、巨体がロケットのように加速する。

試乗会ではプラグインハイブリッドの「745Le」もショートコースで試乗した。こちらは3.0L直列6気筒エンジンとモーターを組み合わせるが、EV航続距離は50km以上ある。PHEVでもトランクスペースが犠牲になっていないので、余裕でゴルフバッグを搭載できるのも魅力だ。

わずかな時間しか乗れなかったが、日本ではV8ターボよりも直6エンジンをもつ745Leのほうが、使い勝手は良さそうだ。ちょっと驚いたのは乗り心地が劇的に改善されていること。ランフラットタイヤにも関わらず、スムースで気持ちいいサスペンションの動きだった。マイナーチェンジ前の7シリーズよりも、脚の関節が動くようになった気がする。BMWは7シリーズから乗り心地を意識していると思った。

ドライバーアシスト技術も積極的に搭載

7シリーズの車線維持機能は新型3シリーズと同等のレベルに仕上がっている。直進性がよく、車線の中央を正確に走ることが可能だ。高速走行では、ステアリングセンター付近にしっかりとした手応えが感じられる。車線を逸脱しそうになると、グッと手応えが重くなるのだ。

なぜステアリングの反力を強くするのかエンジニアに聞くと「システムが機能していることをドライバーに直感的に知らせるため」と説明してくれた。ドライバーズカーであるがゆえに、クルマと対話しやすい操縦感覚だった。

余談になるが、先日、BMWジャパンは「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を搭載したモデルを日本で市販すると発表した。自動運転の定義では「レベル2」なので、高速道路ではハンドルから手を離して走ることができるが、ドライバーは前方監視義務がある。安全運転の責任は依然としてドライバー側だが、デジタル技術に対するBMWの積極戦略はこんなニュースにも現れている。

UI (ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)も完成度が高い。すでにジェスチャーでオーディオのボリュームを変えることができるし、車外からリモートでパーキングできるシステムも持っている。新型7シリーズは新型3シリーズで採用された音声認識が使えるが、日本語対応が気になるところだ。

クーペ並のボディ剛性をもつ8シリーズカブリオレ

一緒に試乗した8シリーズカブリオレにも触れておこう。「こんなカブリオレは乗ったことがない」というのが第一印象だ。すでに日本でも市販されている8シリーズクーペのオープン版だが、2+2パッケージのオープンは走りの剛性感や風切り音で不利なものだ。だが新型8シリーズカブリオレは、見事に私の予想を裏切ってくれた。剛性感はハードトップの8シリーズとなんら変わらず、ステアリングポストからの振動も少ない。

専用開発のソフトトップは8シリーズのエレガントなデザインにマッチする造形だからルーフを閉めても、開けても格好いい。特に閉じたスタイルはチャーミングだ。トランク容量も280Lが確保されている。

日本にはV8ターボとディーゼルエンジンが投入されるらしいが、個人的には直6のガソリンエンジンがほしい。ライバルはズバリ、「ポルシェ911 カレラ カブリオレ」だと思うが、エレガントさでは負けていない。8シリーズのカブリオレは、今年のBMWの目玉になりそうだ。

スペック例

【 750i xDrive 】
全長×全幅×全高=5120×1902×1467mm
ホイールベース=3070mm
車両重量=1965kg
駆動方式=AWD
エンジン=4.4L V型8気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=390kW(530hp)/5500-6000rpm
最大トルク=750Nm/1800-4600rpm
トランスミッション=8速AT
使用燃料=プレミアムガソリン
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
        後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:245/45R19
欧州複合燃費=9.5L/100km
0-100km/h加速=4.0秒
車両本体価格=11万7200ユーロ

【 745Le 】
全長×全幅×全高=5260×1902×1479mm
ホイールベース=3210mm
車両重量=2035kg
駆動方式=FR
システム最高出力=290kW(394hp)
システム最大トルク=600Nm
エンジン=3.0L 直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力=210kW(286hp)/5000-6000rpm
最大トルク=450Nm/1500-3500rpm
使用燃料=プレミアムガソリン
トランスミッション=8速AT
モーター最高出力=83kW(113hp)/3170rpm
モーター最大トルク=265Nm/0-2700rpm
バッテリー=リチウムイオン(12.0kWh)
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
        後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:245/50R18
欧州複合燃費=2.3-2.2L/100km
0-100km/h加速=5.3秒
EV走行距離=52-55km
車両本体価格=10万6400ユーロ


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