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テスラ モデル3に新しい「クルマという空間」の作り方を見た

2019-10-2 08:05| post: biteme| view: 300| コメント: 0|著者: 文:伊藤 梓/写真:篠原 晃一

摘要: アナログ操作できるのはステアリングとペダルとウィンカーくらい 正直テスラのやり方は好きじゃない、そう思っていた。突如自動車業界に参入してきて、電気自動車や自動運転をやると言う。イーロン・マスクの大胆な ...

テスラ モデル3に新しい「クルマという空間」の作り方を見た

アナログ操作できるのはステアリングとペダルとウィンカーくらい

正直テスラのやり方は好きじゃない、そう思っていた。突如自動車業界に参入してきて、電気自動車や自動運転をやると言う。イーロン・マスクの大胆な発言や行動力に憧れを抱く人もいるだろうが、ひとりのクルマ好きとして「クルマってそんなに甘いものじゃないはずだ」と思ったし、「革新的すぎるクルマづくりが今までのクルマを壊してしまうんじゃないか」と、ある意味怖かったのかもしれない。

これまで1000万円台だった「モデルS」や「モデルX」と比べれば、テスラのラインナップの中では「モデル3」は500万円台から買える安価なモデルと言えるだろう。「エンジンは入っていません」と一目で分かるグリルのないつるりとしたフロントマスクや、モデルXのファルコンウィングなど、これまではかなり特徴的なクルマだなと思っていたが、モデル3は外から見るととても普通。

ただ、中に入ってみて驚いた。シンプル、というか、それを逸している。「え? 動かないモックアップ?」と思うくらい、ハンドルやペダルまわりだけ車内にくっつけただけのように見える。運転席に座ってみると、メーターはないし、シフトレバーもないし、エアコンの吹き出し口すらない。

もちろんそれらに付随するスイッチ類もなく、人間がアナログで操作できるのは、ステアリングとペダルとウィンカーくらいなものだ。その代わりに真ん中にはどでかいiPadのような液晶のタッチパネルがあって、これですべてを操作するらしい。

「おもちゃ箱」を開いてみると…?

走り出してみると、膨大なパワーがモーターから一気に放出されて、蹴飛ばされるような加速に「おっ」と思ったが、すぐに慣れてしまった。ここ最近、電気自動車やプラグインハイブリッド車に乗る機会が増えて、「モーターの加速って新しい!」という感覚が薄まってきた。

運転している最中は、ちょっと乗り心地が硬くてザラザラしているのが気になったり、ハンドリングは思ったより素直だけど他のプレミアムカーと比べちゃうとさすがに劣るかなぁと考えていた。でも、しばらくすると「こうやって評価するようなクルマだろうか?」と自分自身に疑問が湧いてくる。

タッチパネルを触ってあれこれやっていると、やはりこれまでのクルマとまったく違うものに触れる面白さがあるなと感じた。同乗していた編集者は「初めてiPhoneに触れたときのような気分」と言っていたが、言い得て妙だ。

パネルを触っていると「おもちゃ箱」というアイコンを見つけた。何だろうと思ってタッチしてみると、なんと「ブーブークッション」機能があるのを発見。これをオンにすると、ドライバーがボタンひとつでブーブークッションの音……つまりおならの音を鳴らすことができるという代物だ(しかもこの音は何種類も用意されている!)。

こんなくだらない機能で大の大人がふたりでゲラゲラ笑いながら遊びまくる。なんだか眉間にしわを寄せてクルマを評価することなんて、どうでもよくなってしまった。細かいことは色々あるが、クルマとしてちゃんと走っているのは間違いないじゃないか、と。

ギターの弦の音が生音のように聞こえるオーディオ

帰りの高速は渋滞していたので、オートパイロットをオンに。ハンドルの座りがしっかりとして、クルマが運転を引き継いでくれたことがよく分かる。普段はスポーツカーに乗っていて運転が大好きな私でも、やはりこういう時のオートパイロットは最高だと感じる。車線の真ん中を走ってくれるのはもちろん、アクセルやブレーキの操作も的確で丁寧だから、安心してクルマに任せることができる。

ふと、同乗していた編集者がオーディオをオンにした。エリック・クラプトンの「Unplugged」がクルマを包み込むように流れ出す。モデル3はフロントウィンドウに沿ってぐるりとスピーカーが設置されているおかげなのか、ホームシアターのように目の前でライブを聞いているかのごとく、ギターの弦の一本一本がキュッとこすれる音まで聴こえてくる。エリック・クラプトンの曲をきちんと聴くのはこれが初めてだったが、夕日がちょうど落ちていくところをウィンドウ越しに眺めながら「Tears In Heaven」を聴いていたら、不覚にも目の端に涙が滲んだ。

いつの間にか渋滞も忘れて、モデル3の中に流れる時間に身を任せていた。「クルマという空間で過ごす時間って、特別で、安らいだり、思いにふけったり、悩んだり、それが解決したり……自分にとって大切な時間なんだよな」としみじみ感じる。モデル3は、クルマの性能がどうこうよりも、クルマで過ごす時間を豊かにしてくれるということにおいて、とても素晴らしいクルマだ。クルマが電気になったり自動になることで「電車と一緒じゃん」と言う人もいるが「やっぱり、そうじゃないんだなぁ」と思う。クルマで過ごす時間の良さを、オートパイロット中のモデル3の車内で改めて知るとは不思議な感覚だった。

モデル3から降りて編集者と別れ、満員電車に押し込まれて家に帰る道すがら、ふと思い出し「Unplugged」をかけてみたが、あの感覚が消えてしまいそうな気がして、すぐに電源を落とした。

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伊藤 梓(いとう あずさ):ライター
クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーという異業種から自動車雑誌の編集者へと転身。2018年からクルマの魅力をより広く伝えるために独立。自動車関連のライターのほか、イラストレーターとしても活動している。

スペック

【 モデル 3 パフォーマンス(試乗車) 】
全長×全幅×全高=4694mm×1849mm×1443mm
ホイールベース=2875mm
駆動方式=4WD
車両重量=1610kg
航続距離=約530km(WLTP 推定値)
最高速度=約261km/h
サスペンション=前:ダブルウィッシュボーン式
        後:マルチリンク式
タイヤサイズ=前後:235/35R20
価格=655万2000円
※数値はUS仕様参考値、日本仕様は認可取得中。


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