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新型RAV4に感じた自由さはこれまでのトヨタ車にはないものだった

2019-7-1 07:00| post: biteme| view: 358| コメント: 0|著者: 文:伊藤 梓/写真:編集部

摘要: 近年のトヨタ顔と違う、若者に刺さりそうなデザイン くたくたになるまで遊んで帰り道でいつの間にかクルマの後席で眠っていた子どもの頃。友人たちとみんなで海へでかけて、砂だらけのままクルマに乗り込んで、車内 ...

新型RAV4に感じた自由さはこれまでのトヨタ車にはないものだった

近年のトヨタ顔と違う、若者に刺さりそうなデザイン

くたくたになるまで遊んで帰り道でいつの間にかクルマの後席で眠っていた子どもの頃。友人たちとみんなで海へでかけて、砂だらけのままクルマに乗り込んで、車内でわいわい話しながら帰った日。当時はなんでもなかったような時間が、今思うと大切だったのかもしれないとぼんやり思い返す。そんな風にクルマにあたたかく包まれていた空間。トヨタの「RAV4」に乗っていると、不思議とそういう思い出が浮かんでくる。

今回試乗したのは、「Adventure(アドベンチャー)」というグレード。よりアウトドアへ出かけたくなるような力強いデザインが特徴だ。トヨタの新型ハイラックスが発表された時、その姿を見た瞬間「うわぁ、かっこいい! 欲しい!」と思ったが、それと通じるものがあるような気がした。

買うかどうかは別にして「このクルマなら何でもできちゃうんじゃないか」と想像を掻き立てられて、素直に憧れて欲しいと思えるクルマ。ほかのグレードはいわゆる近年の”トヨタ顔”なので、アドベンチャーは特にアクティブな若い世代には刺さりそうなデザインだと感じた。

後席はクルマ版「ひとをだめにするソファ」のような心地よさ

エンジンは2.0L直列4気筒(最高出力171ps、最大トルク207Nm)で、駆動方式は4WD。走り出してみると思ったよりも室内が静かなことに気がついた。こういったオフロードも走れるようなクルマは、車内にさまざまなノイズが入り込んでくるイメージがあるが、それがほとんど気にならない。ただし、思い切りアクセルを踏み込んでみたりすると、CVT独特の変速に沿ってエンジンが唸り出すのだが、それも許容範囲内。

さらに、大きなクルマ特有の「たっぷんたっぷん」と水の上を進むような、ゆったりとした乗り心地もとても心地いい。ハンドルを切ってみると、そこそこ大柄なSUVなだけに「よく曲がる!」というようなことはないが、素直に自然に行きたい方向へ進んでくれるところも好印象だった。

特に良かったのは後席のシートだ。シート形状と背もたれの角度が絶妙で、まるで家のソファでくつろいでいるように体を預けることができる。「人をだめにするソファ」というものがあるが、クルマ版があるならこんな感じなのかもしれない。たくさん遊んだ帰り道に、このシートでうとうとしてしまう人はたくさんいそうだ。こういったすこし緩んだクルマづくりが、RAV4をより心地のいいものにさせている。

フッとひと呼吸抜いたような解放感

これまでの、特に最近のトヨタのクルマは、燃費が良くて、細かいところに気が利いていて、便利で快適。マイナス点がほとんど見つからない優等生なクルマが多かった。一方ですべてが平均的に良い代わりに、特別な個性やわくわくするようなクルマがあまりなかったのも事実だろう。そのある意味で”隅々まで行き届きすぎた神経質さ”みたいなものが、どこかで乗る人たちを縛り付けていた気がしていた。

それがRAV4では解放されている。もちろんトヨタのクルマらしくきちんと作り込まれてはいるが、そこからフッとひと呼吸抜いたような、堅苦しくジャケットを羽織るのをやめたような…。RAV4にはそんな自由さを感じた。

今の世の中は、とにかく縛られることばかりだ。些細なことで訴えられたり、ネットでは見ず知らずの人たちに叩かれたり、その割にすぐさま忘れられていく…。そういったことに疲弊している人たちは、本当の自由や幸せというものをそろそろ見つけ出そうとする頃なのではないだろうか。RAV4に乗って、今まではおそらく自らを縛っていたであろうトヨタがその紐をゆるめて新たに歩もうとしている姿を感じて、そんな時代にすこし勇気をくれるような気がした。

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伊藤 梓(いとう あずさ):ライター
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーという異業種から自動車雑誌の編集者へと転身。2018年からクルマの魅力をより広く伝えるために独立。自動車関連のライターのほか、イラストレーターとしても活動している。

【 トヨタ RAV4のその他の情報 】
トヨタ RAV4の中古車一覧
トヨタ RAV4のカタログ情報
トヨタ RAV4の買取相場

スペック

【 RAV4 Adventure(アドベンチャー) 】
全長×全幅×全高=4610×1865×1690mm
ホイールベース=2690mm
駆動方式=4WD
車両重量=1630kg
エンジン=2.0L直列4気筒直噴ガソリン
最高出力=126kW(171ps)/6600rpm
最大トルク=207Nm(21.1kg-m)/4800rpm
トランスミッション=CVT
WLTCモード燃費=15.2km/L
使用燃料=レギュラーガソリン
サスペンション=前:マクファーソンストラット式
        後:ダブルウィッシュボーン式
タイヤサイズ=前後:235/55R19
価格=313万7400円


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