イタリアのセンスが効いたデザインとカラーリングが特徴フィアットのコンパクトクロスオーバーである「500X」。新エンジンの搭載やデザイン変更などのマイナーチェンジが行われた。一見すると「どこが変わったの?」と思うが、ヘッドライトやリアランプがLEDでくるりと囲まれたデザインになり、従来に比べてより目鼻立ちがはっきりした。これまでのフィアットらしいかわいらしさがより増しているなぁと感じた。 運転席に乗り込むと、インストルメントパネルがボディと同じ色になっていて、ちょっとしたデザインの遊び心にうきうきする。今回の500Xでは、この試乗車にも塗られているアバターブルーが一押しだそうで、確かに明るすぎず暗すぎず、絶妙な色合いのブルーだと思った。このボディカラーとブラウンの内装がとてもおしゃれで、いかにも素敵なイタリアのセンス。「女性はクルマをほとんどカラーリングで決める」などと良く言われるが、この色合いなら女性が一目惚れしてもおかしくない。 乗りはじめてまず感じたのは「ちょっと乗り心地が硬いかも」ということ。道路の継ぎ目などを乗り越えるときには、クルマがぱちんと弾む。高速道路などはなめらかにスーッと走っていくのだが、市街地など路面がすこし荒れているようなところでは、結構ごつごつと揺さぶられるように感じた。試乗車の総走行距離が600kmを超えたところだったので、もしかしたらまだ足回りが馴染んでいないのかもしれない。 走りから浮かんだフレーズは「動けるぽっちゃりさん」ただ、その分、ハンドリングの良さには驚いた。クロスオーバーやSUVだと、クルマがゆったりと動くイメージがあるが、500Xはまったくそれとは違う。まるまるとしたボディでかわいらしいデザインにも関わらず、動きはかなり俊敏でスポーティ。運転しているうちに「動けるぽっちゃりさん」というフレーズが自然に浮かんできた。 マイナーチェンジのトピックであるエンジンは、以前の1.4L直4ターボエンジンから1.3L直4ターボエンジンへと変わった。排気量が小さくなったので「パワーも下がったのかな?」と思ったが、従来モデルより馬力もトルクも向上した151ps/270Nmとなっている。走らせてみると、これが絶妙なパワー感だった。 色々なクルマを運転していると「思ったよりもパワーがあるな」「思ったよりもパワーがないな」など、少なからずどちらかには振れるものなのだが、個人的にはこの500Xはまさに「ちょうどいい」ところにはまっている。大きすぎず、小さすぎず、使い勝手がいい500Xの性格にぴったり。さらに驚いたのはエンジン音もとっても静かなこと。おかげで街中でも高速道路でも、どちらでも不自由なく快適に運転することができた。 兄弟のレネゲードとはキャラクターがはっきりと違うちょっと気になったのは、たまに6速DCTがぎこちなくつながって、「コツン」と振動が来ること。「マニュアル操作が下手な人みたいになるのはちょっと…」という人は、上級グレードである500X Crossにはパドルシフトがついているので、手動でギアチェンジしてもいいかもしれない。 今回のマイナーチェンジから500Xは2WDのみとなり、日本では4WDモデルは導入する予定がないそうだ。確かに500Xは見た目がおしゃれで、女性がお買い物グルマとして利用するシーンが一番似合いそうなので、それは素直に納得。もし4WDモデルが欲しければ、兄弟車のジープ・レネゲードがありますよ、という棲み分けの意味合いもあるのだろう。 とってもハンドリングが良くて、くるくると色んな小道にも入っていけそうな500Xと、ちょっとのんびりしたイメージだけれど、もりもりオフロードも走れそうなレネゲード。同じプラットフォームを使っているにも関わらず、性格がはっきり分かれているのはすごいことだと思う。そういう意味では、今回のマイナーチェンジによって、500Xはフィアットの考える理想の形により近づいたのだろうと感じた。 ---------- スペック【 500X Cross 】 |
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