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まさかの「6速MTしかありません!」 マニュアルのこだわりが詰まったシビック RSに試乗した ...

2024-8-1 11:00| post: biteme| view: 667| コメント: 0|著者: 文:伊藤 梓/写真:編集部

摘要: もうRSは“ロードセーリング”という意味ではない!? 今年1月に開催されたオートサロンでプロトタイプが公開され、話題を呼んでいたホンダ「シビック RS」が、シビックのマイナーチェンジにあわせてようやくお目見え ...

まさかの「6速MTしかありません!」 マニュアルのこだわりが詰まったシビック RSに試乗した

もうRSは“ロードセーリング”という意味ではない!?

今年1月に開催されたオートサロンでプロトタイプが公開され、話題を呼んでいたホンダ「シビック RS」が、シビックのマイナーチェンジにあわせてようやくお目見えする。

最上級のスポーツモデルである「タイプR」が大人気で受注も停止している中、RSは6速MTを搭載するモデルとして、新たにシビックの楽しさを示してくれるに違いない。一体どんなモデルなのか、現行モデルのタイプRオーナーである筆者が、ひと足先にミニサーキットで試乗した。

ホンダの「RS」には「ロードセーリング」という意味が込められていると長年説明されてきた。ロードセーリングとは、船が帆を張って水の上を気持ちよく滑らかに疾走していくようなイメージで、いかにもスポーツカーの走りを求めた「ロードスポーツ」ではないというのがホンダの見解だ。

しかし、シビックシリーズの開発責任者である明本禧洙(あきもとよしあき)氏は、「今回のシビック RSは、ロードセーリングを脱却して、RSというモデルの意味合いを再定義し、よりスポーティなモデルに仕立てたつもりです」と明言した。

というのも、そもそもこのシビック RSが生まれたのも、これまでのシビックのノーマルモデルのMT車が、思いの外人気が高かったからだという。

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マニュアルユーザーからの要望が本格的だった…

シビックには、ガソリン車とハイブリッドである「e:HEV」があり、ガソリン車はCVTも選べるにも関わらず、なんとMT比率が58%にものぼるという。

さらにMTを選ぶユーザーは、スポーティなモデルを求める声が大きく、ホンダとしてもこのニーズを受けて、MTの価値を改めて考え直して生み出したのが、シビック RSなのだ。

これまでのシビックのノーマルMTユーザーから特に声が上がっていたのは、「回転落ちが遅い」ということ。それを聞いて「ノーマルのシビックにそこまで求められるの!?」と驚いたが、やはりシビックへの期待がそれだけ高いということだろう。そこでRSは、これまでのデュアルマスからシングルマスの軽量フライホイールへと変更した。

個人的には、レブマッチシステムが新たに採用されたことも嬉しい。これはタイプRにも導入されており、簡単に言えばシフトダウンする際に自動でブリッピングして回転を合わせてくれるというものだ。

「MT好きな人には必要ないでしょ」と思われるかもしれないが、これ付いているのと付いていないのとでは日常での快適性が全然違う。

私はMTを運転する際に自分でアクセルを煽って回転を合わせるのは苦ではないが、交差点を曲がる時や高速道路の料金所など、ブレーキを踏みながらシフトダウンしたいシーンではやはりレブマッチが付いているととても便利だ。

サーキットで思い切りブレーキを踏みながらアクセルを煽るのは簡単だが、日常で薄くブレーキを当てながらアクセルを煽るのは意外と繊細な作業なので、クルマにお任せできる方が気分的にも楽なのだ。

また、ドライブモードを新たに採用した。「ECON(イーコン)」、「NORMAL(ノーマル)」、「SPORT(スポーツ)」、「INDIVIDUAL(インディビジュアル)」の4つのモードがあり、駆動力特性と電動パワーステアリング特性が変わるというもの。

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各部の改良が効いた滑らかな走り

肝心の走りはどうかというと、走り出してすぐ感じたのは「滑らか」という感覚だった。

パワートレーンには手が加えられていないので、「パワー感」からスポーティさを感じるにはドライブモードの「スポーツ」を選ぶということになるが、「ノーマル」でも、パワー感はそこまで迫力のあるものではないものの、ハンドル、ペダル、シフト操作、そこから生まれるクルマの動きの全てに一体感があって、クルマをスムーズに気持ちよく走らせることができる。

足回りは、サスペンションスプリングや、スタビライザーの剛性が高められたRS専用のものとなり、ロール剛性が11%向上したことで、タイトなコーナーでもクルマが急激に傾くことがなく、目線もぶれにくいので、自信を持ってコーナーをクリアすることができた。

また、ブレーキローターが15インチから16インチに変更されたことで、ブレーキを踏み始めた時のタッチが良く、ブレーキを自分の思い通りに効かせることができる感覚もとても良かった。

今回のように路面の凹凸が大きいミニサーキットでも、常にサスペンションが路面をしっかり捉えている感覚が伝わってくるので、その安心感からいつの間にかぐんぐんスピードが上がっていた。

ここでさらに「スポーツ」に切り替えると、アップダウンの多い場所でも、パワーを自在に出し切れるので、もっとドライビングが楽しくなる。路面が荒れている場所や目地段差などもあったが、そういったところを走っても終始乗り心地が良いところも好印象だった。

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予算を抑えたければMC前のMTのという選択肢もアリ

タイプRと比べてしまえばRSはやはり別物ではあるが、「日常域でスポーティなモデルを楽しみたい」というのであれば、タイプRよりもRSの方が最適だと思う。

現行型のタイプRは、歴代モデルより走りだけでなく乗り心地も良くなっているとはいえ、ガツンとした突き上げがくるシーンは多いし、日常域ではそのポテンシャルを使い切ることは難しい。

タイプRは、スピード域の高いサーキットなどで走らせて初めてその素晴らしさを感じられるので、普段使いで楽しみたいならRSをおすすめしたい。

また、今回マイナーチェンジ前のMTモデルにも乗ったが、これも十分に走れるモデルだった。残念ながら今回のマイナーチェンジによって標準モデルにはMTの設定なくなり、MTはRSのみとなる。

原稿を書いている段階ではまだ価格が発表されていないが、これだけRS専用装備が付くのであれば、価格も立派になるのは間違いないだろう。

マイナーチェンジ前のMT車は、20~30代の若い世代の人たちにも積極的に購入されていたのだとか。気軽にMTを楽しみたいというのであれば、マイナーチェンジ前のノーマルのMT車を購入して、自分好みにカスタマイズしていくのも手だと思う。

マイナーチェンジ後の唯一のMT車となるRSの価格帯が上がるのは忍びないが、個人的にも若い世代に目一杯MTを楽しんでもらいたいので、「マイナーチェンジ前のノーマルのMT車の中古でも十分楽しめるよ!」ということにも太鼓判を押しておきたい。

<おわり>

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